参考サイト [1] によると、GNOME OS は、GNOME のバニラ・バージョン(改変・改修・カスタマイズなどが一切行われていない、原型を留めたままの状態)を搭載した、起動可能な OS で、主な用途は GNOME のテストが想定されています。GNOME OS は OSTree を使ってアップグレードすることができ、Flatpak アプリケーションをインストールすることができます。
言い換えると、GNOME プロジェクトが提供する素の状態の GNOME デスクトップ環境と言えるでしょう。
さらに GNOME OS Nightly の ISO イメージをダウンロードできるサイト [2] には、「これはプレリリースソフトウェアです。本番環境で使用すると問題が起きるかもしれません。実際のハードウェアまたは Flathub Box でのみ動作します。」とあります。Nightly とあるように、おそらく毎晩、その時点でのレポジトリにあるソースを自動ビルドした最新 GNOME OS のインストーラがダウンロードできるようになっているのでしょう。
今回、ダウンロードサイト [2] からダウンロードして試した ISO イメージは以下のファイルです(明確な記載はありませんでしたが x86_64 のみに対応していると思われます)。
gnome_os_installer_656476.iso |
以前 GNOME Boxes で試して見たところ、インストール画面まで進みませんでしたが今回はうまくできました。
インストール
インストールは、アカウントの設定などが無いのでとても単純です。画面としては4ステップですが、実質的にインストール先を指定するだけでしょうか。
- Use existing version
- インストールメディアの GNOME バージョンを指しているだけか?
- Select Disk
- インストール先のメディア指定
- Reformatting
- メディアをフォーマットしてインストール中
- Power Off
- インストール完了、シャットダウン
インストール時のスクリーンショットを並べました。
最初の起動
GNOME OS のインストール後、最初の起動時にユーザーアカウントの設定等をおこないます。
最初に、表示する言語を選択します。
キーボードレイアウトや入力メソッドを選択します。
プライバシーの設定で位置情報サービスを利用するか設定します。
システムが使用するタイムゾーンを設定します。
ユーザー情報とパスワードを設定します。
以上で設定は終わりです。
GNOME OS を使い始める (S) ボタンをクリックすると、GNOME デスクトップ環境を使い始めることができるようになります。
しばらくすると、下記の「ツアー」アプリが表示されます。
GNOME 付属のアプリ
GNOME 付属のアプリの数は控えめです。アプリ一覧で表示されるアプリと Dash(ダッシュ)に登録されているアプリが、GNOME 標準のアプリだと考えてよいでしょう。
GNOME Web / Epiphany
コードネーム Epiphany は、WebKit レンダリング・エンジンをベースにした GNOME ウェブ・ブラウザです [3]。
Fedora Linux / RHEL や Ubuntu など、GNOME をデフォルトのデスクトップ環境に採用している Linux ディストロでは、デフォルトのウェブ・ブラウザに Mozilla Firefox を採用していることが多いように思いますが、なにかあるのでしょうか。別に Epiphany でもいいのではないかと思ってしまいます。
自分の場合、メインの環境 (Fedora Linux) では Google Chrome を使いたいので自分でインストールして利用しています。そのためデフォルトが何であっても構わないのですが、ちょっと気になります。
システムの更新
GNOME OS は OSTree を使ってシステムのバージョンを管理しています。システムの更新があると通知ポップアップで知らせてくれます。更新すれば、(プレリリース版ですが)常に最新の GNOME OS Nightly を利用することができます。
ちなみに「ソフトウェア」では Flathub のレポジトリにある Flatpak アプリを利用できるようになっています。
参考サイト
- GUADEC 2020 (22-July 28, 2020): GNOME OS on real hardware · GNOME Events (Indico) [2020-07-20]
- GNOME OS Nightly
- GNOME / Epiphany · GitLab
古いバージョンの GNOME OS ですが、わかりやすい説明です。
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