2020-07-24

Linux ディストロ探訪(19) 〜 Clonezilla 〜

Clonezilla は NCHC (National Center for High-Performance Computing, Taiwan) の Free Software Labs が開発している、パーティションとディスクのイメージ作成やクローン(複製)を扱うツールです。Debian または Ubuntu をベースにして作られています。

Clonezilla を試す

Clonezilla には、主にライブ CD 版と、サーバー版がありますが、本記事では、PC へのインストールの必要がないライブ CD 版 (Clonezilla live) について紹介します。

サポートしているファイルシステム

Clonezilla は多くのファイルシステムのフォーマットをサポートしています。

  1. GNU/Linux
    • ext2, ext3, ext4, reiserfs, reiser4, xfs, jfs, btrfs, f2fs, nilfs2
    • LVM2
    • grub (version 1 / 2), syslinux を再インストール
  2. MS Windows
    • FAT12, FAT16, FAT32, NTFS
  3. Mac OS
    • HFS+
  4. FreeBSD, NetBSD, OpenBSD
    • UFS
  5. Minix
    • minix
  6. VMWare ESX
    • VMFS3, VMFS5
  7. その他
    • MBR, GPT パーティションフォーマット
    • Clonezilla live は BIOS, uEFI どちらでもブート可能

Clonezilla live の動作要件

Clonezilla live を稼働させる最低限必要な環境は次の通りです。

  • CPU : x86 または x86_64
  • RAM : 196 MB 以上
  • ディスプレイ解像度 : 800 x 600 以上
  • ブート可能なデバイス(例: CD/DVD ドライブ, USB ポート, PXE, あるいは HDD/SSD)

Clonezilla 評価のテーマ

実は今回、Clonezilla を評価するのは理由があります。それは、Puppy Linxu の USB メモリを他の USB メモリにそっくりコピーすることです。

再現性良く、まともに起動できる Puppy Linux (BionicPup32 8.0) を USB メモリに作成できないことに業を煮やし、まともに Puppy Linux を起動できる USB メモリを、そのまま他の USB メモリに複製しようと考えたわけです。

したがって、今回は、Clonezilla を使って USB メモリから USB メモリへ複製することを評価のテーマとします。

  • 【コピー元】
    • USB メモリ 8GB (Verbatim USBMC8GVV2) : Puppy Linux (BionicPup32 8.0)
  • 【コピー先】
    • USB メモリ 16GB (Verbatim USBV16GVZ2) : ブランク (FAT32)

同じ表示容量の USB メモリでも、実際のサイズは微妙に異なる可能性があります。コピー元よりコピー先の容量が小さくならないように、コピー先の USB メモリの容量を敢えて大きいものにしました。

USB メモリへ書き込みと起動

下記サイトから、最新の alternative stable - 20200703-focal(ブログ作成時点)をクリックします。

>ちなみに、alternative stable は Ubuntu ベース、stable は Debian ベースです。Ubuntu ベースの alternative stable には、オープンソースでないファームウェアが含まれています。

するとダウンロードするページに移りますので、ダウンロードする形式を選択します。ここでは iso 形式のファイルをダウンロードしたいので下記のようにして、Download ボタンをクリックしました。

ダウンロードした clonezilla-live-20200703-focal-amd64.iso を、Fedora 上の Fedora Media Writer で USB メモリに書き込みました。

テスト機 (Jumper EZpad 6 Pro) の USB ポートに挿して Clonezilla を起動しました。

Clonezilla の起動後、最初のメニュー (grub)

デフォルトの設定で問題ないので、このまま Enter を押下して次へ進みます。

言語とキーボード配列の設定

最初に、表示言語とキーボード配列の設定をします。言語を日本語に、キーボードを日本語配列に設定しました。

なお、Clonezilla ではマウスを使えません。選択はカーソル , で移動し、Enter キーで選択します。<Ok>, <Cancel> へは Tab キーで移動します。

USB メモリから USB メモリへをそっくりコピー

Clonezilla を起動します。

処理モードの選択

二番目の「device-device  ディスク/パーティション⇒ディスク/パーティション」を選択します。

ウィザードのモードの選択

「Beginner  初心者モード = デフォルトオプションを了解」を選択します。

複製内容の選択

「disk_to_local_disk  「ローカルディスク → ローカルディスク」複製」を選択します。

コピー元の選択

コピー元に「sdd    7748MB_STORE_N_GO_Varbatim_STORE_N_GO_900003BE9D78C745-0:0」を選択します。

コピー先の選択

コピー先に「sda    15.5GB_STORE_N_GO_Varbatim_STORE_N_GO_18103107002089-0:0」を選択します。

拡張パラメータの選択

「-sfsck    元ファイルシステムのチェック/修復をスキップする」を選択します。

コピー終了後のアクション

「-pa choose  すべての処理の完了時に実行する・再起動/シャットダウン/他を選択してください」を選択します。

いくつかの確認項目に y を入力して進めます。

クローンの開始

コピー元のパーティション毎に複製がはじまります。

救製が終わって、後処理がされます。

終了

無事、複製が終わりましたので、Clonezilla を終了します。

まとめ

項目 説明
ディストリビューション Clonezilla
プロジェクトサイト Clonezilla - About
デスクトップ環境 なし
対応プラットフォーム x86, x86_64
パッケージ管理 なし
日本語入力 なし
寸評

Clonzilla live は、必要な複製処理をするために起動して、処理が終われば終了する機能を絞った OS、というよりツールです。

OS の配布が CD とか DVD が主流であった時代は、きっと重宝なツールだったでしょうが、ネットワーク配布が多くなった昨今は需要が減っているのかもしれません。今回、Clonezilla を紹介するのにちょうど良い題材と考え、USB メモリの丸ごとコピーをするために使いましたが、考えてみると dd コマンドでもできそうなテーマではありました。💦

Puppy Linux の USB メモリ複製の成否

今回の Clonezilla 評価のテーマであった、Puppy Linux の USB メモリ複製結果の成否はどうであったか、ですが、お陰様で複製した USB メモリで起動することができました😁。別記事であらためて紹介します。

参考サイト

  1. Clonezilla とは? - Clonezilla Japan
  2. 【 dd 】コマンド――ブロック単位でファイルをコピー、変換する:Linux基本コマンドTips(163) - @IT

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

0 件のコメント: