bitWalk's: Rocky Linux 8.3 RC1 リリース

2021-05-01

Rocky Linux 8.3 RC1 リリース

Rocky Linux は現在開発中の次期 Linux ディストリビューションです。このディストリビューションは Red Hat Enterprise Linux (RHEL) オペレーティングシステムのソースコードをビルドし直すことで、RHEL と完全なバイナリ互換性を持つことを意図しています。このプロジェクトの目的は、コミュニティでサポートされた、製品グレードのエンタープライズ用途の OS を提供することです。

2020 年 12 月 8 日、CentOS プロジェクトは CentOS の開発を CentOS Stream にフォーカスすると発表しました^[1][2]。現行の CentOS 8 のメンテナンス終了日 (EoL) を 2021年末までに変更するとしています。CentOS Stream 8 は CentOS 8 がリリースされた 2019 年 9 月に同時に新しくリリースされた、ローリングリリースモデルを採用したディストリビューションです。CentOS Stream は RHEL と Fedora の中間に位置付けられます。

RHEL のソースコードをビルドした従来の CentOS の未来が無くなったことを受け、CentOS の創設者の一人である Gregory Kurtzer 氏が、CentOS の初期の目標を達成するために Rocky Linux プロジェクトを立ち上げました。この名称は共同創設者である Rocky McGaugh にちなんで名付けられました。

Wikipedia より引用、翻訳、編集

Rocky Linux のダウンロードサイトが公開され、オリジナルの予定から一ヶ月遅れで Rocky Linux 8.3 のリリース候補 RC1 がダウンロードできるようになりました^[3]。対象のプラットフォームは x86_64 と ARM64 (aarch64) の二種類です。

Rocky Linux ダウンロード・サイト

Rocky Linux

早速、上記サイトから Rocky-8.3-x86_64-dvd1.iso をダウンロードして、Gnome Boxes の仮想マシンにインストールしてみました。

Rocky Linux 8.3 RC1 のデスクトップ画面

デザインが違うだけで、同じ RHEL クローンで、リリースが先行している AlmaLinux との違い、あるいは本家の RHEL 8.3 との違いは、すぐには判りません。そんな違いは永遠に解らないのかもしれませんが、しばらく仮想マシン上で使ってみます。

雑感

CentOS の開発中止の発表を受けて、後継の RHEL クローンの開発プロジェクトとしてスタートした AlmaLinux プロジェクトは、3 月 31 日に AlmaLinux 8.3 をリリースしました（x86_64 のみ）^[4]。4 月 30 日には AlmaLinux 8.4 beta を公開しています^[5]。

一方、有志によるコミュニティによる RHEL クローンの開発プロジェクトである Rocky Linux プロジェクトは、遅れること一ヶ月、ようやく RHEL 8.3 対応の Rocky Linux 8.3 のリリース候補が公開されました。RHEL は 10 年という長い期間サポートされる OS ですので、そのクローンもまた、長いサポートが期待されます。Rocky Linux のリリースの遅れも、長い目で見れば大したことではないのかもしれません。長期で安定してプロジェクトが存続していくことが重要です。

さて、本家 RHEL 8.3 がリリースされたのは 2020-10-29 です。おおむね半年毎に（非公式な呼称ですが）マイナーバージョンがリリースされていますので、そろそろ RHEL 8.4 がリリースされます。半年毎という頻繁なリリースサイクルで、クローンのプロジェクトがどのように追従していけるのか、しばらく注視する必要があります。

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