2020-09-30

Fedora 33 ベータ版のリリース

9 月 29 日(米国時間)に Fedora 33 ベータ版がリリースされました。今回のリリースでは、Workstation 版のデフォルトのファイルシステムに Btrfs が採用されるなど、大きな変更が目白押しですが、ベータ版のリリースまでは概ね予定通り開発が進んでいます。正式版は 10 月末にリリースされる予定です。

メインの PC に Fedora Workstation 版をインストールしていますが、今回のリリースでファイルシステムが変更になるので、テスト機に Fedora 33 のプレリリース版をインストールして Btrfs のファイルシステムについてあれこれ確認しています。

Fedora 33 Workstation(ベータ)のデスクトップ画面

プレリリースから Fedora 33 Workstation の評価を始めていますが、今のところデスクトップ画面のデフォルトの背景画像は変わっていません。もし、正式リリース時も背景が変わらなかったら、このような風景(?)的な背景画像は Fedora Core 1 以来初めてのことになります。

参考サイト

  1. Fedora
  2. Common F33 bugs - Fedora Project Wiki
  3. Releases/33/ChangeSet - Fedora Project Wiki
  4. Fedora 33 Schedule: All
  5. 2020年9月30日 Fedora 33 Betaがリリース,正式公開は10月末を予定:Linux Daily Topics|gihyo.jp … 技術評論社

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2020-09-25

Puppy Linux FossaPup64 9.5 リリース

Puppy Linux は、メモリ (RAM) 上にシステムを展開して稼働する Linux です。そのため、HDD などのストレージがなくとも運用することができます。CD-ROM や USB メモリに Puppy Linux のイメージを書き込んでおいて、Live Linux として利用することができますが、マウント可能で読み書きできる領域があれば、そこに使用時の変更情報をシャットダウン時に保存することができます。

Puppy Linux Blog のサイトで 2020 年 9 月 21 日に FossaPup64 9.5 のリリースがアナウンスされました [1]。このリリースは FossaPup という名称の通り、Ubuntu 20.04 LTS (Focal Fossa) とバイナリ互換になっています。

日本語化されたものを試すのはこれからですが、まずはリリースされたばかりの FossaPup64 9.5 を試してみました。

FossaPup64 9.5 のデスクトップ画面

使用した PC は以下の通りです。

MUGA ストイック PC3 KNW14FHD3-SR OS : Windows 10 Home
今回のテーマ

Windows PC を使って、今回リリースされた FossaPup64 9.5 の iso イメージをダウンロードして USB メモリに書き込み、同じ PC で、書き込んだイメージを起動するまでを紹介します。

USB メモリにイメージを作成

Puppy Linux のサイト [2] から FossaPup64 9.5 の iso イメージ fossapup64-9.5.iso をダウンロードします。

Rufus の利用

Rufus [3] を使って、ダウンロードした iso イメージを USB メモリに書き込みます。以前、Rufus で Puppy Linux の iso イメージを書き込んだところ、うまく起動できずに難儀しました [4]。今回は次のように「DDイメージモードで書き込む」を選択して、USB メモリにイメージを書き込みました。

まず Rufus を起動します。

「デバイス」にイメージを書き込む USB メモリのドライブを指定、「ブートの種類」にダウンロードした iso イメージ fossapup64-9.5.iso を選択します。

スタート ボタンをクリックして次に進みます。

 

「ISO イメージモード」で書き込むことが推奨となっていますが、ダウンロードした iso ファイルがハイブリッド ISO 形式ということが気にかかるので、敢えて「DD イメージモード」を選んでそっくりコピーすることにします。

OK ボタンをクリックして次に進みます。

 

OK ボタンをクリックして書き込み処理を開始します。

 

閉じる ボタンをクリックして Rufus を終了します。

イメージを書き込んだ USB メモリは、そのまま起動確認をしますにで、抜かずにそのままにしておきます。

 

イメージを起動

Windows の「設定」から

Windows の「設定」を起動し、「更新とセキュリティ」→「回復」を選び、「PC の起動をカスタマイズする」の 今すぐ再起動 のボタンをクリックします。

 

PC の起動をカスタマイズ

青い画面になり、「オプションの選択」の画面になりますので、「トラブルシューティング」を選びます。

 

「トラブルシューティング」の画面で「詳細オプション」を選択します。

 

「詳細オプション」の画面で「UEFI ファームウェアの設定」を選択し、次の「UEFI ファームウェアの設定」の画面で「再起動」します。

再起動します。

 

