2024-04-06

[Alpine Linux] Xfce4 デスクトップ環境の設定(改)

Alpine Linux は、セキュリティを向上させるため、ユーザー空間にあるすべてのバイナリを、スタックスマッシュ防止機能付きの位置非依存な実行可能ファイルとしてコンパイルしています。サイズが小さく、起動が速いため、ルーター、サーバー、NAS などのような組み込みデバイスの実ハードウェア上だけでなく、仮想マシン上でも、迅速な起動を必要とするコンテナ上でも使用されています。

Wikipedia より引用・翻訳、編集

Alpine Linux にインストールできるデスクトップ環境はいくつもありますが、Alpine Linux の大変コンパクトなサイズを活かすべく、最低限のデスクトップ環境を用意して日本語入力ができればとりあえず十分、という場合には Xfce4 のインストールがオススメです。

Alpine Linux のインストール方法は下記にまとめてあります。

さらにデスクトップ環境 Xfce4 の設定方法を下記にまとめました。

しかし、あとで読み直して見ると、OS のインストールが CUI ベースなのは仕方がないとしても、デスクトップ環境のインストール作業は面倒だと感じてしまいます。イマドキのデスクトップ用途の Linux ディストロのインストーラが GUI 化されていて、とっても簡単になっているせいでしょうか。

そこで、少しでも楽して Alpine Linux のデスクトップ環境を構築できるように、自動化できる部分をスクリプトにまとめてしまいました。

スクリプトを実行するための前提は以下のとおりです。

本記事は、下記の Alpine Linux が setup-alpine コマンドで既にインストールされているシステムでのデスクトップ設定例です。

 

alpine-standard-3.19.1-x86_64.iso

 

なお、bitwalk (Full name: Fuhito Suguri) というユーザーアカウントをインストール時に作成しています。ネットワークに接続されていることも前提になります。

なお、本スクリプトは CPU の種類に依存していませんが、動作確認ができたのは GNOME Boxes 仮想環境と古いノード PC(どちらも x86_64)だけです。

Xfce4 デスクトップ環境のインストールと設定

すでに Alpine Linux がインストールされており、ネットワークが利用可能なので、ここでは LAN 内の他の PC (fedora) から、Alpine Linux の作成しておいたユーザーアカウントへ ssh でログインして、su コマンドでスーパーユーザーになって作業することにします。

bitwalk@fedora:~$ ssh bitwalk@192.168.0.41
The authenticity of host '192.168.0.41 (192.168.0.41)' can't be established.
ED25519 key fingerprint is SHA256:vs5J+THCe+EUAN8pyktjVQ7Kd7K7uUdTytpivgnkzB4.
This key is not known by any other names.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])? yes
Warning: Permanently added '192.168.0.41' (ED25519) to the list of known hosts.
bitwalk@192.168.0.41's password: 
Welcome to Alpine!

The Alpine Wiki contains a large amount of how-to guides and general
information about administrating Alpine systems.
See .

You can setup the system with the command: setup-alpine

You may change this message by editing /etc/motd.

localhost:~$ su
Password: 
/home/bitwalk # 

git パッケージのインストールとスクリプトの入手

スクリプトを github から入手するため、まず git パッケージをインストールします。

/home/bitwalk # apk add git
fetch http://dl-cdn.alpinelinux.org/alpine/v3.19/main/x86_64/APKINDEX.tar.gz
(1/8) Installing ca-certificates (20240226-r0)
(2/8) Installing brotli-libs (1.1.0-r1)
(3/8) Installing c-ares (1.27.0-r0)
(4/8) Installing nghttp2-libs (1.58.0-r0)
(5/8) Installing libcurl (8.5.0-r0)
(6/8) Installing libexpat (2.6.2-r0)
(7/8) Installing pcre2 (10.42-r2)
(8/8) Installing git (2.43.0-r0)
Executing busybox-1.36.1-r15.trigger
Executing ca-certificates-20240226-r0.trigger
OK: 504 MiB in 91 packages
/home/bitwalk # 

