2016-04-10

Fedora と Chromium

Chromium(クロミウム)はオープンソースのウェブブラウザのプロジェクト名で、Google Chrome はこのソースコードを引き抜いて開発されたものです [1]

以前の記事で紹介したように [2]、JavaScript を補完してウェブを高速化する WebAssembly が、開発者向けブラウザ Google Chrome Canary のバージョン 51.0.2677.0 以降で試験的に実装されることになりました。しかし、Google Chrome Canary では Linux 用のパッケージが公開されておらず、早期の開発バージョンを試すことが出来ません。もしかすると、Chromium なら、Google Chrome の安定バージョンよりは開発バージョンに近いものを試せる可能性があるかもしれないと考えました。仮にそうでなくとも、Chromium のビルドの方法を知っておいた方が、なにかと都合が良いとも考えました。

まず Red Hat 系 Linux で Chromium を扱うことについて触れているサイトを探したところ、[3] のサイトで RPM が公開されているサイトが紹介されていましたので、参考にさせて頂きました。

残念ながら現在使っている Google Chrome より新しいビルド番号ではありませんでしたので、それでは Chromium を自分でリビルドしてみようと Fedora 23 用の SRPM をダウンロードしました [4]

rpm-build および Chromium をビルドするのに必要な依存ライブラリをインストールしてから下記のようにリビルドしました。

[bitwalk@notepc SRPMS]$ rpmbuild --rebuild chromium-49.0.2623.112-1.fc23.src.rpm
...
...
...
パッケージに含まれないファイルの検査中: /usr/lib/rpm/check-files /home/bitwalk/rpmbuild/BUILDROOT/chromium-49.0.2623.112-1.fc23.x86_64
書き込み完了: /home/bitwalk/rpmbuild/RPMS/x86_64/chromium-49.0.2623.112-1.fc23.x86_64.rpm
書き込み完了: /home/bitwalk/rpmbuild/RPMS/x86_64/chromium-debuginfo-49.0.2623.112-1.fc23.x86_64.rpm
実行中(%clean): /bin/sh -e /var/tmp/rpm-tmp.1N4V28
+ umask 022
+ cd /home/bitwalk/rpmbuild/BUILD
+ cd chromium-49.0.2623.112
+ rm -rf /home/bitwalk/rpmbuild/BUILDROOT/chromium-49.0.2623.112-1.fc23.x86_64
+ exit 0
実行中(--clean): /bin/sh -e /var/tmp/rpm-tmp.wmXehB
+ umask 022
+ cd /home/bitwalk/rpmbuild/BUILD
+ rm -rf chromium-49.0.2623.112
+ exit 0

数時間でビルドできるだろうと甘く考えていました。非力な CPU (Celeron® N2830)を積んだ環境だったためか、なんとビルドに 10 時間以上を費やしてしまいました。

とりあえずインストールしてみると、無事インストールが完了しました。

[bitwalk@notepc SRPMS]$ su
パスワード:
[root@notepc SRPMS]# dnf install /home/bitwalk/rpmbuild/RPMS/x86_64/chromium-49.0.2623.112-1.fc23.x86_64.rpm
Last metadata expiration check: 2:27:16 ago on Sun Apr 10 11:54:43 2016.
依存性が解決されました。
================================================================================
 Package       アーキテクチャ
                           バージョン                   リポジトリ         容量
================================================================================
インストール:
 chromium      x86_64      49.0.2623.112-1.fc23         @commandline       60 M

トランザクションの要約
================================================================================
インストール  1 パッケージ

合計容量: 60 M
インストール済み容量: 187 M
これでいいですか? [y/N]: y
パッケージをダウンロードしています:
トランザクションの確認を実行中...
トランザクションの確認に成功しました。
トランザクションのテストを実行中...
トランザクションのテストに成功しました。
トランザクションを実行中...
  インストール    : chromium-49.0.2623.112-1.fc23.x86_64                    1/1 
  検証中          : chromium-49.0.2623.112-1.fc23.x86_64                    1/1 

インストール:
  chromium.x86_64 49.0.2623.112-1.fc23                                          

完了しました!
[root@notepc SRPMS]#

通常使っているブラウザである google-chrome-stable は /opt/google/chrome 以下、今回ビルドした Chromium は /opt/chromium 以下にインストールされています。また、実行ファイルはそれぞれ /usr/bin/google-chrome、/usr/bin/chromium-browser と名前が違いますので、同時にインストールしても問題はなさそうです。

自分で Chromium をビルドするには、環境が貧弱でコンパイルに時間がかかりすぎるのが玉にキズですが、参考資料 [5] をよく読んで、時間を見つけて最新のソースをビルドできるかトライしてみたいと思います。Fedora で WebAssembly を試すまでの道程は遠いです。

参考サイト

  1. Chromium - Wikipedia
  2. bitWalk's: Google Developers Japan: V8 で WebAssembly を試験運用開始
  3. RedHat系でChromiumとFlashのインストール - neetingnow!
  4. Index of /pub/yum/itecs/public/chromium/fedora23/SRPMS
  5. Get the Code: Checkout, Build, Run & Submit - The Chromium Projects

 

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