ファームウェアの設定

ファームウェアの設定の「Boot」タブで、イメージを書き込んだ USB メモリから起動するように、「FIXED BOOT ORDER Priorities」の「Boot Option #1」に USB メモリを指定して「Save & Exit」タブで「Save Changes and Exit」を選んで設定を保存して再起動します。

 

Puppy Linux FossaPup64 9.5 の起動

再起動して、USB メモリからイメージを読み込んで起動すると次のようになります。

 

無事起動すれば次のようなデスクトップ画面が表示されます。

最初に起動した直後のデスクトップ画面

まとめ

USB メモリへの書き込みは、ここで説明したやり方で 2つの USB メモリで試して、2つとも起動に問題なしの状況です。しばらくはこのやり方で続けたいと思います。

参考サイト

  1. FossaPup64 Release | Puppy Linux Blog [2020-09-21]
  2. Puppy Linux Home
  3. Rufus - 起動可能なUSBドライブを簡単に作成できます
  4. bitWalk's: Puppy Linux の起動に失敗する [2020-07-23]
  5. bitWalk's: Linux ディストロ探訪(18) 〜 Puppy Linux 導入編 〜 [2020-07-19]

 

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2020-09-24

Fedora 33 で nano がデフォルトエディタになる

10 月末にリリースが予定されている、次期 Fedora 33 に関する話題です。

先日、書店で「日経 Linux 9 月号」をパラパラ見ていたら News のページ (p. 11) に『次期バージョン「Fedora 33」「nano」と「Btrfs」を標準採用へ』という記事を見つけました。

Fedora 33 Workstation のデフォルトのファイルシステムが ext4 から Btrfs へ変更されることは認識しており、プレリリース版を入手、テスト機にインストールして評価をしているところですが、nano についてはまったく気にしていませんでした。しかし…、気になる点が出てきました。

余談になりますが、今回は買ってゆっくり読もうと、後になって Amazon.jp で Kindle 版の「日経 Linux 9 月号」をポチっと購入しました。書店で見て興味を持ったら、あとで電子書籍を買うという流れが、専門書以外ではとても多くなりました。印刷された書籍を売る書店にとっては苦難の時代になったものだとつくづく思います。😅

デフォルトのエディタって何?

そもそも、端末エミュレータ上で使う「デフォルト」のテキストエディタってなんなのでしょうか?

何を使おうと、コマンドを入力するユーザの自由だと思ったのですが、「デフォルト」と言うからには、それなりの理由がありそうです。そのあたりの説明が下記サイトにありました。

日本語に直してみました。機械翻訳を併用しているので、訳がこなれていないことをご了承ください。

詳細な説明 (Detailed Description)

デフォルトのエディタを呼び出すコマンドを使用すると、ユーザはそのエディタを使わなければなりません。ここで紹介する例は git commit です。

Fedora は今までのところ、環境変数 $EDITOR を設定していないため、ターミナル上で使うデフォルトのテキストエディタが設定されていません。ユーザーがターミナルテキストエディタを使用することになる状況は、git commit を使用するときです。デフォルトでは、gitvi を起動します。vi の場合、基本的な編集作業であっても、それを学ぶのにある程度の時間が必要になります。これは、Fedora に乗り換えようとしていて vi の使い方を知らない人の参入障壁を高めてしまいます。また、特に vi の使い方をおぼえたくない人にとっても大変なことです。(vi は Vim の難度を上げたようなエディタで、機能は少なく、構文の強調表示もなく、どのモードにいるのかもわかりません。Vim のユーザーでさえも vi を使うときには迷いや困惑を感じるかもしれません)。

対照的に、Nano は人々が慣れ親しんだグラフィカルなテキスト編集的な体験を提供しますので、専門的な知識を必要としません。Nano は Fedora のエディションとスピンに既にインストールされています。この変更提案では、Nano をデフォルトのエディタとし、vim-minimal (vi は提供しますが、Vim は提供しません) もインストールされます。ファイルを編集したいときに vi を呼び出すことができますし、デフォルトのエディタを vi や Vim に変更したい人のために、デフォルトのエディタを vi や Vim に変更することももちろん可能です。

なぜ Nano をデフォルトにして vi をオプションにするのか? Nano は誰もが使える選択肢だからです。

なるほど、たしかに git を使うときに vi が起動するので、普段 vi を使っていないと難儀します。

nano を使ってみる

nano は、UNIX を中心としたシステムで使われる、curses を使ったテキストエディタの一種です。

スクリーンエディタの一種でありながら、CUI を用いて編集を行なうことが可能です。このエディタの特色は、その操作方法が WYSIWYG に慣れたユーザにとって分かりやすいため、初心者でも比較的容易に扱うことが可能という点にあります。

