2022-10-28

Fedora Linux37 のリリース延期

Fedora Linux は Red Hat 社が支援するコミュニティ Fedora Project で開発されているディストリビューションで、最新の技術を積極的に取り込むことで知られています。また Fedora Linux の開発成果が、後にリリースされる Red Hat Enterprise Linux, RHEL に取り込まれています。Fedora Linux は、おおむね春と秋の年二回の頻度で新しい版がリリースされています。

Fedorqa プロジェクトのプログラムマネージャの Ben Cotton 氏によると、Fedora Linux 37 のリリースは、大幅に遅れるようです [1]。現在のところのリリース・ターゲットは 11 月 15 日ということです。

理由は、OpenSSL 3 から始まるすべてのバージョンの重大な脆弱性に対処したバージョン 3.0.7 が、来たる 11 月 1 日にリリースされるからだということです [2]

Fedora Linxu 37 (prerelease) のデスクトップ画面

参考サイト

  1. Fedora Linux 37 update - Fedora Magazine [2022-10-27]
  2. Critical OpenSSL fix due Nov 1—what you need to know [2022-10-27]
  3. Fedora 37 Release Status : Fedora

 

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2022-10-22

PySide6 6.4.0 による組み込みアイコンの表示

PySide (Qt for Python) は、Qt(キュート)の Python バインディングで、GUI などを構築するためのクロスプラットフォームなライブラリです。配布ライセンスは LGPL で公開されています。最新のバージョンは Qt6 に対応した PySide6(記事執筆時点で 6.4.0)です。

Qt 6.4.0 [1] に対応した Python 6.4.0 が先日リリースされて [2]Matplotlib が使えなくなり、結構慌てています。

※ matplotlib 3.6.2 で問題は解消されたようです。[2022-11-08]

作成中のプログラムでは、Matplotlib が使えるようになるまで PySide6 をアップグレードせずに 6.3.2 のままで使い続けるようにするか、あるいは簡単なプロットであれば Matplotlib を使うのを止めて QChart に切り替える処置を取っています。

参考サイト [2] によると、

PySideは、Qt(C++ のルーツとそれを伴うもの)でありながら、Python の特徴も併せ持つという興味深い立場にあります。可能な限り、PySide を Python の慣例に合わせ、意味があればできるだけ多くの Python の機能を使うように努めています。

そのような分野の1つとして、今回取り組んだのは enum です。enum はバインドされた C++ クラスとして実装されていましたが、このバージョンでは Python 独自の enum 機構を活用するように変更されました。

Matplotlib の不具合は、この enum の変更に起因するもののようですが、Matplotlib を利用していないサンプルでも影響を受けている箇所が多々あります。

今回は、そんな中で、Qt の組み込みアイコンを利用するサンプルについて、PySide6 6.4.0 に対応したものを紹介します。

下記の OS 環境で動作確認をしました。

Fedora Linux 37 (Server Edition) x86_64
python3.10 python3.10-3.10.7-1.fc37.x86_64
PySide6 6.4.0

※ Fedora Linux 37 は執筆時点では正式リリース前のβ版です。

qt_standard_pixmaps.py
qt_standard_pixmaps.py の実行例

まあ、結局、下記の赤字の部分だけなんですが、知っていると移行が楽になります。

        icons = sorted([attr for attr in dir(QStyle.StandardPixmap) if attr.startswith("SP_")])

参考サイト

  1. Qt 6.4 Released
  2. Qt for Python Release: 6.4 is finally here!
  3. QStyle - Qt for Python

 

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2022-10-16

Google ChromeOS Flex をインストール

Google ChromeOS は、Google が設計した OS です。Linux カーネルをベースにしており、Google Chrome ウェブブラウザをメインのユーザインタフェース (UI) として使用しています。そのため、ChromeOS は主にウェブアプリケーションをサポートしています。

Wikipedia より引用、編集

Google ChromeOS を搭載しているノートパソコンは、Chromebook と呼ばれています。そして、ChromeOS Flex は、既存の PC や Mac にインストール可能なバージョンです。

特段新しい PC というわけではないけれど、クーポンを適用すれば 3 万円ちょっとで買える 2 in 1 PC, Teclast X6 Plus を Amazonn.co.jp で衝動買いしてしまいました [1]。2 in 1 PC ですが、専用の別売りキーボードは在庫切れで入手できないということだったので、いっそ Windows をタブレット用途にとことん使ってみる、というテーマを設定しました。

しかし、Linux (Fedora Linux) のライブメディアでちょっと動作を確認したところ、Linux でもタッチスクリーンが利用できることを知ってしまったので、テーマを変えて Linux 化することにしました。

ところが、なかなかうまくいかず、結果として Google ChromeOS Flex をインストールしてしばらく使うことにしたので、その顛末をまとめました。

撃沈した Fedora Linux 37(ベータ版)

結論を言うと、普段使っている Fedora Linux をインストールして使うことを諦めました。タッチスクリーンは確かに利用できるものの、下記の不具合、特に 2. が致命的でした。

  1. 加速度センサを検知しているが、画面が常に時計反対周りに 90°回転した表示になる。
  2. 画面のチラツキが激しい。

この失敗で、買ったばかりの PC が文鎮化するのはとっても悔しいので、他のディストリビューションを試すことにしました。自分のあまり多くはない経験の中で、タッチスクリーンの PC にインストールして成功したケースが多かった Manjaro を試してみることにしました。

OSK に苦戦した Manjaro

ディストリビューションが違うと、タッチスクリーンの場合、インストール時のデフォルトの画面の向きが異なる場合があります。幸い Manjaro の場合は画面の向きが正常でしたが、加速度センサーを検知できておらず、画面の向きが固定になりました。まあ、これは許容できます。

