Rocky Linux は現在開発中の次期 Linux ディストリビューションです。このディストリビューションは Red Hat Enterprise Linux (RHEL) オペレーティングシステムのソースコードをビルドし直すことで、RHEL と完全なバイナリ互換性を持つことを意図しています。このプロジェクトの目的は、コミュニティでサポートされた、製品グレードのエンタープライズ用途の OS を提供することです。
2020 年 12 月 8 日、CentOS プロジェクトは CentOS の開発を CentOS Stream にフォーカスすると発表しました [1][2]。現行の CentOS 8 の メンテナンス終了日 (EoL) を 2021年末までに変更するとしています。CentOS Stream 8 は CentOS 8 がリリースされた 2019 年 9 月に同時に新しくリリースされた、ローリングリリースモデルを採用したディストリビューションです。CentOS Stream は RHEL と Fedora の中間に位置付けられます。
RHEL のソースコードをビルドした従来の CentOS の未来が無くなったことを受け、CentOS の創設者の一人である Gregory Kurtzer 氏が、CentOS の初期の目標を達成するために Rocky Linux プロジェクトを立ち上げました。この名称は共同創設者である Rocky McGaugh にちなんで名付けられました。
先週金曜日(米国時間)、Rocky Linux プロジェクトの 5 月のコミュニティ活動のアップデートがニュースに掲載されました。
- Community Update - May 2021 | Rocky Linux [2021-05-28]
記事を要約すると、
- 5 月 1 日早朝、Rocky Linux 8.3 リリース候補 (RC) を発表した。
- 5 月 18 日にリリースされた RHEL 8.4 に対応した Rocky Linux 8.4 のリリース候補の準備が整い、テストが完了したら、すぐにでも一般公開 (GA) する。
- Rocky Linux 8.4 がプロジェクトの最初の GA リリースになる。
- 8.3 RC から 8.4 GA、または 8.4 RC から 8.4 GA へのアップグレードパスは公式にはサポートしない。
となります。
えっ、そうなんだ、8.4 から正式公開になるんだ。8.3 RC は GA にならないことがいつの間にか決まっているようです。
AlmaLinux OS Foundation が RHEL 8.4 のリリース後、約一週間後の 5 月 26 日に AlmaLinux 8.4 を公開しました [3]。AlmaLinux のミラーサイトも増え、RHEL 互換のディストロの中では勢いを感じます。しかし、長い目で見ると、安定して存続し続けるのはひょっとして Rocly Linux なのかもしれない、と根拠のない予想をして、テスト機に Rocky Linux 8.3 RC をインストールしていました。でも、GA になるのは 8.4 からで、8.3 RC から 8.4 へアップグレードパスがサポートされないなんて、ちょっと肩透かしを食った気分です。
現行の Rocky Linux 8.3 RC でバージョンを確認しても RC であることが判らないのですが、GA にはならず、なんだか中途半端です。😵
半年に一度の RHEL のポイントリリースのペースについていけず、周回遅れなんてことにならないようにと、8.4 を最初の GA リリースに据えたのかもしれません。こんなことなら、いっそテスト機にインストールした Rocky Linux を AlmaLinux へ乗り換えてしまおうかと一瞬頭をよぎりましたが、もう少しこのままで付き合ってみることにします。アップグレードは、たぶんなんとかなるでしょう。🤗
参考サイト
- CentOS Project shifts focus to CentOS Stream – Blog.CentOS.org [2020-12-08]
- CentOS Stream:エンタープライズLinuxの革新的な未来を築く [2021-01-05]
- bitWalk's: AlmaLinux 8.4 リリース [2021-05-26]
- Rocky Linux
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