リモートデスクトッププロトコル (RDP) は、ネットワーク接続を介して別のコンピュータに接続するためのグラフィカルインターフェースをユーザーに提供するプロトコルで、Microsoft 社によって開発されました。Unix 系 OS 用のオープンソースの RDP サーバには、FreeRDP, ogon project, xrdp などがあります。このようなサーバーに接続するには、Windows Remote Desktop Connection クライアントを使うことができます。
RDP は Windows 間の接続ばかりでなく、Windows クライアントから Linux への接続にもオープンソースの実装を利用して接続することができます。xrdp はオープンソースの実装のひとつです。これによって Windows のリモートディスクトップのように Linux の xrdp サーバーに接続して、Windows 上で Linux のデスクトップを扱うことができます。
本記事は AlmaLinux 9 で xrdp サービスを使えるようにする手順をまとめました。
--- OUTLINE ---
xrdp をインストールおよび設定をする OS は下記のとおりです。
OS | AlmaLinux 9.3 (Shamrock Pampas Cat) | x86_64 |
AlmaLinux を xrdp サーバーに設定する
EPEL リポジトリの利用
xrdp は AlmaLinux のデフォルトのパッケージには含まれていません。xrdp を利用するためには、外部レポジトリの EPEL (Extra Packages for Enterprise Linux) [1] を利用します。
EPEL (Extra Packages for Enterprise Linux) は、Fedora プロジェクトの EPEL SIG (Special Interest Group) で作成、維持、管理されている、RHEL (Red Hat Enterprise Linux) とクローン向けの追加パッケージリポジトリです。
EPEL パッケージは Fedora をベースに作成されていますが、RHEL(あるいはその互換ディストロ)のパッケージと競合したり、置き換えたりすることはありません。なお、EPEL SIG の活動はコミュニティによって維持されているため、商業的(コマーシャル)なサポートは提供されていません。
まず、AlmaLinux 9 向けの EPEL を利用するためのパッケージをインストールします。
[bitwalk@almalinux ~]$ sudo dnf install -y epel-release
[sudo] bitwalk のパスワード:
メタデータの期限切れの最終確認: 0:07:26 前の 2023年12月10日 20時12分11秒 に実施しました。
依存関係が解決しました。
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パッケージ Arch バージョン リポジトリー サイズ
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インストール:
epel-release noarch 9-5.el9 extras 18 k
:
:
:
完了しました!
[bitwalk@almalinux ~]$
xrdp と tigervnc-server をインストール
xrdp と tigervnc-server をインストールします。
[bitwalk@almalinux ~]$ sudo dnf install -y xrdp tigervnc-server
Extra Packages for Enterprise Linux 9 - x86_64 2.0 MB/s | 20 MB 00:09
メタデータの期限切れの最終確認: 0:00:18 前の 2023年12月10日 20時20分04秒 に実施しました。
依存関係が解決しました。
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パッケージ Arch バージョン リポジトリー サイズ
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インストール:
tigervnc-server x86_64 1.13.1-2.el9 appstream 220 k
xrdp x86_64 1:0.9.23.1-1.el9 epel 460 k
依存関係のインストール:
dbus-x11 x86_64 1:1.12.20-8.el9 appstream 24 k
imlib2 x86_64 1.7.4-1.el9 epel 225 k
tigervnc-license noarch 1.13.1-2.el9 appstream 16 k
tigervnc-selinux noarch 1.13.1-2.el9 appstream 25 k
tigervnc-server-minimal x86_64 1.13.1-2.el9 appstream 1.1 M
弱い依存関係のインストール:
xrdp-selinux x86_64 1:0.9.23.1-1.el9 epel 13 k
:
:
:
完了しました!
[bitwalk@almalinux ~]$
サービスの起動
xrdp サービスを起動し、さらに OS 起動時に自動実行させるようにしておきます。
$ sudo systemctl start xrdp $ sudo systemctl enable xrdp Created symlink /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/xrdp.service → /usr/lib/systemd/system/xrdp.service. $
ファイヤーウォールの設定
リモートデスクトップ接続に使用する TCP ポート 3389 がファイヤーウォールを通るように設定します。
$ sudo firewall-cmd --permanent --zone=public --add-port=3389/tcp success $ sudo firewall-cmd --reload success $
Windows 11 からリモート接続
xrdp サーバへの接続を確認した Windows PC は下記のバージョンを使いました。
OS | Windows 11 Home | 23H2, build 22631.2792 | x64 ベース |
Windows 11 の PC から RHEL の xrdp サーバー (192.168.0.34) へリモート接続します。
すると下記のようなログイン画面が表示されますので、xrdp サーバーに設定されているアカウントでログインします。
無事にログインできました。
参考サイト
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