2020-11-29

【備忘録】QTableView のサンプル

Qt(キュート)とは、C++ で記述されたクロスプラットフォームに対応したアプリケーションフレームワークです。オープンソース版では、バージョン 4.5 から LGPL を適用できるようになりました。PySide2 (Qt for Python) は、Python の公式バインディングを提供するプロジェクトで、オープンソース版の Qt と同じく、LGPLv3/GPLv3 と Qt commercial license(商用ライセンス)が適用されています。

今回は、QTableView のサンプルを備忘録としてまとめました。

下記の OS 環境で動作確認をしています。

Fedora 33 (Workstation Edition) x86_64

QTableView のサンプル

PySide2 のテーブルウィジェット QTableView を使えるようになろうとサンプルを探し、参考サイト [1] を見つけました。このサイトではデータクラスを用意して適用していますが、もう少し単純にしたかったので、リストのデータを使ったサンプルに作り直しました。

qt_tableview.py

実行例

qt_tableview.py の実行例

参考サイト

  1. 【PySide2】QTableViewとModelの作り方 – その1 | WhiteAtelier Archives

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2020-11-26

【備忘録】Matplotlib で SPC チャート (3)

PyGObject で Matplotlib で描画した SPC チャート、さらに GUI ライブラリを wxPython に変更して、改良した SCP チャートを、過去の記事で紹介しました [1] [2]。今回は、GUI ライブラリを PySide2 (Qt for Python) に変更した例を紹介します。

SPC は Statistical Process Control(統計的工程管理)の略で、SPC チャート(管理図)は処理順に注目特性をプロットした折れ線グラフです。製造工程が管理状態にあるかどうかを判断するためなどに活用されます。詳しい SPC チャートの説明は割愛します。

本ブログ記事では下記の OS 環境で動作確認をしています。

Fedora 33 (Workstation Edition) x86_64

チャートを描画するルーチンは、基本的に過去記事 [2] と同じですが、インタラクティブにチャートの操作ができるナビゲーション・ツールバーを利用できることが判ったので備忘録としました。

qt_matplotlib.py の実行例
qt_matplotlib.py

参考サイト

  1. bitWalk's: 【備忘録】Matplotlib で SPC チャート [2020-07-09]
  2. bitWalk's: 【備忘録】Matplotlib で SPC チャート (2) [2020-10-22]

 

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2020-11-22

【備忘録】Qt for Python について

Qt(キュート)とは、C++ で記述されたクロスプラットフォームに対応したアプリケーションフレームワークです。The Qt Company と Qt Project によって開発されています。オープンソース版では、バージョン 4.5 から LGPL を適用できるようになりました(本ブログ記事作成時点で Qt は バージョン 5.15)。

Qt for Python は、Python の公式バインディングを提供するプロジェクトで、オープンソース版の Qt と同じく、LGPLv3/GPLv3 と Qt commercial license(商用ライセンス)が適用されています [1] [2]。Qt for Python は以下の二つのコンポーネントで構成されています。

  • PySide2
    • Qt5 API を Python アプリケーションで使用できるようにします。
  • Shiboken2
    • Qt の C++ のヘッダファイルから Python のバインディングを生成するジェネレータです [3]

PySide2 のコーディング

このところ PySide2 を使った GUI アプリを自由に作ることができるようになりたいと、公開されているマニュアルやサンプルを参考にして、シンプルな GUI サンプル集を作り始めています。

公開されているチュートリアルなどを見ると、フレームワーク特有のコードの書き出し方があるのに気が付きます。別にコーディング方法に正解、不正解はありませんので、我が道を行く書き方でも良いのですが、自分の場合は、まずはできるだけ世の中のプログラマが使っている書き方を真似して使ってみることにしています。

ということで、学習中で固まりつつある書き方を備忘録的に書き留めます。

qt_pushbutton.py

実行例

/usr/bin/python3 /home/bitwalk/Projects/PySide2_sample/qt_pushbutton.py
「プッシュボタン」がクリックされました。

まとめ

まとめるほどの内容ではありませんが、Python の GUI ライブラリとして利用できる wxPython と PySide2 の特徴を比較できるように、年末ぐらいを目標に一通りのサンプルを揃えられるように作り始めています。