Wikipedia より引用・編集

使用した OS 環境は下記の通りです。

Fedora 33 Workstation x86_64

※ ブログ記事を書いている時点では Fedora 33 はまだプレリリース版です。

Nano を使ったことが無かったので、ちょっと使ってみました。

[bitwalk@t100ha ~]$ rpm -q nano
nano-5.2-1.fc33.x86_64
[bitwalk@t100ha ~]$ nano
nano を起動して ~/.bashrc を読み込んだ例

大昔に使っていた MIFES を思い出しました。画面下のメニューで ^Ctrl キーです。例えば「^G ヘルプ」は Ctrl + g です。

nano についてあれこれ言うほど使い込んでいませんので、役に立ちそうなサイトを参考サイトに集めました。

参考サイト

  1. 2020年6月30日 Fedora,デフォルトエディタに「nano」を採用へ:Linux Daily Topics|gihyo.jp … 技術評論社 [2020-06-30]
  2. git commitコマンド実行時にGNU nanoエディタを利用してコミットメッセージを書く | Developers.IO [2020-01-06]
  3. GNU nanoを使いこなす - Qiita [2019-03-28]
  4. Windowsユーザーに贈るLinux超入門(23) Vimより簡単なエディタ「nano」を使ってみよう | マイナビニュース [2019-05-12]
  5. [ソフト] nano(テキストエディタ)の基本的な使い方 [2018-02-24]
  6. nano エディタの使い方 : まだプログラマーですが何か? [2017-07-13]

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2020-09-22

Linux ディストロ探訪(21) 〜 KDE neon 〜

KDE neon は、Ubuntu の最も最近の LTS リリース(長期サポート版)をベースに KDE によって開発されている Linux ディストリビューションで、最新の 64 ビット版の Plasma5 デスクトップ環境/フレームワーク、Qt5 ツールキットなど KDE に適合する追加のソフトウェアレポジトリのセットがバンドルされています。KDE neon は、User、Testing、Unstable、Developer の 4 つのリリースチャンネルで提供されています。

Wikipadia より引用、編集

インストール

KDE neon のダウンロードサイトから、User Edition (neon-user-20200917-0948.iso) をダウンロードして仮想環境 (GNOME Boxes) で起動しました。

neon-user-20200917-0948.iso をライブ起動したデスクトップ画面

画面左上の「Install System」アイコンをクリックしてインストーラを起動します。

インストーラは Calamares が採用されています。下記のようにインストールを進めます。

 

インストールメディアを取り外して再起動するとログイン画面が表示されます。

 

ログインしてしばらく待つとデスクトップ画面が表紙されます。

インストール後の最初のデスクトップ画面 (KDE neon 5.19)

インストール時に日本語を設定しておけば、インストール後すぐに 漢字 キーで切り替えて、Mozc (fcitx) で漢字変換ができます。

アプリケーション

デフォルトでインストールされるアプリケーションの数は控えめです。下図メニューから起動できるアプリケーションのうち、主要なものを紹介します。

インターネット

Firefox ウェブ・ブラウザ

インターネットブラウザは、定番の Mozilla Firefox を利用できます。

Firefox Browser, Mozilla Firefox for Ubuntu
オフィス

Okular 文書ビューア

Okular は、KDE デスクトップ環境向けのドキュメントビューアです。

Okular, 汎用文書ビューア
グラフィックス

Gwenview KDE 画像ビューア

Gwenviewは、KDE デスクトップ環境向けの画像ビューアです。

Gwenview
システム

Discover Software Center

Discover は、KDE デスクトップ環境向けのアプリ・ストアです。アプリの検索、インストール、削除および更新をおこないます。

Discover アプリケーションエクスプローラ
システム

Dolphin ファイルマネージャ

Dolphin は、KDE デスクトップ環境で動作するファイルマネージャーです。

Dolphin ファイルマネージャ
システム

Info Center システム情報センター

Info Center (KInfoCenter) は、コンピュータシステムについての情報を提供する KDE のユーティリティです。

KInfoCenter
システム

KSysGuard システムモニタ

Ksysguard は KDE のタスクマネージャーとパフォーマンスモニターです。

KSysGuard, KDE システムモニタ
システム

KWalletManager ウォレット管理ツール

KWallet(KDE Wallet Manager)は、KDE デスクトップ環境のパスワード管理アプリケーションです。

KWallet, KDE Wallet Manager
システム

Konsole ターミナル

Konsole は、KDE の 端末エミュレータです。KDEアプリケーション Dolphin, Kate, KDevelop, Kile, Konversation, Konqueror, Krusader などは、Kpart(KDE のコンポーネントフレームワーク)を介して、組み込み端末機能を Konsole で実現しています。

