Rocky Linux は現在開発中の次期 Linux ディストリビューションです。このディストリビューションは Red Hat Enterprise Linux (RHEL) オペレーティングシステムのソースコードをビルドし直すことで、RHEL と完全なバイナリ互換性を持つことを意図しています。このプロジェクトの目的は、コミュニティでサポートされた、製品グレードのエンタープライズ用途の OS を提供することです。
2020 年 12 月 8 日、CentOS プロジェクトは CentOS の開発を CentOS Stream にフォーカスすると発表しました [1][2]。現行の CentOS 8 の メンテナンス終了日 (EoL) を 2021年末までに変更するとしています。CentOS Stream 8 は CentOS 8 がリリースされた 2019 年 9 月に同時に新しくリリースされた、ローリングリリースモデルを採用したディストリビューションです。CentOS Stream は RHEL と Fedora の中間に位置付けられます。
RHEL のソースコードをビルドした従来の CentOS の未来が無くなったことを受け、CentOS の創設者の一人である Gregory Kurtzer 氏が、CentOS の初期の目標を達成するために Rocky Linux プロジェクトを立ち上げました。この名称は共同創設者である Rocky McGaugh にちなんで名付けられました。
Rocky Linux プロジェクトのサイトの News のページに3月の活動内容が掲載されました。
- Community Update - March 2021 | Rocky Linux [2021-03-31]
この記事で、開発状況が説明されています。
- システムとインフラの構築 - 1 月 31 日 ✓
- 自動パッケージビルド基盤 - 1 月 31 日 ✓
- テストパッケージリポジトリの公開 - 2 月 28 日 ✓
- インストーラのテスト - 2 月 28 日[進行中]
- コミュニティによるテスト - 3 月 31 日 → 4 月 30 日
- リリース候補の公開 - 3 月 31 日 → 4 月 30 日
コミュニティテストとリリース候補の公開に関する目標を、3 月 31 日から 4 月 30 日に変更されました。理由はビルド作業が煩雑になったためとのことです。
先日、一般公開された AlmaLinux では、開発やコミュニティ活動をまとめる非営利団体を設立するそうですが [3]、今後、じっくり二つのプロジェクトの活動の違いを比較していこうと考えています。
参考サイト
- CentOS Project shifts focus to CentOS Stream – Blog.CentOS.org [2020-12-08]
- CentOS Stream:エンタープライズLinuxの革新的な未来を築く [2021-01-05]
- CentOS代替目指す「AlmaLinux OS」がGAに、非営利団体設立も発表 | OSDN Magazine [2021-03-31]
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