参考サイト

  1. Qt for Python | 公式Pythonバインディング
  2. 法的事項 | ライセンス - Qt
  3. Qt for Python: 舞台裏 [2018-09-22]
  4. Qt for Python — Qt for Python

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2020-11-20

Toolbox で Debian のコンテナイメージを利用

本ブログの過去記事 [1] において、Endless OS で Fedora Toolbox が利用できることを紹介しました。Fedora Toolbox は、開発者のためにユーザーアカウント単位でコンテナ環境を提供するコマンドラインツールです。残念なことに、Debian 派生の Endless OS であるのに、収録されている Toolbox で利用できるデフォルトのコンテナは古い Fedora のイメージになっています。できれば Endless OS のコンテナイメージを利用したいところなのですが公開されていません。せめて Debian のイメージを利用したいところです。

Endless OS 3.9 のデスクトップ画面

Fedora Toolbox は OCI の仕様に準拠したコンテナイメージを利用できることになっています。しかし Debian の Docker イメージを利用しようとしたところ、Toolbox の既知の問題に手こずったので、備忘録としてまとめました。

使用した OS は以下の通りです。

Endless OS 3.9.0 x86_64
 » toolbox 0.0.13-1endless2bem1

Toolbox で Debian のコンテナイメージを読み込む

デフォルトは Fedora 29

コンテナイメージを指定しないで作成すると、デフォルトのイメージである Fedora 29 がダウンロードされます。

bitwalk@endless:~$ toolbox create
Image required to create toolbox container.
Download registry.fedoraproject.org/f29/fedora-toolbox:29 (500MB)? [y/N]: y
Created container: fedora-toolbox-29
Enter with: toolbox enter
bitwalk@endless:~$ 

最後のメッセージの通りにタイプするとコンテナに入ります。

bitwalk@endless:~$ toolbox enter

Welcome to the Toolbox; a container where you can install and run
all your tools.

 - To create a new tools container, run 'toolbox create'.

bitwalk@toolbox:~$ 

コンテナから抜けるには exit とタイプします。

bitwalk@toolbox:~$ exit
logout
bitwalk@endless:~$ 

toolbox list で確認すると、ダウンロードしたイメージと起動しているコンテナを確認できます。

bitwalk@endless:~$ toolbox list
Images created by toolbox
IMAGE ID      IMAGE NAME                                        CREATED
4a6adf1f2a96  registry.fedoraproject.org/f29/fedora-toolbox:29  12 months ago
Containers created by toolbox
CONTAINER ID  CONTAINER NAME     CREATED         STATUS             IMAGE NAME
d71cad18afc0  fedora-toolbox-29  57 seconds ago  Up 45 seconds ago  registry.fedoraproject.org/f29/fedora-toolbox:29

指定した OCI コンテナの使用(マニュアル通りのやり方)

Docker の Debian イメージをダウンロードするには、例えば以下のようにします。

bitwalk@endless:~$ toolbox create -c sid --image docker.io/debian:sid
Image required to create toolbox container.
Download docker.io/debian:sid (500MB)? [y/N]: y
Created container: sid
Enter with: toolbox enter --container sid
bitwalk@endless:~$ 

イメージをダウンロードして、一見デフォルトと同じに動いているようですが…、コンテナに入れません。

bitwalk@endless:~$ toolbox enter --container sid
bitwalk@endless:~$

toolbox list で確認すると、コンテナだけ確認できますが起動していません。

bitwalk@endless:~$ toolbox list
Containers created by toolbox
CONTAINER ID  CONTAINER NAME  CREATED         STATUS                     IMAGE NAME
7ac8f5b0bfea  sid             32 seconds ago  Exited (1) 16 seconds ago  docker.io/library/debian:sid
bitwalk@endless:~$

参考サイト [2] によると、どうやら Toolbox 側の問題のようです。このサイトで示されている解決方法は、本ブログ記事を書いている時点では再現できなかったので他の方法を試しました。

Toolbox 用のコンテナイメージを Podman で準備

参考サイト [3] の方法でうまくいきましたので、この方法を紹介します。

Podman を使ってローカルでビルドしたイメージを Toolbox に使用する方法です。Podman はデーモンを使いませんが、コマンドは Docker と同じです。詳細は参考サイト [4] をご覧になってください。

