会社がサポートしている Linux ディストリビューションであれば、たとえ人気があっても、それが会社の収益に結びついているかは別問題です。なぜなら、Linux は大抵無料で配布されているからです。しかし、会社は収益がなければ開発を維持できません。
先日 4 月 23 日 に Ubuntu 20.04 LTS がリリースされましたが、その Ubuntu は今や最もポピュラーな Linux ディストリビューションと言えます。その Ubuntu の開発をサポートしている Canonical Ltd. の財務状況が気になり調べてみました。
Ubuntu 20.04 LTS のデスクトップ
ZDNet の記事
ZDNet.com に Canonical Ltd. の最近の動向に関する記事がありました。
日本語にすると「Ubuntu の人気と Canonical Ltd. の収益性について Mark Shuttleworth 氏が語る」といったところでしょうか。要点をまとめました。
- Canonical Ltd.(以下、「カノニカル」と表します)は、Mark Shuttleworth 氏が所有する非公開の会社でマン島にある。
- カノニカルの最新年次報告書は 2019 年 10 月 15 日に提出されたもので、2018 年 12 月 31 日までの財務を対象としている。
- 2019 年の会計年度の最初の 9か月間で、総売上高は 8,343 万ドル、利益は 1,085 万ドルになった。同社は 2018 年から利益を上げている。
- Mark Shuttleworth 氏はカノニカルを上場させることを考えているが、直近での IPO(新規上場株式公開)の予定は無いとのこと。
- IPO の前提となる収益と成長率について具体的な目標を設定したが…、
- 新型コロナウイルス感染(パンデミック)の影響を慎重に見極める必要がある。
カノニカルの収益の柱は?
ZDNet の記事にあった年次報告書の詳細は判らないのですが、一体、カノニカルの収益の柱は何なのでしょうか。
もしかすると、昨年末に発表があった Ubuntu Pro [4] が今後の有力事業になるのでしょうか。新しいサービスなので成否はこれからですが、10 年の OS メンテナンスをコミットしてサポートされるのは、用途によっては大変魅力的でしょう。継続的に Ubuntu Pro の動向に注視していきたいです。
オープンソースに関わる会社だからと言っても、霞を食っているわけにはいきません。持続的に収益を得られる事業の地盤を固めて発展して欲しいものです。
参考サイト
- 新規株式公開に向けて準備を進めるCanonical、気になる財務状況 - ZDNet Japan [2019-01-21]
- Canonical | Publisher of Ubuntu
- Canonical (company) - Wikipedia
- Canonical、Amazon Web Services向けUbuntu Proを発表 | Ubuntu
- AWS Marketplace: Ubuntu Pro 20.04 LTS
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