bitWalk's: 2022年注目のLinuxディストロ

格安 PC を買っては Linux をインストールすることを趣味のようにしている筆者は、今年はどんな格安 PC が Windows 11 がプリインストールされて発売されるようになるのか、とても楽しみにしています^[1]。

2022 年は、どの Linux に注目しようか考えてみました。

本ブログは国際政治の問題を扱ってはいませんが、参考サイトの記事 [2] を読んでから、米国·中国間の緊張が、米国由来の Windows 依存から脱したい中国での Linux 普及をますます促すことになるのではないかと真面目に考えています。

この記事 [2] で取り上げられている Linux ディストロの UOS は商用・サーバー向けで、一般・コミュニティ向けには deepin というディストロとして公開されています^[3]。deepin については、本ブログでも [4], [5] で取り上げていますが、あらためて、最新の deepin 20.3 を仮想マシン (GNOME Boxes) にインストールしてみました。

Deeping Desktop Environment (deepin 20.3) の画面

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deepin

deepin は、Debian をベースにした Linux ディストリビューションで、中国に拠点をおく Wuhan Deepin Technology Co., Ltd.（武汉深之度科技有限公司）が開発しています。deepin は、Qt で記述された Deeoin Desktop Environment (DDE) と呼ばれる独自のデスクトップ環境を備えています。

deepin オリジナルのアプリ

デスクトップ環境 Deepin Desktop Environment だけでなく、deepin にはオリジナルのアプリが多数用意されています。

deepin オリジナルのアプリを紹介しているサイト

https://www.deepin.org/en/original/

deepin オリジナルのアプリを紹介している上記サイトによると、下記のオリジナルアプリを利用できます。

※ 灰色のアプリは、deepin オリジナルのアプリかどうか確認が取れていません。

インストール

下記サイトで、ISO ファイルをダウンロードできるサイトが複数紹介されています。実機にインストールする場合は、ダウンロードした ISO ファイルを、適切なツールを使って USB メモリに書き込んでください。

deepin のインストール用 ISO ファイルのダウンロードサイト

New Release – Deepin Technology Community

インストール要件は、少し注意が必要です。

deepin のインストール要件

Installation – Deepin Technology Community

上記サイトにインストール要件がありますが、内容が古いようです。

deepin 20 以降は、ストレージ容量が 128GB 以上あることが推奨されています。これは、インストーラを起動して、インストール先を指定する段階で判明します。

deepin 20.3 をインストール時にインストール先を選択する画面

どうやらリカバリ領域を確保するために、必要容量を増やしているようです^[6]。要件を満たしていないと、インストーラが次に進まないのでご注意ください。

※ 最低限 64GB あればインストールできるようですが、仮想マシンではあらかじめ 128GB のストレージを確保してインストールしているため、未確認です。

インストールの具体的な手順および日本語入力の設定については、ナナッキー氏の YouTube チャンネル「Distroナナッキー」にある下記の動画をご覧になってください。

カスタマイズをせずにインストールした後、lsblk コマンドでブロックデバイスの一覧を表示してストレージのパーティションを確認すると、他の Linux ディストロでは見かけないパーティション、/recovery と /data があることが判ります。これらは FHS で定義されていない階層です。

インストール後にターミナルで lsblk コマンドを実行

/recovery と /data のどちらもバックアップ的な用途に使われているようですが、勉強不足で、アプリを使って効果的に運用する方法までは辿り着けませんでした。

~~※ Deepin Clone あるいは Deepin Repair Tools が使えそうに思えるのですが、よく判りません。~~もう少し調べて何か判れば追記、あるいは別記事にまとめます。

【追記 2022-01-06】

実機に deepin をインストールしたので、こちらで確認しました。

ls -li コマンドで、/ と /data を見てみると、例えば /home と /data/home の inode は同じ 2359297 ですので、パーティションを分けてハードリンクを作っているようです。~~/revocery の方は単純にリカバリ用途なのでしょう。~~

ls -li コマンドで、inode を確認

【追記 2022-01-08】

/revocery の方は単純にリカバリ用途なのでしょう。deepin を起動したときの grub 画面でロールバックができるようになっています。

deepin 起動時の grub 画面

インターネットブラウザ

インターネットブラウザは Chromium をカスタマイズした Browser というアプリがデフォルトになっています。以前のバージョン、Deepin 15 では Google Chrome が採用されていました。

Chromium ベースのインターネットブラウザ

オフィススイート

インストール後、デフォルトでインストールされているオフィススイートは LibreOffice でした。

以前のバージョン、Deepin 15 では、オフィススイートには、中国のソフトウェア開発·販売会社である金山軟件の WPS Office がインストールされていました。WPS Office は、LibreOffice に比べると、はるかに Microsoft Office の操作に近い操作性があると考えています。それなのに、なぜ LibreOffice へ変更したのでしょうか。

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今年は注目したい deepin

2018 年 12 月に本ブログ記事ではじめて deepin を取り上げた時^[4]、Deepn のバージョンは 15.8 でした。Ubuntu などのように半年に一度という定期的なリリース頻度が確立しているのかは不明ですが、2020 年 9 月に deepin 20 がリリースされ、その後もマイナーアップデートを重ねて現在の deepin 20.3 に至っています。

今回あらためて deepin をインストールしてみて、着実にカスタム化が進められていることを感じました。今年は、実機に deepin 20.3 をインストールして使いつづけ、deepin の特徴を深く探っていきたいと考えています。

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