Dockerfile は日本語環境を考慮して下記のようにしました。

Dockerfile

次のようにしてビルドします。

bitwalk@endless:~$ podman build -t debian-toolbox -f Dockerfile
STEP 1: FROM docker.io/library/debian:unstable
Getting image source signatures
Copying blob 2422b4e1b957 done
Copying config 782bdf782a done
Writing manifest to image destination
Storing signatures
STEP 2: ENV NAME=debian-toolbox VERSION=unstable
...
(途中省略)
...
STEP 16: CMD /bin/sh
STEP 17: COMMIT debian-toolbox
6227795b04f6567a210b9684db4539553117178b61cde8ca1aa27526877d429c
bitwalk@endless:~$ podman images
REPOSITORY                 TAG        IMAGE ID       CREATED         SIZE
localhost/debian-toolbox   latest     6227795b04f6   2 minutes ago   185 MB
docker.io/library/debian   unstable   782bdf782a6a   2 days ago      132 MB
bitwalk@endless:~$ 

ビルドしたローカルのイメージから toolbox create コマンドでコンテナを生成します。toolbox list コマンドでコンテナが生成されていることを確認します。

bitwalk@endless:~$ toolbox create -i localhost/debian-toolbox:latest
Created container: debian-toolbox-latest
Enter with: toolbox enter --container debian-toolbox-latest
bitwalk@endless:~$ toolbox list
Images created by toolbox
IMAGE ID      IMAGE NAME                       CREATED
6227795b04f6  localhost/debian-toolbox:latest  9 minutes ago
Containers created by toolbox
CONTAINER ID  CONTAINER NAME         CREATED             STATUS   IMAGE NAME
11e287f6d185  debian-toolbox-latest  About a minute ago  Created  localhost/debian-toolbox:latest

toolbox create コマンドを実行したときに出力された上記メッセージに従ってコンテナに入ります。

bitwalk@endless:~$ toolbox enter --container debian-toolbox-latest
bitwalk@toolbox:~$ ls
Dockerfile  ダウンロード  ドキュメント  ビデオ  ピクチャ  ミュージック
bitwalk@toolbox:~$

Fedora Silverblue 33 の場合

ちなみに、Fedora Silverblue 33 で Debian を利用する場合はどうか、同じように確認しました。

Fedora Silverblue 33 のデスクトップ画面

使用した OS は以下の通りです。

Fedora Silverblue 33 x86_64
 » toolbox-0.0.97-1.fc33.x86_64

以下のように、マニュアル通りのやり方で Debian の Docker イメージを持ってきてコンテナを利用することができました。toolbox のバージョンが上がっているので、Endless OS に収録されている Toolbox にあった問題は既に対処されているようです。

[bitwalk@localhost ~]$ toolbox create -c sid --image docker.io/debian:sid
Image required to create toolbox container.
Download docker.io/debian:sid (500MB)? [y/N]: y
Created container: sid
Enter with: toolbox enter sid
[bitwalk@localhost ~]$ toolbox enter sid
⬢[bitwalk@toolbox ~]$ ls
''$'\343\203\200\343\202\246\343\203\263\343\203\255\343\203\274\343\203\211'
''$'\343\203\206\343\203\263\343\203\227\343\203\254\343\203\274\343\203\210'
''$'\343\203\207\343\202\271\343\202\257\343\203\210\343\203\203\343\203\227'
''$'\343\203\211\343\202\255\343\203\245\343\203\241\343\203\263\343\203\210'
''$'\343\203\223\343\203\207\343\202\252'
''$'\345\205\254\351\226\213'
''$'\347\224\273\345\203\217'
''$'\351\237\263\346\245\275'
⬢[bitwalk@toolbox ~]$ exit
logout
[bitwalk@localhost ~]$

