2021-03-10

NomadBSD 1.4

BSD は、Berkeley Software Distribution の略語で、1977 年から 1995 年までカリフォルニア大学バークレー校 (University of California, Berkeley, UCB) の Computer Systems Research Group (CSRG) が開発・配布したソフトウェア群および UNIX オペレーティングシステム (OS) のことです [1]

2021 年 3 月 3 日 に NomadBSD 1.4 がリリースされたので、ダウンロードして使ってみました。

NomadBSD 1.4 のデスクトップ

NomadBSD について

NomadBSD のサイト [2] によると、NomadBSD is a persistent live system for USB flash drives, based on FreeBSD®. とあります。persistent とは、いつまでも続くこと、すなわち、持続的とか永続的と日本語で訳せます。つまり NomadBSD は、FreeBSD ベースの USB メモリなどで利用可能な永続的なライブシステムだと言えます。

動作条件

  • x86_64(64ビット)または x86(32ビット)の PC (1.2 GHz 以上)
  • 1GB 以上の RAM
  • 5 GB 以上の USB フラッシュメモリ

メディアの作成

下記サイトから、NomadBSD 1.4 (amd64), nomadbsd-1.4.img.lzma をダウンロードします。

上記サイトの Writing the image to a USB memory stick(USBメモリにイメージを書き込む)に従って、Linux (Fedora) 上で書き込みました。

[bitwalk@fedora-pc ダウンロード]$ ls nomadbsd-1.4.img.lzma
nomadbsd-1.4.img.lzma
[bitwalk@fedora-pc ダウンロード]$ lzma -d nomadbsd-1.4.img.lzma
[bitwalk@fedora-pc ダウンロード]$ ls nomadbsd-1.4.img
nomadbsd-1.4.img
[bitwalk@fedora-pc ダウンロード]$ sudo dd bs=1M if=nomadbsd-1.4.img of=/dev/sde conv=fsync
[sudo] bitwalk のパスワード:
4768+1 レコード入力
4768+1 レコード出力
4999999488 bytes (5.0 GB, 4.7 GiB) copied, 833.137 s, 6.0 MB/s
[bitwalk@fedora-pc ダウンロード]$ 

USB メモリから起動

NomadBSD のイメージを書き込んだ USB メモリを PC に挿入して、USB メモリから起動します。

Windows 10 からの起動

Windows 10 が稼働している PC から起動する場合は、Windows の「設定」を起動して、下記のような手順で USB メモリを起動します。

 

その後、下記のようにして「UEFI ファームウェアの設定」を選択し再起動します。BIOS を起動して、挿入した USB メモリが最初に BOOT する設定して保存、起動します。

 

UEFI ファームウェア(昔の言い方では BIOS)が起動されます。UEFI の設定は PC のメーカーや機種によって異なります。ここでは、American Megatrends 製の UEFI ファームウェアの設定について説明します。

Secure Boot を無効 (Disabled) にします。

 

挿入した USB メモリが最初に BOOT するように、「最初」が出来なければ、HDD などのストレージより起動順番が先に来るように設定して保存、再起動します。

 

USB メモリに書き込んだ NomadBSD が起動して、最初の設定画面になります。

最初の設定

言語・ロケールに Japanese - Japan を選択して Next ボタンをクリックすると、ウェルカム画面が出て、設定内容が挿入してある USB メモリに書き込まれるという旨の説明が表示されます。言語・ロケールを設定した後ですが、メッセージは英語のままです。

Next ボタンをクリックして次へ進みます。

 

キーボードのレイアウトの選択肢には、日本語レイアウトを探すと Japanese (PC-98) しか無くてひるみますが、これを選択して Next ボタンをクリックすると、なぜか Japanese の選択肢も現れます。

この Japanese を選択し、右側のレイアウトのバリエーション (Keyboard variant) には Japanese (OADG 109A) を選択しました。Next ボタンをクリックして次へ進みます。

タイムゾーンを設定します。Next ボタンをクリックして次へ進みます。

 

ユーザ、ルートアカウント(共通)のパスワードを設定します。Next ボタンをクリックして次へ進みます。

 

/data パーティション内を geli で暗号化する場合、パスワードを設定します。ここでは暗号化せずにそのまま Next ボタンをクリックしました。

geli は FreeBSD 用に書かれたブロックデバイス層のディスク暗号化システムで、バージョン 6.0 で導入されました。GEOM ディスクフレームワークを使用しています。

Wikipedia より引用、翻訳・編集

 

デフォルトのコマンドシェル、エディタ(GUI も)、ファイルマネージャを選択します。ここでは何も変更せずにそのまま Next ボタンをクリックしました。

ちなみに、Shell の fish は、The friendly interactive shell の頭文字を取ったシェルです。

fish は Unix シェルで、他のシェルより対話的でユーザーフレンドリーであることを目指していて、その構文はボーンシェル (ksh, Bash, zsh) や C シェル (csh, tcsh) に由来していません。また、従来のシェルではシステムリソースを節約するために、デフォルトでは特定の機能を無効にしていますが、 fish はデフォルトですべての機能を有効にしています。

Wikipedia より引用、翻訳・編集

 

設定内容の概略を確認し、問題が無ければ commit ボタンをクリックします。

 

Finish ボタンをクリックして再起動、設定を反映します。

 

再起動後、自動的にログインして、下記のようなディスクトップ画面が表示されます。

再起動後のデスクトップ

NomadBSD を使ってみる

NomadBSD については、下記に詳しく文書化されています。[英文]

