2018-04-22

Linux ディストロ探訪(3) 〜 Chakra 〜

Linux とは本来 Linux カーネルのことを指しています。しかし、カーネルだけでは OS として動作させることはできません。そこで、OS に関連するツールやアプリケーションなどをまとめて、インストールし易く、インストール後にすぐ利用できるような配布形態にしたものを「ディストリビューション(略してディストロ)」と呼んでいます。

本シリーズ記事は、Linux ディストリビューションをピックアップ、仮想マシン(あるいは実機)にインストールして紹介します[不定期]。

Chakra とは

Chakra (/ˈtʃæk.ɹə/) は Arch Linux をベースにしており、KDE のソフトウェアに集中させて、可能な限り KDE/Qt 以外のツールキットを利用するソフトウェアの使用を抑えたディストリビューションです。

※ 正式名は Chakra GNU/Linux です。

リリースは不定期で、リリースからリリースまでの間は ローリング・リリースを採用して、コアパッケージについてはセキュリティーパッチを当てていくというリリース方法を採用しています。

パッケージのレポジトリは下記の4つに分かれています(テスト用を除く)。

core
基本システムの設定に必要な全パッケージ
desktop
KDE ソフトウェアおよび Chakra 固有のツールを集約
gtk
有名どころの GTK アプリケーション
lib32
x86_64 環境下ですぐに使える 32 ビット (x86) のアプリケーション

Arch Linux の評価を検討したのですが、ハマりそうなポイントが多かったので、簡単にインストールできそうな Chakra をまず試すことにしました。

仮想環境で iso イメージを試してみる

下記のサイトから、chakra-2017.10-goedel-x86_64.iso.torrent をダウンロードして、BitTorrent のクライアントの Transmission で iso イメージ chakra-2017.10-goedel-x86_64.iso.torrent をダウンロードしました。

仮想環境 GNOME Boxes で、インストールする前にライブで起動してみました。

インストールしてみる

ライブで起動した Chakra の画面左上に表示されたウィンドウの下に並んでいるボタン左側 Install Chakra のボタンをクリックすると、ハードディスクなどストレージに Chakra をインストールするインストーラが起動します。言語を Japanese に設定すると、インストーラのメッセージが日本語に変わりました。

インストールのつくりはいたってシンプルで、下記の設定をしてパッケージが書き込まれれば完了です。

  1. ロケーション(時間帯)
  2. キーボードのレイアウト
  3. ストレージのパーティション
  4. ユーザーアカウント

日本語環境は未整備?

シンプルなインストールで、メッセージは国際化対応がされていたので、これで日本語環境がなんなく整えば文句無し、と期待したのですが、端末エミュレータ Konsole を起動してみてがっかりです。入力カーソルの表示位置と入力した捩の表示がズレています。まるでマルチバイト文字対応黎明期に遭遇した症状です。

Konsole に文字入力する際の入力カーソルと文字の位置関係

日本語入力メソッドは fcitx-mozc や ibus-mozc など一通り利用できるようになっているのですが…、インストールしても Konsole 上でひらがな入力すらできるようになりませんでした。単純に設定のやり方が間違っている可能性もあるのですが、いろいろ試してみたにもかかわらずできるようにならなかったので、とりあえずギブアップします。

まとめ

項目 説明
ディストリビューション Chakra GNU/Linux
プロジェクトサイト https://www.chakralinux.org/
デスクトップ環境 KDE
パッケージ形式 Pacman によるパッケージ管理 (tar.xz)、フロントエンドの管理ツールは Octopi
日本語入力 fcitx-mozc, ibus-mozc ただし、正常に機能することを確認できませんでした。
特記事項 可能な限り KDE/Qt 以外のツールキットを利用するソフトウェアの使用を抑えたディストリビューション
寸評 Gnome や GTK 系のデスクトップ環境に慣れ親しんできたので、KDE に特化したディストリビューションに新鮮さを感じました。また手軽にインストールできて Arch Linux の Pacman によるパッケージ管理を試せるのも新鮮で魅力的です。
惜しむらくは、日本語入力ができるようにならなかったことです。単に自分の知識が足りなかっただけなのかもしれません。記事では紹介しませんでしたが、実機へのインストールも難無くできて、WiFi や Bluetooth の利用もできました。
機を見て再挑戦して、Pacman によるパッケージ管理を詳しく紹介したいと考えています。

参考サイト

Chakra について日本語で書かれたサイトがほとんど見つかりませんでした。

  1. Chakra Linux: Its Own Beast, Its Own Beauty | Linux.com | The source for Linux information [2017-08-18]
  2. Mozc - ArchWiki

 

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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

最新のテスト版ではmozcによる入力ができます

bitWalk さんのコメント...

コメントの気付くのが遅れて申し訳ありません。情報をありがとうございます。