ただし、ロケール関係の設定がされておらず文字化けするので追加の設定が必要になります。

まとめ

Ensless OS に収録されている toolbox が古いバージョンで不具合があったため、却っていろいろ調べることができました。😅

参考サイト

  1. bitWalk's: Endless OS と Toolbox [2020-11-19]
  2. Setting up Debian containers on Fedora Silverblue - Base-Art [2020-06-13]
  3. A quick guide to podman and toolbox in Debian (and maybe Ubuntu) - DEV [2020-02-02]
  4. DockerユーザーのためのPodmanとBuildahの紹介 - 赤帽エンジニアブログ [2020-07-16]

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2020-11-19

Endless OS と Toolbox

Endless OS 3.9.0 が 11 月 9 日にリリースされました [1]。Endless OS は Debian から派生した Linux ディストリビューションですが、他の多くの ディストリビューションと異なり、システムは OSTree で、アプリケーションは Flatpak で管理されます。

今回のリリースがどんなものか確認するため、仮想マシン (GNOME Boxes) にインストールしました。

Endless OS 3.9 のデスクトップ画面

Endless OS のインストールについては、本ブログの過去記事 [2] を参照してください。

OSTree と dpkg

OSTree は OS のファイルシステムツリーを管理するツールで、ファイルシステムツリーのイメージを Git のような使い方でバージョン管理をすることができます。そのため、Endless OS が Debian から派生したディストロだからと言っても、Debian の deb 形式のパッケージを扱えるとは夢にも思わず、コマンドを試してみたこともありませんでした。

今回、念のため試してみたら出来ました! dpkg コマンドも apt コマンドも存在していたのです。😮

物は試しと、使いそうもないフォントを選んで apt コマンドで削除したり、新しいフォントをインストールしようとしましたが、immutable な OS ですから、それはさすがにできませんでした。

bitwalk@endless:~$ dpkg -l | grep font
ii  eos-extra-fonts                       1.4.0+dev201.9b4afab-23bem1                 amd64        extra fonts for EndlessOS
ii  fontconfig                            2.13.1-2endless1bem1                        amd64        generic font configuration library - support binaries
...
(途中省略)
...
ii  fonts-thai-tlwg                       1:0.7.1-1bem1                               all          Thai fonts maintained by TLWG (metapackage)
ii  fonts-tlwg-garuda                     1:0.7.1-1bem1                               all          Thai Garuda font (dependency package)
ii  fonts-tlwg-garuda-ttf                 1:0.7.1-1bem1                               all          Thai Garuda TrueType font
...
(途中省略)
...
ii  ttf-femkeklaver                       1.0-1build1bem2                             all          simple handwriting font
bitwalk@endless:~$ apt remove fonts-tlwg-garuda
E: ロックファイル /var/lib/dpkg/lock-frontend をオープンできません - open (13: 許可がありません)
E: Unable to acquire the dpkg frontend lock (/var/lib/dpkg/lock-frontend), are you root?
bitwalk@endless:~$ sudo apt remove fonts-tlwg-garuda
[sudo] bitwalk のパスワード:
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています... 完了
以下のパッケージは「削除」されます:
  eos-core eos-core-amd64 fonts-thai-tlwg fonts-tlwg-garuda
アップグレード: 0 個、新規インストール: 0 個、削除: 4 個、保留: 0 個。
この操作後に 182 kB のディスク容量が解放されます。
W: 読み込み専用のロックファイル /var/lib/dpkg/lock-frontend にロックは使用しません
W: 読み込み専用のロックファイル /var/lib/dpkg/lock にロックは使用しません
続行しますか? [Y/n] y
dpkg: エラー: unable to access the dpkg database directory /var/lib/dpkg: 読み込み専用ファイルシステムです
E: 子プロセス dpkg --set-selections がエラーコード (2) を返しました
E: Couldn't record the approved state changes as dpkg selection states
bitwalk@endless:~$ cd ダウンロード
bitwalk@endless:~/ダウンロード$ sudo apt install ./fonts-ubuntu_0.83-4_all.deb
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています
状態情報を読み取っています... 完了
注意、'./fonts-ubuntu_0.83-4_all.deb' の代わりに 'fonts-ubuntu' を選択します
以下のパッケージが新たにインストールされます:
  fonts-ubuntu
アップグレード: 0 個、新規インストール: 1 個、削除: 0 個、保留: 0 個。
1,397 kB 中 0 B のアーカイブを取得する必要があります。
この操作後に追加で 4,201 kB のディスク容量が消費されます。
取得:1 /sysroot/home/bitwalk/ダウンロード/fonts-ubuntu_0.83-4_all.deb fonts-ubuntu all 0.83-4 [1,397 kB]
dpkg: エラー: unable to access the dpkg database directory /var/lib/dpkg: 読み込み専用ファイルシステムです
W: 読み込み専用のロックファイル /var/lib/dpkg/lock-frontend にロックは使用しません
W: 読み込み専用のロックファイル /var/lib/dpkg/lock にロックは使用しません
N: ファイル '/sysroot/home/bitwalk/ダウンロード/fonts-ubuntu_0.83-4_all.deb' がユーザ '_apt' からアクセスできないため、 ダウンロードは root でサンドボックスを通さずに行われます。 - pkgAcquire::Run (13: 許可がありません)
E: Sub-process /usr/bin/dpkg returned an error code (2)
bitwalk@endless:~/ダウンロード$bitwalk@endless:~$

