Alfresco は、企業レベルの規模のコンテンツマネジメントシステムで、Microsoft Windows と Unix 系オペレーティングシステムで動作するオープンソースのシステムです。高度なモジュール性とスケーラブルな性能を特徴として、コンテンツ・リポジトリ、ポータルサイトフレームワーク、CIFS インタフェース、ウェブアプリケーションを仮想化する Web コンテンツ管理機能、Apache Tomcat による統計サイト、Apache Lucene による索引、JBoss jBPM ワークフローといった機能があります。Alfresco は Java テクノロジを使って開発されています [1]。
以前、当ブログで Alfresco を Linux にインストールする事例を紹介しましたが、月日が経っていますので、あらためて現バージョンを紹介します [2]。
インストール (Linux)
ここでは、Alfresco の Community Edition のインストールを説明します。
使用した環境は以下の通りです。
- PC: ASUS X200MA-B-BLUE
- CPU: Celeron N2830
- DRAM: 4GB
- HDD: 500GB
- OS: Fedora 24 (x86_64, Beta)
まずは、インストーラをダウンロードします。以下のサイトで必要事項を入力して「DOWNLOAD NOW」をクリックするとダウンロードの画面に進みますので、General Release 201605 以下の Linux をクリックして Linux 版のインストーラをダウンロードします。
GNOME 端末などのターミナル・エミュレータを起動し、カレントディレクトリをダウンロードした場所へ移動し、ダウンロードしたファイル (alfresco-community-installer-201605-linux-x64.bin) に実行権限を与えて起動します。
$ chmod +x alfresco-community-installer-201605-linux-x64.bin $ ./alfresco-community-installer-201605-linux-x64.bin
インストール時の言語を選択するダイアログが表示されますので、日本語を選んで OK ボタンをクリックします。
インストーラが起動しますので、表示に従ってインストールを進めます。
搭載しているメモリが 4GB では足りないという警告がでますが、今回はインストールとちょっとした動作確認をするだけなので、構わず進みます。
インストールが終了し、Readme が表示され、Alfresco を起動します。少し時間がかかります。
waiting for server to start..... done server started /home/bitwalk/alfresco-community/postgresql/scripts/ctl.sh : postgresql started at port 5432 Using CATALINA_BASE: /home/bitwalk/alfresco-community/tomcat Using CATALINA_HOME: /home/bitwalk/alfresco-community/tomcat Using CATALINA_TMPDIR: /home/bitwalk/alfresco-community/tomcat/temp Using JRE_HOME: /home/bitwalk/alfresco-community/java Using CLASSPATH: /home/bitwalk/alfresco-community/tomcat/bin/bootstrap.jar:/home/bitwalk/alfresco-community/tomcat/bin/tomcat-juli.jar Using CATALINA_PID: /home/bitwalk/alfresco-community/tomcat/temp/catalina.pid Tomcat started. /home/bitwalk/alfresco-community/tomcat/scripts/ctl.sh : tomcat started
Alfresco が起動されると、Alfresco のログイン画面がブラウザに表示されます。ブラウザのオートコンプリート機能のせいでしょうか、bitwalk のアカウントとパスワードが既に入力されています。いや、ひょっとしてアカウントが設定されているのかも、とログインをクリックしてみましたが、やはりログイン出来ませんでした。
気を取り直して、admin アカウントで、インストール時に設定したパスワードを入力してログインすると無事 Alfresco のダッシュボードが表示されました。
Alfresco の詳しい使い方については、他の紹介記事を参照してください [4]。
二回目以降の起動
インストール後はサーバーが起動していますが、OS を再起動した場合、デフォルトの状態ではサービスは自動起動されません。マニュアルでサービスを起動するやり方を下記にまとめました。
GNOME 端末などのターミナル・エミュレータを起動し、カレントディレクトリを Alfresco をインストールしたディレクトリ (alfresco-community) へ移動し、./alfresco.sh start と入力します。
$ ls Chromium alfresco-community rpmbuild テンプレート 音楽 Desktop data tmp デスクトップ 画像 JavaFXSceneBuilder2.0 glassfish-4.1.1 work ドキュメント 公開 NetBeansProjects lib workspace ビデオ R netbeans-8.1 ダウンロード フォント $ cd alfresco-community $ ls README.txt amps libreoffice properties.ini tomcat alf_data amps_share licenses scripts uninstall alfresco.ico bin manager-linux-x64.run share.log uninstall.dat alfresco.log common modules solr.log alfresco.sh java postgresql solr4 $ ./alfresco.sh usage: ./alfresco.sh help ./alfresco.sh (start|stop|restart|status) ./alfresco.sh (start|stop|restart|status) postgresql ./alfresco.sh (start|stop|restart|status) tomcat help - this screen start - start the service(s) stop - stop the service(s) restart - restart or start the service(s) status - show the status of the service(s) $ ./alfresco.sh status tomcat not running postgresql not running $ ./alfresco.sh start pg_ctl.bin: another server might be running; trying to start server anyway waiting for server to start..... done server started /home/bitwalk/alfresco-community/postgresql/scripts/ctl.sh : postgresql started at port 5432 Using CATALINA_BASE: /home/bitwalk/alfresco-community/tomcat Using CATALINA_HOME: /home/bitwalk/alfresco-community/tomcat Using CATALINA_TMPDIR: /home/bitwalk/alfresco-community/tomcat/temp Using JRE_HOME: /home/bitwalk/alfresco-community/java Using CLASSPATH: /home/bitwalk/alfresco-community/tomcat/bin/bootstrap.jar:/home/bitwalk/alfresco-community/tomcat/bin/tomcat-juli.jar Using CATALINA_PID: /home/bitwalk/alfresco-community/tomcat/temp/catalina.pid Tomcat started. /home/bitwalk/alfresco-community/tomcat/scripts/ctl.sh : tomcat started $
GUI で、PostgreSQL と Tomcat を起動/停止する場合は、manager-linux-x64.run を起動します。
$ ./manager-linux-x64.run
「Start All」ボタンをクリックすると関連するサービスが起動されます。
インターネット・ブラウザを起動後、http://localhost:8080/share/page/ へアクセスして、Alfresco へログインします。
コンテンツマネジメントシステム
コンテンツマネジメントシステム (content management system, CMS) とは、ウェブコンテンツを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツを統合・体系的に管理し、配信など必要な処理を行うシステムの総称です。
現在勤務している外資系企業では、Microsoft Sharepoint が利用できて、CMS の役割も担っています。Sharepoint の機能に大きな不満があるわけではありませんが、もし、自分が企業のインフラを運営するとすれば、お金をかけずに CMS を構築できる Alfresco は魅力的な選択肢になります。高い機能を求めなければ、お手頃の価格になった PC を使って、個人のネットワーク環境で CMS を常時稼働させるのも悪くはありません。ネットワークドライブに保存しっぱなしになっているファイルも CMS に移せば、ハードディスクの肥やしにせずにもっと有効に利用する道が開けそうです。やはり個人環境でも真面目に CMS の導入を検討したほうが良いのかもしれません。
関連サイト
- Alfresco - Wikipedia
- bitWalk's: 【備忘録】Alfresco の Community 版を Linux で試す (2014/6/9)
- Alfresco - ECMとBPM向けソフトウェア | Alfresco (日本語)
- 脱ファイルサーバ!!個人でも会社でも使えるOSSのドキュメント管理システム!その名も「Alfresco」! - Qiita
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