リモートデスクトッププロトコル (RDP) は、ネットワーク接続を介して別のコンピュータに接続するためのグラフィカルインターフェースをユーザーに提供するプロトコルで、Microsoft 社によって開発されました。Unix 系 OS 用のオープンソースの RDP サーバには、FreeRDP, ogon project, xrdp などがあります。このようなサーバーに接続するには、Windows Remote Desktop Connection クライアントを使うことができます。
RDP は Windows 間の接続ばかりでなく、Windows クライアントから Linux への接続にもオープンソースの実装を利用して接続することができます。xrdp はオープンソースの実装のひとつです。これによって Windows のリモートディスクトップのように Linux の xrdp サーバーに接続して、Windows 上で Linux のデスクトップを扱うことができます。
本記事は RHEL 8 で xrdp サービスを使えるようにする手順をまとめました。
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xrdp をインストールおよび設定をする OS は下記のとおりです。
OS | Red Hat Enterprise Linux 8.3 (Ootpa) | x86_64 |
RHEL を xrdp サーバーに設定する
EPEL リポジトリの利用
xrdp は RHEL のデフォルトのパッケージには含まれていません。xrdp を利用するためには、外部レポジトリの EPEL (Extra Packages for Enterprise Linux) [1] を利用します。
EPEL (Extra Packages for Enterprise Linux) は、Fedora プロジェクトの EPEL SIG (Special Interest Group) で作成、維持、管理されている、RHEL (Red Hat Enterprise Linux) とクローン向けの追加パッケージリポジトリです。
EPEL パッケージは Fedora をベースに作成されていますが、RHEL のパッケージと競合したり、置き換えたりすることはありません。なお、EPEL SIG の活動はコミュニティによって維持されているため、商業的(コマーシャル)なサポートは提供されていません。
まず、RHEL 8 向けの EPEL リポジトリ情報を利用するためのパッケージをインストールします。
$ sudo dnf install https://dl.fedoraproject.org/pub/epel/epel-release-latest-8.noarch.rpm [sudo] bitwalk のパスワード: Updating Subscription Management repositories. メタデータの期限切れの最終確認: 7:56:20 時間前の 2021年02月11日 10時12分46秒 に実施しました。 epel-release-latest-8.noarch.rpm 16 kB/s | 22 kB 00:01 依存関係が解決しました。 ================================================================================ パッケージ Arch バージョン リポジトリー サイズ ================================================================================ インストール: epel-release noarch 8-10.el8 @commandline 22 k トランザクションの概要 ================================================================================ インストール 1 パッケージ 合計サイズ: 22 k インストール済みのサイズ: 32 k これでよろしいですか? [y/N]: y : : インストール済み: epel-release-8-10.el8.noarch 完了しました! $
依存関係のある RHEL のリポジトリを有効にします。
$ sudo subscription-manager repos --enable "codeready-builder-for-rhel-8-x86_64-rpms"
1 件のローカル証明書が削除されました。
リポジトリー 'codeready-builder-for-rhel-8-x86_64-rpms' は、このシステムに対して有効になりました。
$
RHEL 互換の Linux ディストロ AlmaLinux / Rocky Linux の場合は、powertools レポジトリを有効にします。
[bitwalk@rocky ~]$ sudo dnf config-manager --set-enabled powertools
xrdp と tigervnc-server をインストール
xrdp と tigervnc-server をインストールします。
[bitwalk@rhel8 ~]$ sudo dnf install xrdp tigervnc-server Updating Subscription Management repositories. Red Hat CodeReady Linux Builder for RHEL 8 x86_ 3.3 MB/s | 4.4 MB 00:01 依存関係が解決しました。 ================================================================================ パッケージ Arch バージョン リポジトリー サイズ ================================================================================ インストール: tigervnc-server x86_64 1.10.1-9.el8_3 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 266 k xrdp x86_64 1:0.9.15-3.el8 epel 447 k 依存関係のインストール: tigervnc-selinux noarch 1.10.1-9.el8_3 rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms 46 k 弱い依存関係のインストール: xrdp-selinux x86_64 1:0.9.15-3.el8 epel 23 k トランザクションの概要 ================================================================================ インストール 4 パッケージ ダウンロードサイズの合計: 782 k インストール済みのサイズ: 2.9 M これでよろしいですか? [y/N]: y パッケージのダウンロード: : : GPG 鍵 0x2F86D6A1 をインポート中: Userid : "Fedora EPEL (8) <epel@fedoraproject.org>" Fingerprint: 94E2 79EB 8D8F 25B2 1810 ADF1 21EA 45AB 2F86 D6A1 From : /etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-EPEL-8 これでよろしいですか? [y/N]: y 鍵のインポートに成功しました : : インストール済み: tigervnc-selinux-1.10.1-9.el8_3.noarch tigervnc-server-1.10.1-9.el8_3.x86_64 xrdp-1:0.9.15-3.el8.x86_64 xrdp-selinux-1:0.9.15-3.el8.x86_64 完了しました! [bitwalk@rhel8 ~]$
サービスの起動
xrdp サービスを起動し、さらに OS 起動時に自動実行させるようにしておきます。
$ sudo systemctl start xrdp $ sudo systemctl enable xrdp Created symlink from /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/xrdp.service to /usr/lib/systemd/system/xrdp.service. $
ファイヤーウォールの設定
リモートデスクトップ接続に使用する TCP ポート 3389 がファイヤーウォールを通るように設定します。
$ sudo firewall-cmd --permanent --zone=public --add-port=3389/tcp success $ sudo firewall-cmd --reload success $
Windows 10 からリモート接続
xrdp サーバへの接続を確認した Windows PC は下記のバージョンを使いました。
OS | Windows 10 Home | 20H2, build 19042.804 | x64 ベース |
Windows 10 の PC から RHEL の xrdp サーバー (192.168.0.25) へリモート接続します。
すると下記のようなログイン画面が表示されますので、xrdp サーバーに設定されているアカウントでログインします。
認証などがパスワードの入力が要求されますが、無事にログインできました。
参考サイト
- EPEL - Fedora Project Wiki
- 第5章 デスクトップにリモートでアクセス Red Hat Enterprise Linux 8 | Red Hat Customer Portal
- ただし、Windows からのリモートデスクトップ接続の説明ではありません
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