ただ、元の OS の構成は deb パッケージで組まれているということを確認できました。

Toolbox

ひょっとして Toolbox も Fedora と同様に使えるのかと思い確認したところ、こちらもありました。😮

toolbox create で作成されるデフォルトのコンテナは、ちょっと古い Fedora のイメージですが、これで開発環境を揃えられます。

bitwalk@endless:~$ dpkg -l | grep toolbox
ii  toolbox                               0.0.13-1endless2bem1                        amd64        Unprivileged development environment
bitwalk@endless:~$ toolbox create
Image required to create toolbox container.
Download registry.fedoraproject.org/f29/fedora-toolbox:29 (500MB)? [y/N]: y
Created container: fedora-toolbox-29
Enter with: toolbox enter
bitwalk@endless:~$ toolbox enter

Welcome to the Toolbox; a container where you can install and run
all your tools.

 - To create a new tools container, run 'toolbox create'.

bitwalk@toolbox:~$ 
bitwalk@toolbox:~$ sudo dnf update

We trust you have received the usual lecture from the local System
Administrator. It usually boils down to these three things:

    #1) Respect the privacy of others.
    #2) Think before you type.
    #3) With great power comes great responsibility.

Failed to set locale, defaulting to C.UTF-8
Fedora Modular 29 - x86_64                      308 kB/s | 1.5 MB     00:04
Fedora Modular 29 - x86_64 - Updates            425 kB/s | 2.1 MB     00:05
Fedora 29 - x86_64 - Updates                    2.2 MB/s |  30 MB     00:13
Fedora 29 - x86_64                              3.0 MB/s |  62 MB     00:21
Last metadata expiration check: 0:00:01 ago on Thu Nov 19 10:14:34 2020.
Dependencies resolved.
================================================================================
 Package                   Arch   Version                         Repo     Size
================================================================================
...
(途中省略)
...

Complete!
bitwalk@toolbox:~$

Toolbox については、本ブログの過去記事 [3] を参照してください。

まとめ

OSTree を利用した immutable な OS は、まだマイナーかもしれませんが、なにしろ書き換えができない OS なのですから、今後、強固なセキュリティを誇る OS として普及していくことが予想されます。個人的には、思うように開発環境を準備できなければ面白くないと思っていましたが、Toolbox の利用でそれも解消です。

Debian ベースの OS 上で Fedora の開発環境を作るのはなんだか変な感じです。ただ、あくまでもデフォルトで Fedora のコンテナが使われるだけで、Debian のイメージも利用できるようです [4]

参考サイト

  1. Release | Endless OS 3.9.0 - english / releases - Endless Community [2020-11-09]
  2. bitWalk's: Linux ディストロ探訪(13) 〜 Endless OS 〜 [2020-04-11]
  3. bitWalk's: Fedora Silverblue と Toolbox [2020-11-03]
  4. Setting up Debian containers on Fedora Silverblue - Base-Art [2020-06-13]

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2020-11-17

プレインストールの Linux

デスクトップ用途の Linux が普及しないのはなぜでしょうか。いろいろと理由があると思いますが、Linux を使いたければ、自分でインストールしなければならないということが普及を妨げている一因と言えるでしょう。Windows がプリインストールされた PC が売られているのは市場ニーズの結果ですので、そう簡単に Linux がプレインストールされた PC が増えるわけではありません。

PC の初期設定を考える

個人向けの Windows PC の場合、購入した PC に電源を入れて Windows を最初に起動したときの設定(初期設定)で、アカウントを作成するか、インターネットに接続して Microsoft のアカウントでログインします。

「初期設定」を検索のキーワードに含めて、マイクロソフトのサイトで説明しているページをようやく見つけました。

Linux では?