Wikipadia より引用、編集・翻訳
Konsole ターミナルエミュレータ
マルチメディア

VLC メディアプレーヤー

VLC メディアプレーヤー (VideoLAN Client) は、クロスプラットフォームで動作するメディアプレーヤーです。

VLC メディアプレーヤー
ユーティリティ

KWrite テキストエディタ

KWrite は KDE 用のテキストエディタです。

KWrite, テキストエディタ
ユーティリティ

Spectacle Screen Capture Utility

Spectacle は KDE 用のスクリーンショットアプリケーションです。

Spectacle, KDE Screenshot Utility
設定

KDE システム設定

KDE のシステム設定用のアプリケーションです。外観、ワークスペース、個人設定、ネットワーク、システム管理、ハードウェアのカテゴリに分かれています。

Central configuration center by KDE

pkcon コマンド

コマンド(CUI)を利用してパッケージのアップデートを行う場合は、pkcon コマンドを下記のように実行します。pkcon コマンドは、PackageKit のコンソールクライアントコマンドです [1]

bitwalk@neon:~$ pkcon refresh
Refreshing cache              [=========================]         
Loading cache                 [=========================]         
Downloading packages          [=========================]         
Running                       [=========================]         
Finished                      [=========================]         
 Disabled                             file:/var/lib/preinstalled-pool focal InRelease
 Enabled                              file:/var/lib/preinstalled-pool focal Release
...
(途中省略)
...
 Enabled                              http://archive.neon.kde.org/user focal InRelease
bitwalk@neon:~$ pkcon update
Getting updates               [=========================]         
Finished                      [=========================]         
Installing packages           [=========================]         
Testing changes               [=========================]         
Finished                      [                         ] (0%)  
The following packages have to be installed:
 linux-headers-5.4.0-48-5.4.0-48.52.all Header files related to Linux kernel version 5.4.0
...
(途中省略)
...
 linux-image-generic-5.4.0.48.51.amd64  Generic Linux kernel image
Proceed with changes? [N/y] y

                              [=========================]         
Updating packages             [=========================]         
Waiting for authentication    [=========================]         
Loading cache                 [=========================]         
Downloading packages          [=========================]         
Running                       [=========================]         
Finished                      [=========================]         
bitwalk@neon:~$ 

実機へのインストール

仮想環境での動作が良好だったので、実機へもインストールしてみました。使用したテスト機は、ドン・キホーテの「MUGAストイックPC2 (KNW14FHD2-SR)」です。

MUGAストイックPC2 にインストールした KDE neon 5.19

ストレージの使用状況を確認すると、スワップ領域が 8 GB も確保されてしまっています。32 GB しかない eMMC なのでちょっと勿体ないです。

ストレージの使用状況

ストレージの残量が少ないですが、テスト用にはしばらく使えそうです。KDE neon の追加情報を調査するため、しばらく使ってみます。

まとめ

項目 説明
ディストリビューション KDE neon
プロジェクトサイト https://neon.kde.org/
デスクトップ環境 KDE Plasma 5
対応プラットフォーム x86_64, AArch64
パッケージ管理 pkcon (deb, APT)
日本語入力 mozc, fcitx, ibus
寸評

以前、KDE をデスクトップ環境に採用している Chakra という Linux ディストロを評価した時に、日本語入力の設定ができそうでできなくて、悔しい思いをしたことがあります [2]。それ以来、なんとなく KDE に苦手意識を持ってしまって、本ブログでの Linux ディストロの評価は GNOME 系のデスクトップ環境が多くなってしまっていました。

今回評価した KDE neon では、マニュアルでの設定なしにはじめから日本語入力ができるようになっていて、苦手意識を少し払拭できました。

KDE デスクトップ環境については、もうすこし詳しく調べたいと考えています、記事をあらためて詳しくまとめる予定です。

参考サイト

  1. Ubuntu Manpage: pkcon - PackageKit console client
  2. bitWalk's: Linux ディストロ探訪(3) 〜 Chakra 〜 [2018-04-22]

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