2020-08-13

次期 Fedora 33 のリリースは注目したい

半年ごとに新しい版をリリースする活動って大変だなぁといつも思います。今年の 10 月末にリリースされる予定になっている次期 Fedora 33 は、8/11 に(アルファステージの)RawHide からブランチして、ベータ版リリースに向けてのステージになりました。

リリースまでの主要なスケジュールは下記のサイトに公開されています。

現時点で Fedora 33 のリリース予定 (Final Target date #1) は 2020 年 10 月 27 日になっています。

Fedora 33 で予定されている変更は下記のサイトにまとめられています。

今回は大きな変更がいくつもあるように見受けられます。個人的に気になった項目をまとめました。全部はカバーできないので、ご興味のある方は、英文ですが上記サイトをご覧になってください。🙏

Make btrfs the default file system for desktop variants

Fedora Workstation のデフォルトファイルシステムが btrfs になります。btrfs については、下記のサイトの記事が参考になるかもしれません。

java-11-openjdk as system JDK in F33

Fedora のシステム JDK が、java-1.8.0-openjdk から java-11-openjdk へ更新されます。

Mark libdb as deprecated

BerkeleyDB 6.x のライセンス AGPLv3 は以前のバージョン LGPLv2 に比べて制約が厳しく、多くのプロジェクトで使用できません。

※ Linux Kernel が採用しているライセンス GPLv2 と、BerkeleyDB 6.x のライセンス ASPLv3 は非互換であるため、両方のライセンスのコンポーネントをまとめて単一の著作物として頒布することはできないためだと考えられます。

そのため、将来 Fedora から libdb を削除することを予定しています。現状は、多くのプロジェクトが libdb に依存しているので、Fedora は BerkeleyDB の古いバージョン (5.3.28) を使用することで対応しており、新しいバージョンにアップデートすることができません。そこで、BerkeleyDB を段階的に使わないようにすることを計画しています。最初のステップは、Fedora 33 で libdb を非推奨パッケージとします。次のステップとして、Fedora 35 で既存のデータベースを変換するツールを提供し、libdb に依存しないようにします。

Python 3.9

Fedora の Python スタックを Python 3.8 から Python 3.9 に更新します。

python26 パッケージは Fedora 33 から廃止になります。また、python34 パッケージも廃止になります。

Sqlite RpmDB

現在の rpm データベースの実装は Berkeley DB 5.x を使っています。Berkeley DB 6.x はライセンスの互換性がないので、移行することができません。さらに、Berkeley DB による rpmdb の実装はトランザクションではないため、信頼性が低いことが判っています。また、データベースの矛盾を検出する手段がありません。

より持続可能なデータベースの実装に変更することは、長い間の課題でした。そこでデフォルトの rpmdb フォーマットを新しい sqlite ベースの実装に変更します。現在の BDB フォーマットのサポートは Fedora 33 では維持され、Fedora 34 で段階的に読み取り専用になります。

swap on zram

スワップは便利ですが、アクセスが遅いことが欠点です。その欠点を解消するため圧縮を利用した RAM ドライブである zram を採用します。起動時に swap-on-zram を作成して、従来のスワップパーティションをデフォルトでは使わないようにします。

zram については、Ubuntu で使ったことがあるのですが、Fedora で実際に使ってみてレポートできるように準備をします。

参考サイト

  1. 7 New Feature Changes Coming to Fedora 33 Release [2020-07-26]

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