Linux を長らく使ってきましたが、Linux をインストールする作業中にアカウントを設定することが当たり前の感覚になっていました。自分だけが使う場合はこれで問題がないのですが、インストールしたものを人に譲りたい/渡したい場合などにアカウントをどうしようか悩みます。Linux をプリインストールした PC を販売しているところではどうしているのでしょう。インストーラをカスタマイズして Windows と同じように初回起動時にアカウントを設定するようにしているのでしょうか?

メインで使っている Fedora では、Windows と同様にインストール後の最初の起動時の初期設定でアカウントを設定するようになっています。アップグレードで済ませることが多いので、このことに今まで注目していませんでした。💦

Endless OS [4] も同じようにインストール後の最初の起動時の初期設定でアカウントを作成しますが、自分が知らないだけで、他の Linux ディストロにも同様なものがあるのかもしれません。

Fedora Siliverblue 33 の初期設定画面

Fedora Workstation 33 と同じですが、Fedora Silverblue 33 をインストールした後の初回起動時の画面を紹介します。

 

格安の PC に Linux がプリインストールされるようになれば、もっと安くなるなと勝手に期待しています。😄

参考サイト

  1. How To Install Fedora 33 – Step by Step With Screenshots | ComputingForGeeks
  2. Now available: Fedora on Lenovo laptops! - Fedora Magazine [2020-09-25]
  3. Lenovo Launches Linux-Ready ThinkPad and ThinkStation PCs Preinstalled with Ubuntu | Lenovo StoryHub [2020-09-23]
  4. bitWalk's: Linux ディストロ探訪(13) 〜 Endless OS 〜 [2020-04-11]
  5. Changes/ReduceInitialSetupRedundancy - Fedora Project Wiki (Fedora 28)

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2020-11-15

いまどきの LXQt

LXQt はフリーでオープンソースの軽量デスクトップ環境です。2013 年から 2014 年にかけて LXDERazor-qt プロジェクトが統合、最終的に GTK+2 ベースの LXDE の開発は中止され、LXQt として全て Qt 上で開発されるようになりました。とは言え、LXDE の開発プロジェクトは今も残っています😮。つまり、LXDE のメンテナである洪任諭 (Hong Jen Yee) 氏があらたに LXQt のプロジェクトを立ち上げたというべきでしょう。

LXQt をデフォルトデスクトップとして提供する Linux ディストロには、LubuntuManjaro LXQt エディション、Fedora の LXQt スピン、SparkyLinux LXQT Full Edition などがあります。

Wikipedia より引用、翻訳、編集

LXQt がリリースされてから何年も経っています。いまどきの LXQt はどんなものか使ってみたくなり、LXQt をデフォルトのデスクトップ環境に採用している Ubuntu 系の Lubuntu をテスト機にインストールしました。

Lubuntu 20.10 x86_64

Lubuntu 20.10

Lubuntu も Ubuntu でおなじみの Ubiquity がインストーラですのでインストールの詳細は割愛します。

Lubuntu 20.10 のデスクトップ画面

驚いたことに、LXQt のバージョンが 0.15.0(最新版は 11 月初めにリリースされた 0.16.0)で、一般的なバージョンの数え方だと、まだ正式バージョン 1.0 に至っていません😮。プロジェクトの開発ロードマップが見つかれば追記します。

LXQt のコンポーネント

Wikipedia の LXQt の説明にあるソフトウェアコンポーネントの一覧をベースに GUI のスクリーンショットが取れたものを加えました。

コンポーネント説明/スクリーンショット
QTerminal

端末エミュレータ

sddm

LXQt 用に、QML で記述された Simple Desktop Display Manager(ディスプレイマネージャ)

lximage-qt

画像ビューア

lxmenu-data

freedesktop.org デスクトップメニュー用に必要なファイル

lxqt-about
lxqt-admin

ユーザー情報などの設定ツール(左;lxqt-admin-time、右:lxqt-admin-user

lxqt-common

共通ファイル(グラフィックファイル、テーマ、デスクトップエントリファイルなど)

lxqt-config

LXQt コンフィグレーションセンター

lxqt-globalkeys

グローバルなキーボードショートカット登録用デーモンおよびライブラリ

lxqt-notificationd

通知デーモン

lxqt-openssh-askpass

OpenSSH パスワードプロンプト

lxqt-panel

デスクトップパネル(タスクバー)

lxqt-policykit

Polkit 認証エージェント

lxqt-powermanagement

電源管理デーモン

lxqt-qtplugin

Qt プラットフォーム統合プラグイン(Qt ベースのプログラムは全てLXQtの設定を採用できるようになる)

lxqt-runner

アプリケーションランチャー

lxqt-session

LXQtセッションマネージャ

lxqt-sudo

sudo/su 用の GUI フロントエンド

obconf-qt

Qt で書かれた Openbox 設定ツール。これは、ウィンドウマネージャに Openbox が使われているためです。

compton-conf

特殊効果の設定ツール

pcmanfm-qt

ファイルマネージャ。LXDE (GTK+2) の PCManFM を Qt へ移植したもの

qt-gtk-engine

GTK+ アプリケーションに Qt テーマを適用するためのテーマエンジン

ファイルマネージャ PCManFM-Qt

LXQt のコンポーネントは、他のデスクトップ環境にもあるものばかりですが、ファイルマネージャ PCManFM-Qt は、ファイルマネージャの機能ばかりでなく、左側のペインの「アプリケーション」を開けば、Windows で言うところのスタートメニューから選ぶアプリケーションが、PCManFM-Qt からも選択、起動できるようになっています。

PCManFM-Qt でアプリケーション一覧表示

メモリーの使用状況とスワップ

Lubuntu をインストールしたとき、アカウントの設定などの他はデフォルトのままでインストールしたのですが、スワップ領域が確保されていませんでした。そういう仕様なんでしょうか。

bitwalk@lubuntu:~$ free -h
              total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:          3.7Gi       383Mi       2.1Gi        29Mi       1.3Gi       3.1Gi
Swap:            0B          0B          0B
bitwalk@lubuntu:~$ 

使っていてスワップ領域が必要ということになれば、参考サイト [4] にあるようにスワップファイルを作成することで対応できます。

まとめ

何年経っても LXQt のバージョン番号が 1.0 に至っていないことが気になりますが、ちょっと使ってみた感じではシンプルなデスクトップ環境で好感が持てます。デスクトップ環境はミニマルで十分という方には、選択肢のひとつとして LXQt を検討しても良いのではないでしょうか。

自分の場合、かつて軽量デスクトップ環境を求めて GTK+2 ベースの LXDE を使いだして、それなりに気に入っていました。しかし、プロジェクトが Qt ベースの LXQt へ移行した際に、プロジェクト内がゴタゴタしていると感じて、使用するデスクトップ環境を GNOME に一本化した経緯があります。

気に入ったプロジェクトが末永く持続するかどうかも、デスクトップ環境の選択に必要な条件になります。ただ、そこはオープンソースプロジェクトなのですから、自分が使う人に徹するばかりでなく、気に入ったプロジェクトに進んで参加して活動を盛り立てることも必要でしょう。プログラマーだけが活動ではありません。パッケージングや翻訳のみならず、動作確認だって立派にプロジェクトへ貢献できます🤗。

参考サイト

  1. LXQt - The Lightweight Qt Desktop Environment
  2. LXDE
  3. Lubuntu 20.04 LTS "Focal Fossa" 〜最軽量・最新Ubuntu LXQtフレーバー・・ベータではNGだった日本語化、機能性に関して、production品質まで到達できたかを検証する! [2020-04-27]
  4. bitWalk's: 【備忘録】スワップファイルの追加 [2020-05-17]

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