ただ楽しむためだけに彼が始めたカーネルは今や、6 千万以上の人々の PC デスクトップやそれ以上の台数のウェブサーバの OS の一部として稼動している。
リンク切れでたどれませんでしたが、これは Abramson, Ronna (2004年12月15日) の記事です。
Linus B. Torvalds 氏の楽しみから始まった Linux カーネルはますます発展を続け、今やウェブサーバの OS にとどまらず、クラウド環境を支える重要なインフラになっています。本ブログ記事では、エンタープライズ用途で利用できる Linux ディストロをピックアップして紹介します。
エンタープライズ用途の Linux を扱っている企業は他にもあります。仮想環境で動作を確認できたディストロについて二つ紹介します。どちらも国が絡んでいます。
ROSA
ROSA Linux はロシアの企業 'LLC NTC IT ROSA(以下、単に ROSA 社と呼びます)によって開発されているディストロです。2010 年に設立した ROSA 社は Mandriva Linux をベースにエンタープライズ向けのディストロを開発しましたが、その後、2012 年にエンドユーザ向けの Desktop Fresh もリリースするようになりました。
ROSA Linux はもともとフランスの Linxu ディストロ Mandriva からフォークして、その後は独自に開発が進められています。ROSA Linux はロシア国防相の認証を受けています。
ROSA のホームページには FSTEC(Federal Service for Technical and Export Control, 技術および輸出管理のための連邦サービスで、ロシア国防省の下にあるロシア連邦の軍事機関)から認証を受けている ROSA Cobalt(デスクトップ版とサーバ版)と、ロシア連邦軍参謀本部の "the Eighth running/control"(日本語訳不明)から認定を受けている ROSA DX NICKEL 1.0 というデスクトップ向けパッケージがあるようです。
上記のサイト Products - НТЦ ИТ РОСА からキリル文字とアルファベットが混じっていますが、ダウンロードできるパッケージ一覧を書き出してみました。x86 (32bit) と x86_64 (64bit) をサポートしています。
- Операционная система ROSA Desktop Fresh R11
- Версия с KDE4
- Версия с Plasma 5
- Версия с LXQt
- Версия с XFCE
- Операционная система ROSA Fresh R10
- Версия с KDE4
- Версия с Plasma 5
- Версия с LXQt
- Операционная система ROSA Fresh R9
- Версия с KDE4
- Версия с Plasma 5
- Версия с GNOME
- Версия с LXQt
- Операционная система ROSA Fresh R8
- Версия с KDE4
- Версия с Plasma 5
- Версия с GNOME3
- Версия с MATE
- Операционная система ROSA Enterprise Linux Server (RELS) 6.9
- Операционная система ROSA Enterprise Desktop (RED) X3
- Операционная система РОСА «КОБАЛЬТ»
- Операционная система РОСА DX «НИКЕЛЬ»
リンクからダウンロードできそうだったので、一番上の最初のパッケージ (Desktop Fresh R11 KDE4) をダウンロードして‘、仮想環境 (GNOME Boxes) へインストールしてみました。
ロシアのディストリビューションですので、インストール時には日本語の選択ができませんでしたが、追加インストールで日本語変換ができるようです。
ロシア国防相の認証を受けているということですので、それだけでビジネスは安泰なのでしょうか。
UOS
Unity Operating System (または Unified Operating System、通称 UOS)(统一操作系统)は UnionTech(统信软件)によって開発されている Linux ディストリビューションです。 Deepin をベースとしており、中華人民共和国から最終的に Windows を置き換えるように委託されて開発しています。
国策で、Windows と置き換えることを推進しているディストロで、デスクトップのみならず国全体で段階的に普及させるらしいです。Windows を使う自由を主張できる日本では有り得ません。当然エンタープライズ用途にも使われると考えて取り上げました。
中国のサイトから ISO イメージのダウンロードをするのが筋ですが、ダウンロード前に登録が必要です。しかし言語選択ができず、中国語の全部を正確には理解できず不安だったので、他を探したところ、登録なしにダウンロードできる英文のサイトがありました。そこから ISO イメージをダウンロードして仮想環境 (GNOME Boxes) へインストールしました。仮想環境へインストールする際、自動的に 20GB 前後が確保されているのですが、UOS ではストレージ容量が 128GB 推奨、64GB 必須になっているため、あらかじめ仮想環境側で設定しておく必要がありました。
ダウンロードもインストールもできましたが、全部の機能を無償では使えず、一部アクティベーションが必要らしいです。
UOS のインストーラは Deepin とほぼ同じですが、下記を読むと Deepin の開発元、Wuhan Deepin Technology Co., Ltd.(武汉深之度科技有限公司)は、UnionTech(统信软件)に買収されたとあります。他のサイトで確認が取れていませんが、参考までに掲載しておきます。
時間がかかると思いますが、きっと中国では着実に UOS の普及が進むでしょう。個人的には Deepin Desktop Environment と呼ばれるデスクトップ環境は使いやすいと思っています。多少リソースを食うかもしれませんが、CPU の能力は今後もそれなりに向上するでしょうから、それを見越してスペックの高いデスクトップ環境を、普及させる前に採用しても損はないように思います。
興味は、サーバー用途に使うバージョンですが、これは調査不足です。
参考サイト
ROSA は Mandriva からフォークして生き残っていますが、Mandriva の方は倒産してしまいました。
- かつて人気を誇った「Mandriva Linux」、開発母体が倒産 - ZDNet Japan [2015-05-28]
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