2019-12-20

Linux ディストロ探訪(11) 〜 Android-x86 〜

Linux とは本来 Linux カーネルのことを指しています。しかし、カーネルだけでは OS として動作させることはできません。そこで、OS に関連するツールやアプリケーションなどをまとめて、インストールし易く、インストール後にすぐ利用できるような配布形態にしたものを「ディストリビューション(略してディストロ)」と呼んでいます。

本シリーズ記事は、Linux ディストリビューションをピックアップ、仮想マシン(あるいは実機)にインストールして紹介します[不定期]。

Android-x86 とは

Android は Google が開発したモバイルオペレーティングシステムです。Linux カーネルやオープンソースソフトウェアがベースにしていて、主にスマートフォンやタブレットなどのタッチスクリーンモバイルデバイス向けにデザインされています。

※ Android を Linux ディストロのひとつとみなすことについて議論があるかと思いますが、Linux カーネルベースの OS という理由で、本ブログでは Linux ディストロの一つとして扱います、

Android-x86 は、前述の Android を ARM アーキテクチャのプロセッサではなく Intel や ARM の x86 系プロセッサの PC 上で動作するように AOSP [1] のソースにパッチをあてて移植しているプロジェクトです。

仮想環境へのインストール

Android-x86 のイメージは、ダウンロードサイト [2] から入手できます。x86 (32bit) および x86_64 の iso および rpm ファイルがダウンロードできます。rpm パッケージは、Fedora や RHEL/CentOS にインストールすると、QEMU 上で Android が起動するようになっていいます。

rpm ファイルを試す

ミラーサイト [3] から android-x86-9.0-rc1.x86_64.rpm をダウンロードしてインストールしてみましたが、残念ながら、自分の Fedora 31 の PC では残念ながら正常に動作しませんでした。

[bitwalk@fedora-pc ダウンロード]$ sudo dnf install android-x86-9.0-rc1.x86_64.rpm
...
(省略)
...
完了しました!
[bitwalk@fedora-pc ダウンロード]$ rpm -ql android-x86
/android-9.0-rc1/initrd.img
/android-9.0-rc1/kernel
/android-9.0-rc1/ramdisk.img
/android-9.0-rc1/system.sfs
/usr/bin/qemu-android
[bitwalk@fedora-pc ダウンロード]$ sudo /usr/bin/qemu-android

Please Enter to continue or Ctrl-C to stop.

[    0.000000] Linux version 4.19.80-android-x86_64-g914c6a3 (lh@android-x86) (gcc version 4.6 20120106 (prerelease) (GCC)) #1 SMP PREEMPT Fri Nov 15 11:35:44 CST 2019
[    0.000000] Command line: root=/dev/ram0 androidboot.selinux=permissive console=ttyS0 RAMDISK=vdb 
...
(省略)
...
QEMU 起動後、ここから先に進まず

iso ファイルを仮想環境で起動、インストール

そこでいつものように iso イメージ (android-x86_64-9.0-rc1.iso) をダウンロードして、仮想環境 (GNOME Boxes) にインストールすることにします。

起動後、最初のメニューで、"Advanced options ..." ⇒ "Auto_Installation" を選択し、「おまかせ」でインストールします。

"Advanced options ..." ⇒ "Auto_Installation"

インストール前の最終確認で Yes を選択 ⇒ フォーマット ⇒ インストールと進み、最後に Android-x86 を起動するか再起動するかを選ぶ画面になりますので、再起動 (Reboot) を選択します。

再起動後、Linux でお馴染みの grub の起動メニューが表示されますので、そのまま Enter キーをタイプします。

grub の起動メニュー

しばらく起動中の Android 画面を眺めていましょう。

Android 起動中の画面

最初の起動後の初期設定をします。

初期設定を終え、ランチャーを Taskbar にしました。

初期設定後の Android 画面 (Taskbar)

マウスのポインタでスワイプをするのには苦労しますが、なんとか操作ができます。

実機へのインストール

実機へのインストールは無事に終わるものの、起動ができていません。機種を変え、インストールの条件を変えて試していますが、今のところ成功例は紹介できません。ひきつづきテストを続け、(妥当なインストール方法での)成功事例が出れば記事に反映します。

まとめ

項目 説明
ディストリビューション Android-x86
プロジェクトサイト https://www.android-x86.org/
デスクトップ環境 ランチャー(ホームアプリ)
対応プラットフォーム x86, x86_64
パッケージ管理 APK
日本語入力 Google日本語入力
更新頻度
サポート期間
近年、Google からメジャーバージョンの更新が年に一回ぐらいのペースで行われています。Android-x86 のリリースも追従。
実デバイスにインストールされている Android OS のサポートは、端末メーカーが提供する。
寸評

Android は世界中の多くの端末メーカーが採用してサポートしているオープンソースの OS です。そのためか、趣味的ではありますが、個人レベルで Android をインストールする機会がありませんでした。

Linux 系 OS に何を求めるか次第ですが、Android はモバイルデバイスで実績を積んでいて、Web 閲覧やメール確認などの用途であれば少ないリソースでも充分稼働します。これもまた個人の趣味なのですが、チープで非力な PC にも自力でインストールできるのであれば、是非試したい OS です。

参考サイト

  1. Android Open Source Project
  2. Download | Android-x86
  3. Download File List - Android-x86 - OSDN

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