残念ながら、Fedora Linux のときと同様に画面がチラつきました。しかし、一旦ロック画面にしてそれを解除すると、なぜかチラつきが無くなりました。これは使えるかもしれない、と期待したのですが…。

Firefox の操作で(いろいろ調べてやってみたにも関わらず)どうしても OSK, On Screen Keyboard を出すことができませんでした。なにかやり方が間違っているのかもしれませんが、これではちょっと使えないなと、やや諦めムードに。

念の為 Ubuntu でも試してみるかとも考えましたが…。

Google ChromeOS Flex を試す

タブレットとして使うとなると、普段遣いではブラウザを使うことが多くなるはずです。となれば、Linux は Linux でも毛色が異なりますが Google ChromeOS Flex を試して見る価値がありそうだと思いつきました。

Chromebook は Lenovo の Ideapad Duet を使っているので、きっと、ChromeOS Flex でもスクリーンタッチに十分対応した構成になっているに違いないと期待を持ってしまったのです。一台、古いノート PC に ChromeOS Flex をインストールして使っていますが、タッチスクリーンではないので、あらたに試してみる良い機会だと考えました。

インストールは、参考サイト [3] に従って進めました。

Teclast X6 Plus にインストールした ChromeOS Flex

インストールした ChromeOS Flex では、OSK はもちろんフツーに利用できました。あと、この機種で確認できた機能は以下のとおりです。

Teclast X6 Plus にインストールした ChromeOS Flex で確認できた機能(上から順に優先度が高い)
WiFi
タッチスクリーン  
画面自動回転 ×  
オーディオ ヘッドフォンで聞くことはできました。
Bluetooth ロジクールのM557 BLUETOOTH ワイヤレスマウスで接続できることを確認しました。
バッテリー残量
カメラ フロント、リアのカメラ両方使えますが、カメラの性能が悪いので、そういう意味ではあまり使い物にはならないかもしれません。

なお、この機種では Linux コンテナも利用できました [4]

Teclast X6 Plus にインストールした ChromeOS Flex で利用できる Linux 開発環境

買ったばかりの PC に ChromeOS Flex をインストールするぐらいなら、はじめから Chromebook を新調すればよいのにとツッコミが入りそうですが、そこは、将来 Linux をなにか再インストールする余地を残しておくということで、自分を納得させています。本心は GNOME でタッチスクリーンを使いたいのですから、機会をみて再チャレンジです。

参考サイト

  1. bitWalk's: 衝動買いの Teclast X6 Plus [2022-09-23]
  2. bitWalk's: ASUS TransBook T100HA と Manjaro 18 [2019-02-13]
  3. ChromeOS Flex ヘルプ
  4. Chromebook で Linux をセットアップする - Chromebook ヘルプ

 

 

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2022-10-10

KDE Plasma 6 は 2023 年春に登場予定

KDE は、X Window System 上で動作するデスクトップ環境およびその環境用の各種アプリケーション、また、その開発プロジェクトを指すこともあります。ツールキットには Qt を採用しています。デスクトップ環境の他、ウェブブラウジングやファイル操作、マルチメディアの再生、オフィス作業など多くの用途のための数多くのアプリケーションプログラムも開発・提供しています。

Wipipedia より引用・編集

スペインのバルセロナで 10 月 1 日から一週間、KDE の年に一度の世界サミット Akademy 2022 が開催されました [1]。そこで、KDE Plasma 6 に向けた大まかなスケジュールが示されたようです。参考サイト [2] の記事から引用させていただきました。

  • KDE Plasma 5.26 (Qt 5) [2022-10-11]
  • KDE Plasma 5.27 LTS (Qt 5) [2023 年はじめ]
  • KDE Plasma 6.0 (Qt 6) [2023 年春]

KDE Plasma 6.0 が搭載される最初の Linux ディストロは、Fedora Linux 38 の KDE Spin と Kubuntu 23.04 になるそうです。自分は Fedora Linux をメインに使っていますので、今から Fedora Linux の開発版である Fedora Rawhide (KDE Spin) を仮想マシンにインストールして、変化をモニターしていこうかと画策しています。

Fedora Rawhide (KDE Spin) のデスクトップ画面⦅例)

参考サイト

  1. Akademy 2022 | Akademy
  2. KDE Plasma 6: The free Linux desktop is on the way to Qt 6 | AllInfo [2022-10-08]
  3. bitWalk's: 待ち遠しい KDE Plasma 6 [2022-08-21]
  4. Akademy 2022 (1-7 October 2022): KDE Frameworks 6 - Plans and Progress · KDE Events (Indico)

 

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2022-10-04

PySide6: Seaborn の FacetGrid のプロットの表示

PySide (Qt for Python) は、Qt(キュート)の Python バインディングで、GUI などを構築するためのクロスプラットフォームなライブラリです。配布ライセンスは LGPL で公開されています。最新のバージョンは Qt6 に対応した PySide6(記事執筆時点で 6.3.2)です。

Seaborn は matplotlib をベースにした Python のデータ可視化ライブラリです。

Seaborn の FacetGrid を PySide6 のウィジェットに表示しようとしたのですが、単独のプロットと勝手が違って少しハマってしまったので、備忘録としてサンプルを作りました。

下記の OS 環境で動作確認をしました。

Fedora Linux 37 preview x86_64
python3.10 python3.10-3.10.7-1.fc37.x86_64
PySide6 6.3.2
matplotlib 3.6.0
seaborn 0.12.0
qt_seaborn_facetgrid.py
qt_seaborn_facetgrid.py の実行例

参考サイト

  1. seaborn.FacetGrid — seaborn 0.12.0 documentation
  2. Embedding in Qt — Matplotlib 3.6.0 documentation

 

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