Fedora Silverblue は本ブログで何回か取り上げていますが[1]、Kinoite の KDE Plasma のデスクトップ環境を試してみたくなり、Fedora Linux の開発版の位置づけの Fedora Rawhide の下記サイトから ISO イメージをダウンロードして、テスト機にインストールしてみました。
はじめて Knoite を試して、既に Fedora Linux 36 になっているのは、なんだか乗り遅れた感がありますが、Fedora Kinoite 35 がリリースされれば、あらためてインストールをし直すことでしょう。😅
KDE Plasma は使い慣れていないので、評価の度に試行錯誤する必要があります。注目は、immutable(不変)なデスクトップ用途の OS である Fedora Silverblue(GNOME デスクトップ環境)に、正式なスピンとして KDE Plasma を採用した Knoite が加わったことです。
従来の rpm 形式によるパッケージ単位での管理から、OSTree (rpm-ostree) で OS 全体をひとつのイメージのように管理、デスクトップ・アプリケーションを Flatpak で管理する方向へ緩やかにシフトさせてきているように思います。
Red Hat Enterprise Linux, RHEL は、Red Hat 社によって開発されている、エンタープライズ市場向けの Linux ディストリビューションです。最近の RHEL のライフサイクルは 10 年で、延長が必要であれば追加サブスクリプション (Extended Lifecycle Support Add-On) も提供されます。
Red Hat 社は RHEL に含まれているソフトウェアのソースコードをオープンソースライセンスに基づき無償公開しています。そのため、Red Hat 社の商標や商用パッケージ等を含めずに、RHEL とバイナリレベルで互換の Linux OS を構築することが可能で、実際にいくつもの RHEL 互換の OS が公開されています。
Oracle Linux は Oracle 社が開発、配布している Red Hat Enterprise Linux (RHEL) をベースとした Linux ディストリビューションです。Oracle Linux は x86-64 と AMD64 アーキテクチャに対応しており、RHEL 互換の Red Hat Compatible Kernel (RHCK) と、Oracle 製品に最適化した Unbreakable Enterprise Kernel (UEK) の二種類のカーネルを選択できます。
Rocky Linux は Red Hat Enterprise Linux (RHEL) オペレーティングシステムのソースコードをビルドし直すことで、RHEL と完全なバイナリ互換性を持つことを意図しています。このプロジェクトの目的は、コミュニティでサポートされた、製品グレードのエンタープライズ用途の OS を提供することです。対応しているアーキテクチャは x86_64 と ARM64 (aarch64) です。
Springdale Linux は RHEL をベースにした Linux ディストリビューションで、プリンストン大学とプリンストン高等研究所 (IAS)で開発されています。以前は PUIAS Linux として知られていました。このディストロは、CentOS などの RHEL クローンより前に始まっているプロジェクトです。RHEL に含まれていないリポジトリも提供されています。
この発表にコミュニティからは非難の嵐と報じられ、Red Hat 社は、一年間の移行期間を確保しての発表だったにもかかわらず、すっかり悪者にされてしまいました。しかし、批判をする多くのユーザは、オープンソースの活動に大した貢献もせずに、オープンソースの成果を無料(タダ)で貪っているだけの人が多いのではないかと、これまた勝手に推測してしまいました。ま、自分もその類に含まれるのですが…。😅
Red Hat 社にとって、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) こそが正式な Linux 製品であって、CentOS はあくまで支援プロジェクトでした。しかし、Red Hat 社が支援しているが故に、CentOS が RHEL クローンとしてのお墨付きを得ているというような認識を世間に与えてしまっているとすれば、支援によって自社ブランドを毀損してしまうことになります。
例えば、RHEL 7 と CentOS 7 について、著者こそ違えど、同じシリーズの本で出版されることについて、Red Hat 社はどう考えていたのでしょう。
節操が無い出版社をはじめ、無料のクローン OS に群がる世間の行為が、Red Hat 社を CentOS 開発中止へ追い込んだのではないかというような議論が、ニュースで見つからなかったのが残念です。
Fedora Linux は Red Hat 社が支援するコミュニティ Fedora Project で開発されているディストリビューションで、最新の技術を積極的に取り込むことで知られています。また Fedora Linux の開発成果が、後にリリースされる Red Hat Enterprise Linux, RHEL に取り込まれています。Fedora Linux は、おおむね春と秋の年二回の頻度で新しい版がリリースされています。