ただ楽しむためだけに彼が始めたカーネルは今や、6 千万以上の人々の PC デスクトップやそれ以上の台数のウェブサーバの OS の一部として稼動している。
リンク切れでたどれませんでしたが、これは Abramson, Ronna (2004年12月15日) の記事です。
Linus B. Torvalds 氏の楽しみから始まった Linux カーネルはますます発展を続け、今やウェブサーバの OS にとどまらず、クラウド環境を支える重要なインフラになっています。本ブログ記事では、エンタープライズ用途で利用できる Linux ディストロをピックアップして紹介します。
今回は SUSE 社の SUSE Linux Enterprise Server (SLES) を紹介します。
SUSE Linux Enterprise Server (SLES)
SUSE /ˈsuːzə/ はドイツを拠点とし、ビジネス顧客向けの Linux 製品を開発・販売するオープンソースソフトウェア多国籍企業です。1992 年に創設され、企業向けに商用 Linux を販売した最初の会社です。SUSE はコミュニティ支援で openSUSE を開発している openSUSE Project の主要なスポンサーです。
SUSE 社は名前と、印象に残るカメレオンのロゴを知っている程度、あと openSUSE を評価したことがあるぐらいでしたが、今回、はじめて SUSE Linux Enterprise の無料ダウンロードサービスを試してみました。
上記 SUSE 社のサイトには、無料ダウンロードのリンクがあり、下記のプラットフォームを対象に 60 日間、SUSE を試すことができます。
- s390x
- x86_64
- ppc64le
- aarch64
SUSE 社も Red Hat 社と同様にサブスクリプションを販売するビジネスモデルを採用しています。そのため、ダウンロードするにはまずアカウントを作成する必要があります。法人相手がメインなのか、勤務する会社名の入力が必須で、しかも自分のアカウントが、登録上その企業名に紐づけられます。Red Hat 社のサブスクリプションとは違った印象を受けました。
さて、60 日間の無料試用は Get Your 60 Day Activation Trial Code をクリックしてアクティベーションコードをメモっておき、ISO イメージをダウンロードします。
ここでは、SLE-15-SP1-Installer-DVD-x86_64-GM-DVD1.iso をダウンロードして、仮想環境 (GNOME Boxes) にインストールしました。
ただし、Enterprise Server のみの場合、インストール中にデスクトップ環境をインストールする選択肢が表示されないので、Enterprise Desktop の評価用アクティベーションコードも入手して、両方をインストールしました。不慣れで何回もやり直してしまったので、余分にシステム登録がされてしまっています。💦
対応プラットフォーム
対応プラットフォームは Red Hat 社の RHEL とほぼ同じです。ARM 系ですが Raspberry Pi も明記されていることと同社の JeOS も記載されていましたのでそのまま書き写しています。
- AMD64/Intel 64
- IBM z Systems
- IBM Power Systems
- Arm
- Raspberry Pi
- JeOS
- JeOS は KVM / Xen Fully Virtualized、Xen Paravirtualized、Microsoft Hyper-V、VMware、および OpenStack Cloud にすぐデプロイできるサーバーイメージです。
SUSE Linux の製品群(ポートフォリオ)
エンタープライズとソリューションなどと区別して分類してありましたので、そのまま書き写しました。
- エンタープライズ Linux
- SUSE Linux Enterprise Server
- SUSE Linux Enterprise Desktop
- Arm 用
- z Systems および LinuxONE [3] 用
- IBM Power 用
- SUSE Embedded
- SAP ソリューション
- SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications
- High Availability
- SUSE Manager
- コンテナおよびアプリケーションプラットフォーム
- SUSE CaaS Platform
- SUSE Cloud Application Platform
- DevOps
- IT インフラストラクチャ管理
- SUSE Manager
- SUSE Manager for Retail
- High Availability
- SUSE Linux Enterprise Server for High Availability Extension
- Geo Clustering
- Real Time
- Live Patching
- Multi-Cloud Infrastructure
- パブリッククラウド
- Azure
- AWS
- Software-Defined Storage ソリューション
- SUSE Enterprise Storage
- ハイパフォーマンスコンピューティング
- SUSE Linux Enterprise High Performance Computing
- SUSE グローバルサービス
- SUSE グローバルサービス
10 年間の長期サポート
現在の SLES 15 は Red Hat 社の RHEL と同様に通常は 10 年間のサポートがされます。
サポート
サブスクリプションには、サポートサービスが含まれています。利用可能なサポートレベルには、Standard と Priority があります。
表になっているところをざっと日本語にしてみました。勝手に訳したものですので内容を保証しません。詳細は上記リンクの PDF を参照してください。
Standard | Priority | |
---|---|---|
ソフトウェアアップグレードと更新 | 有 | 有 |
テクニカルサポート | 無制限 | |
アクセス方法 | Chat, Phone, Web | |
対応時間 | 12 時間 × 5 日/週 | 24 時間 × 7 日/週 |
応答時間 | 2 時間 (Severity 1) | 1 時間 (Severity 1) |
4 時間 (Severity 2) | 2 時間 (Severity 2) | |
翌営業日 (Severity 3) | 4 時間 (Severity 3) | |
翌営業日 (Severity 4) | 翌営業日 (Severity 4) |
トラブルの深刻度に応じて時間指定のサポートが定められています。Response Time を「応答時間」としましたが、指定した時間内で「何」をコミットしてくれるのかの詳細は、上記サイトの資料から読み取れませんでした。
openSUSE
openSUSE は、SUSE 及びその他企業等が支援するコミュニティー「openSUSE プロジェクト」によって開発されるオープンソースの Linux ディストリビューションです。元々は SUSE が開発する SUSE Linux でした。2003 年にノベルが SUSE を買収した後、100% オープンソースを目指して開発体制をコミュニティベースに移行し、SUSE Linux から現名称の openSUSE に変更しました。
現在の最新版は 2019 年 5 月 22 日リリースの openSUSE Leap 15.1 です。現在は SUSE Linux Enterprise のソースコードを利用しています。Leap の他に Tumbleweed と呼ばれるローリング・リリースモデルを採用したプロジェクトがあります。こちらは最新のソフトを積極的に取り込んでおり、リリース版のベースになります。
下記が openSUSE のプロジェクトサイトです。
openSUSE Leap 15.1 (x86_64) をダウンロードして仮想環境にインストールしてみました。インストーラーは背景色が異なるものの SLES と同じですが、アクティベーションキーの入力がない分、スムーズにインストールできました。
対応しているプラットフォームは x86_64 で、ppc64le と aarch64 については別コミュニティによってポーティングおよびメンテナンスがされているようです。
- x86_64
- ppc64le
- aarch64
また、JeOS (x86_64) 版として下記のイメージが利用可能です。
- KVM or XEN HVM hypervisor
- XEN PV hypervisors
- MS HyperV
- VMware
- OpenStack
エンタープライズ用途の Linux については、次回に考察したいと思います。
参考サイト
- 2019年3月20日 SUSE,ふたたび独立企業になる:Linux Daily Topics|gihyo.jp … 技術評論社 [2019-03-20]
- 2020年4月10日 Closing the Leap Gap ―SUSE,コミュニティ版とエンタープライズ版の統合を進める方針を表明:Linux Daily Topics|gihyo.jp … 技術評論社 [2020-04-10]
- IBM 次世代Linuxサーバー LinuxONE - 日本 | IBM
- CaaS とは
- エンタープライズとは - IT用語辞典 e-Words
- bitWalk's: エンタープライズ用途の Linux (1) [2020-05-06]
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