2020-11-15

いまどきの LXQt

LXQt はフリーでオープンソースの軽量デスクトップ環境です。2013 年から 2014 年にかけて LXDERazor-qt プロジェクトが統合、最終的に GTK+2 ベースの LXDE の開発は中止され、LXQt として全て Qt 上で開発されるようになりました。とは言え、LXDE の開発プロジェクトは今も残っています😮。つまり、LXDE のメンテナである洪任諭 (Hong Jen Yee) 氏があらたに LXQt のプロジェクトを立ち上げたというべきでしょう。

LXQt をデフォルトデスクトップとして提供する Linux ディストロには、LubuntuManjaro LXQt エディション、Fedora の LXQt スピン、SparkyLinux LXQT Full Edition などがあります。

Wikipedia より引用、翻訳、編集

LXQt がリリースされてから何年も経っています。いまどきの LXQt はどんなものか使ってみたくなり、LXQt をデフォルトのデスクトップ環境に採用している Ubuntu 系の Lubuntu をテスト機にインストールしました。

Lubuntu 20.10 x86_64

Lubuntu 20.10

Lubuntu も Ubuntu でおなじみの Ubiquity がインストーラですのでインストールの詳細は割愛します。

Lubuntu 20.10 のデスクトップ画面

驚いたことに、LXQt のバージョンが 0.15.0(最新版は 11 月初めにリリースされた 0.16.0)で、一般的なバージョンの数え方だと、まだ正式バージョン 1.0 に至っていません😮。プロジェクトの開発ロードマップが見つかれば追記します。

LXQt のコンポーネント

Wikipedia の LXQt の説明にあるソフトウェアコンポーネントの一覧をベースに GUI のスクリーンショットが取れたものを加えました。

コンポーネント説明/スクリーンショット
QTerminal

端末エミュレータ

sddm

LXQt 用に、QML で記述された Simple Desktop Display Manager(ディスプレイマネージャ)

lximage-qt

画像ビューア

lxmenu-data

freedesktop.org デスクトップメニュー用に必要なファイル

lxqt-about
lxqt-admin

ユーザー情報などの設定ツール(左;lxqt-admin-time、右:lxqt-admin-user

lxqt-common

共通ファイル(グラフィックファイル、テーマ、デスクトップエントリファイルなど)

lxqt-config

LXQt コンフィグレーションセンター

lxqt-globalkeys

グローバルなキーボードショートカット登録用デーモンおよびライブラリ

lxqt-notificationd

通知デーモン

lxqt-openssh-askpass

OpenSSH パスワードプロンプト

lxqt-panel

デスクトップパネル(タスクバー)

lxqt-policykit

Polkit 認証エージェント

lxqt-powermanagement

電源管理デーモン

lxqt-qtplugin

Qt プラットフォーム統合プラグイン(Qt ベースのプログラムは全てLXQtの設定を採用できるようになる)

lxqt-runner

アプリケーションランチャー

lxqt-session

LXQtセッションマネージャ

lxqt-sudo

sudo/su 用の GUI フロントエンド

obconf-qt

Qt で書かれた Openbox 設定ツール。これは、ウィンドウマネージャに Openbox が使われているためです。

compton-conf

特殊効果の設定ツール

pcmanfm-qt

ファイルマネージャ。LXDE (GTK+2) の PCManFM を Qt へ移植したもの

qt-gtk-engine

GTK+ アプリケーションに Qt テーマを適用するためのテーマエンジン

ファイルマネージャ PCManFM-Qt

LXQt のコンポーネントは、他のデスクトップ環境にもあるものばかりですが、ファイルマネージャ PCManFM-Qt は、ファイルマネージャの機能ばかりでなく、左側のペインの「アプリケーション」を開けば、Windows で言うところのスタートメニューから選ぶアプリケーションが、PCManFM-Qt からも選択、起動できるようになっています。

PCManFM-Qt でアプリケーション一覧表示

メモリーの使用状況とスワップ

Lubuntu をインストールしたとき、アカウントの設定などの他はデフォルトのままでインストールしたのですが、スワップ領域が確保されていませんでした。そういう仕様なんでしょうか。

bitwalk@lubuntu:~$ free -h
              total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:          3.7Gi       383Mi       2.1Gi        29Mi       1.3Gi       3.1Gi
Swap:            0B          0B          0B
bitwalk@lubuntu:~$ 

使っていてスワップ領域が必要ということになれば、参考サイト [4] にあるようにスワップファイルを作成することで対応できます。

まとめ

何年経っても LXQt のバージョン番号が 1.0 に至っていないことが気になりますが、ちょっと使ってみた感じではシンプルなデスクトップ環境で好感が持てます。デスクトップ環境はミニマルで十分という方には、選択肢のひとつとして LXQt を検討しても良いのではないでしょうか。

自分の場合、かつて軽量デスクトップ環境を求めて GTK+2 ベースの LXDE を使いだして、それなりに気に入っていました。しかし、プロジェクトが Qt ベースの LXQt へ移行した際に、プロジェクト内がゴタゴタしていると感じて、使用するデスクトップ環境を GNOME に一本化した経緯があります。

気に入ったプロジェクトが末永く持続するかどうかも、デスクトップ環境の選択に必要な条件になります。ただ、そこはオープンソースプロジェクトなのですから、自分が使う人に徹するばかりでなく、気に入ったプロジェクトに進んで参加して活動を盛り立てることも必要でしょう。プログラマーだけが活動ではありません。パッケージングや翻訳のみならず、動作確認だって立派にプロジェクトへ貢献できます🤗。

参考サイト

  1. LXQt - The Lightweight Qt Desktop Environment
  2. LXDE
  3. Lubuntu 20.04 LTS "Focal Fossa" 〜最軽量・最新Ubuntu LXQtフレーバー・・ベータではNGだった日本語化、機能性に関して、production品質まで到達できたかを検証する! [2020-04-27]
  4. bitWalk's: 【備忘録】スワップファイルの追加 [2020-05-17]

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