2021-09-11

Fedora Linux 35 への気の早いアップグレード

Fedora Linux は Red Hat 社が支援するコミュニティ Fedora Project で開発されているディストリビューションで、最新の技術を積極的に取り込むことで知られています。また Fedora Linux の開発成果が、後にリリースされる Red Hat Enterprise Linux, RHEL に取り込まれています。Fedora Linux は、おおむね春と秋の年二回の頻度で新しい版がリリースされています。

次期 Fedora Linux 35 のリリースは、現在のところ、ベータ版が 9 月 28 日、正式版が 10 月 19 日に予定されています。

ということで、Fedora Linux 35 はまだ Prerelease 版ですが、早く試してみたくなり、手許のラップトップ PC を次の手順でアップグレードしてしまいました。

  1. sudo dnf update --refresh
  2. sudo dnf install dnf-plugin-system-upgrade
  3. sudo dnf system-upgrade download --releasever=35
  4. sudo dnf system-upgrade reboot
Fedora Linux 35(Prerelease 版)のデスクトップ画面

変更点をいくつか

Fedora Linux 35 で変更あるいは追加される新機能は下記のサイトにあります。ベータ版のリリースが迫っているとは言え、まだまだ内容が変更される可能性があります。

たくさんの項目がありますが、収録されるソフトウェアのバージョンの更新情報以外に、個人的に気になった Fedora Linux の変更点をピックアップして紹介します。

Fedora Linux という名称

Fedora はプロジェクトの名前で、Linux ディストリビューションの名称は Fedora Linux であることが明確になりました。小さな変更ですが、/etc/os-release の下記二行が変わりました [1]

[bitwalk@stream11 ~]$ grep -e ^NAME -e PRETTY /etc/os-release
NAME="Fedora Linux"
PRETTY_NAME="Fedora Linux 35 (Workstation Edition Prerelease)"

選択されたFlathubアプリケーションの追加

いままで Flathub で利用できる Flatpak のアプリケーションは、ユーザーが Flathub を手動でインストールした場合にのみ利用できましたが、Fedora Linux 35 からは、サードパーティのリポジトリを有効にすると、Fedora プロジェクトが管理する「Flathub リモート」を通じて、選択された Flathub アプリケーションを利用できるようになりました [2]

これは、特に Fedora Silverblue を使うユーサーにとって朗報でしょう [3]。インストール後にすぐに利用できる Fedora プロジェクトの Flatpak のアプリケーションは僅かだったからです。

「ソフトウェア」のソフトウェアリポジトリ設定画面

もちろん、これまで通り、https://flatpak.org/setup/Fedora/ の指示に従って、完全に制限のない Flathub リモートをインストールすることもできます。

Fedora Kinoite をバリアント(変種)として追加

Fedora Kinoite は、Fedora Silverblue [3] と同様に rpm-ostree(OSTree による OS のイメージ管理と rpm によるパッケージ管理を併せ持つハイブリッドシステム)でシステムのバージョンを管理するデスクトップ用途の immutable な(書き換えることができない)OS です。デスクトップには KDE Plasma が採用されています [4]

Fedora Kinoite は、Fedora Silverblue のスピンという位置づけです。

参考サイト [4] によると、Kinoite という名前にしたのは、次のような理由からということです。

  • KDE ベースのプロジェクトは伝統的に K で始まる。
  • Kinoite(キノ石)は青い鉱物である (https://en.wikipedia.org/wiki/Kinoite) ことから、Silverblue の「銀」と「青」の両方の部分と、KDE ロゴの青い色を指している。
  • Kinoite は日本語で「木がある」という意味で (https://translate.google.com/?sl=auto&tl=en&text=kinoite&op=translate)、ostree の「木」を指しています。
    • いやぁ、ちょっと苦しいこじつけのように思いますが…。日本人の開発者が関与しているのかも。

Fedora Silverblue のスピン Fedora Kinote の登場で、いよいよ rpm-ostree + flatpak + podman を組み合わせた、新しい構成の Linux ディストロを本格的に普及させる時期になったのかもしれません。

参考サイト

  1. Changes/Fedora Linux in os-release - Fedora Project Wiki
  2. Changes/Filtered Flathub Applications - Fedora Project Wiki
  3. bitWalk's: Linux ディストロ探訪(10) 〜 Fedora Silverblue 〜 [2019-11-24]
  4. Changes/Fedora Kinoite - Fedora Project Wiki

 

 

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