自分で調べて判ったことをまとめました。

デスクトップ環境

NomadBSD のデスクトップ環境は、ウィンドウマネージャに Openbox、主要なアプリケーションの起動に Plank のドックを使用しています。

インストールされているアプリケーション

以下のアプリケーションを Openbox のメニューから利用できます。ロケールに対応して僅かに日本語名があります。

  • Application
    • hp-uiscan ❌
  • Audio
    • DSBMixer
  • AudioVideo
    • Asunder CD Ripper
    • Audacity
    • Cantata
    • DeaDBeef
    • mpv Media Player
    • SimpleScreenRecorder
    • VLCメディアプレーヤー
    • XFburn
  • Development
    • Geany
    • Qt 5 Assistant
    • Qt 5 Linguist
  • Graphics
    • GIMP (GNU Image Manipulation Program)
    • Gtkam デジタルカメラ ブラウザー
    • Viewnior
    • XSane - Scanning
  • Network
    • FileZilla
    • Firefox ウェブ・ブラウザ
    • HexChat
    • ipfwGUI
    • Linux Browser Installer GUI
    • Pidgin インターネット・メッセンジャー
    • Thunderbird
    • Transmission (Qt)
  • Office
    • LibreOffice
    • LibreOffice Base
    • LibreOffice Calc
    • LibreOffice Draw
    • LibreOffice Impress
    • LibreOffice Math
    • LibreOffice Writer
    • qpdfview
  • Settings
    • ARandR
    • Autostart Settings
    • Default Desktop Applications
    • Display manager settings
    • Display Settings
    • Mouse and Touchpad Configuration
    • Openbox Configuration Manager
    • Plank Preferences
    • Qt5 Settings
    • Set background image
    • パネルマネージャ
    • ファイルマネージャー設定
    • ルックアンドフィールを設定します
  • System
    • Add user
    • DSBBatmon
    • DSBMC
    • Manage user accounts
    • Midnight Commander
    • NomadBSD Handbook
    • NomadBSD Installer
      • 現在の NomadBSD の設定のまま、ハードディスクへインストールします。
    • OctoPkg
    • Printer configuration
    • Thunar ファイルマネージャー
    • Tint2
    • バルクリネーム
    • ファイルマネージャ PCManFM
  • Utility
    • compton
    • Calculator
    • GVim
    • gxkb
    • HP Device Manager
    • KeePassXC
    • Kvantum マネージャー
    • Leafpad
    • picom
    • Plank
    • Run command
    • Sakura
    • Vim
    • Xarchiver
    • スクリーンショット

パッケージ管理

バイナリパッケージの管理は、pkg コマンドか GUI アプリケーションの OctoPkg を使います。

OctoPkg

ブロックデバイスを調べようと lsblk コマンドをタイプしたところ利用できなかったので、はじめて pkg コマンドを使ってインストールしました。

nomad@NomadBSD ~ [1]> sudo pkg install lsblk

あなたはシステム管理者から通常の講習を受けたはずです。
これは通常、以下の3点に要約されます:

    #1) 他人のプライバシーを尊重すること。
    #2) タイプする前に考えること。
    #3) 大いなる力には大いなる責任が伴うこと。

パスワード: 
Updating FreeBSD repository catalogue...
Fetching packagesite.txz: 100%    6 MiB   2.2MB/s    00:03    
Processing entries: 100%
FreeBSD repository update completed. 30177 packages processed.
All repositories are up to date.
The following 1 package(s) will be affected (of 0 checked):

New packages to be INSTALLED:
	lsblk: 1.1

Number of packages to be installed: 1

5 KiB to be downloaded.

Proceed with this action? [y/N]: y
[1/1] Fetching lsblk-1.1.txz: 100%    5 KiB   5.0kB/s    00:01    
Checking integrity... done (0 conflicting)
[1/1] Installing lsblk-1.1...
[1/1] Extracting lsblk-1.1: 100%
nomad@NomadBSD ~> lsblk
DEVICE         MAJ:MIN SIZE TYPE                              LABEL MOUNT
da0              0:126  15G MBR                                   - -
  <FREE>         -:-   512B -                                     - -
  da0s1          0:127  40M efi                                   - -
  da0s2          0:128 3.6G BSD                                   - -
    da0s2a       0:131 3.6G freebsd-ufs             label/nomadroot /
  da0s3          0:129  11G BSD                                   - -
    da0s3a       0:132  11G freebsd-ufs             label/nomaddata /data
md0              0:130 2.0G -                                     - -
mmcsd0           0:67   59G GPT                                   - -
  <FREE>         -:-   1.0M -                                     - -
  mmcsd0p1       0:68  100M efi                gpt/EFI%20system%20partition -
  mmcsd0p2       0:70  128M ms-reserved        gpt/Microsoft%20reserved%20partition -
  mmcsd0p3       0:71   57G ms-basic-data      gpt/Basic%20data%20partition -
  mmcsd0p4       0:89  807M ms-recovery        gptid/f13cfdbd-1afb-4c1a-b6ab-15c1a290e2fe -
  <FREE>         -:-   1.0M -                                     - -
nomad@NomadBSD ~> 

日本語入力

日本語入力についてはまだ確認していませんが、他の方が fcitx-mozc が利用できることを確認されていますので、リンクを紹介します。

雑感

NomadBSD は USB メモリを使ったライブ OS ですが、データやインストールしたパッケージなどの情報を保持できます。USB メモリがどのぐらい読み書きに耐えるのか、ちょっと興味があります。試してはいませんが、ハードディスクへそのままインストールすることもできます。FreeBSD と同じリポジトリを使っているのであれば、デスクトップ環境用には NomadBSD で十分なのかもしれません。

今回、安い USB 2.0 対応の USB メモリを使ったせいか、反応が遅いので、テスト機のハードディスクにインストールして試用するかどうか思案中です、

参考サイト

  1. bitWalk's: BSD の子孫 [2016-04-20]
  2. NomadBSD
  3. bitWalk's: はじめての NomadBSD [2020-04-30]

 

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