github から git でスクリプトを clone します。

/home/bitwalk # git clone https://github.com/bitwalk123/alpine-jp.git
Cloning into 'alpine-jp'...
remote: Enumerating objects: 15, done.
remote: Counting objects: 100% (15/15), done.
remote: Compressing objects: 100% (12/12), done.
remote: Total 15 (delta 1), reused 6 (delta 0), pack-reused 0
Receiving objects: 100% (15/15), done.
Resolving deltas: 100% (1/1), done.
/home/bitwalk # 

スクリプトの実行

clone した alpine-jp にディレクトリを移し、setup-xfce-jp を実行します。

/home/bitwalk # cd alpine-jp
/home/bitwalk/alpine-jp # ls
README.md      setup-xfce-jp
/home/bitwalk/alpine-jp # ./setup-xfce-jp

### Enable community repository

    ...
    ...

Executing desktop-file-utils-0.27-r0.trigger
OK: 1485 MiB in 414 packages
 * service lightdm added to runlevel default

### Add /etc/ibus-conf file

### Completed! Please reboot.
/home/bitwalk/alpine-jp # 

.bashrc の準備

スーパーユーザーを抜けて、/etc/ibus-conf を自分のアカウント内に .bashrc ファイルとしてコピーします。

/home/bitwalk/alpine-jp # exit
localhost:~$ ls /etc/ibus-conf
/etc/ibus-conf
localhost:~$ cp /etc/ibus-conf ~/.bashrc
localhost:~$ cat .bashrc
export GTK_IM_MODULE=ibus
export XMODIFIERS=@im=ibus
export QT_IM_MODULE=ibus
localhost:~$ 

再びスーパーユーザーになって再起動します。

localhost:~$ su
Password: 
/home/bitwalk # reboot

再起動後、問題が無ければ、以下のようなログイン画面が表示されます。

lightdm のログイン画面

Alpine Linux のインストール時に作成したユーザーアカウントが表示されているので、設定したパスワードを入力してログインします。

Xfce4 のデスクトップ画面

キーボードのレイアウト設定

日本語キーボードを使用している場合は、Xfce4 のデスクトップのメニュー Applications → Settings → Keyboard を選んで、キーボード設定画面を開きます。

Layout タブ画面で Use system defaults をオフにします。

Keyboard layout+Add ボタンをクリックして Keyboard layout selection のリストから Japanese を選択して OK ボタンをクリックして Layout のリストに追加します。

もともとあった English (US) は選択して −Remove ボタンをクリックしてリストから削除します。

キーボード・レイアウトの設定

Keyboard のウィンドウを × Close ボタンで閉じるとレイアウトが反映されます。

IBus の設定

メニューから Applications → Settings → Session and Startup を起動し、Applications Autostart タブで /usr/bin/ibus-daemon -drx コマンドがログイン時に実行されるように登録します。

Session and Startup のウィンドウ / Applications Autostart タブ

メニューから Applications → Settings → IBus Preferences を起動し、Input Method のタブで、インプットメソッドに Anthy を追加します。

IBus Preferences のウィンドウ / Input Method タブ

以上で 漢字 キーで入力を切り替えて(_A)、日本語入力・漢字変換ができるようになります。

まとめ

Xdce4 のデスクトップ環境の表示は英語のままですし、ロケールもいじっていません。またエラーが生じた場合の処理なども一切考慮していません。なにか不具合があれば可能なかぎり対処していくつもりです。

参考サイト

  1. downloads | Alpine Linux
  2. Alpine setup scripts - Alpine Linux

 

ブログランキング・にほんブログ村へ bitWalk's - にほんブログ村 にほんブログ村 IT技術ブログ オープンソースへ
にほんブログ村

オープンソース - ブログ村ハッシュタグ
#オープンソース



このエントリーをはてなブックマークに追加

0 件のコメント: