2021-01-08

格安タブレット PC を衝動買い

タブレット PC とは、2001 年に発表された、タッチインターフェースに対応したマイクロソフト社の Microsoft Windows XP Tablet PC Edition 及びその後継 OS がインストールされたタブレットの一種です。平板状の外形を備え、タッチパネルあるいはペン入力操作(タッチインターフェース)に対応したディスプレイを搭載しています。

なお、「タブレット PC」と言う表記は、タブレット端末(タブレット型コンピュータ)全般を指すこともあります。

Wikipedia より引用、編集

どうやら「タブレット PC」という呼称は、本来、Windows が搭載されているデバイスに対するもののようです。現在のタブレットデバイスの市場は、下記 StatCounter のチャート(チャートの描画に少し時間が掛かります)にあるように、iOS (56.62%) や Android (43.27%) で占められています。Winodws を搭載した「タブレット PC」のシェアはほとんどありません (0.08%)。[数字は 2020 年 12 月の集計]

Source: StatCounter Global Stats - OS Market Share

何をやりたいのか?

一体何をやりたいのか?

ありていに言えば、Linux でもっとタッチパネルを使いたい、ということですが、ノート型 PC とタブレット型 PC を兼ね備えた 2 in 1 PC では、結局キーボードに頼ってしまうので、もうすこし突き詰めます。

目  的
  • 電話機能を除き、デスクトップ向けの Linux でも、キーボードを使わずにどこまで Android のように使い込むことができるか。[デスクトップ環境は GNOME に固定]

自分の場合、Linux のインストールは、僅かの例外を除いて Windows がインストールされた PC に対しておこなってきました。その経験から、タブレットデバイスに Linux をインストールしたい場合、まず Windows がインストールされている「タブレット PC」で試すのが無難です。

Amazon.jp で格安なタブレット端末を探すと、Android 端末に行きつく場合がほとんどです。しかし Android 端末が 1 万円を切るような値段でなければ、間違いなく Linux のインストールを諦めてしまいます。そもそも Android 端末に Linux をインストールするノウハウが無いので、非常に廉価でないと挑戦する決心がつきません。余裕があれば中古品で試して実績を積むべきですが、そもそも Android も Linux 由来の OS ですので、わざわざそこまでやるか、という気がしないでもありません。

低スペックのタブレット PC を衝動買い

かつて目にした格安「タブレット PC」は、ストレージサイズが 32GB という場合が多かったのですが、これだと最近の Windows ではまとまった更新ができません。Linux であればストレージが 32GB だって十分使えます。しかし万が一 Linux でタッチパネルを使えなかった場合、とりあえずは Windows のまま使うことになります。そんな場合、ストレージが足りなくて Windows を更新できなければ、格安で買ったお得感が一気に無くなってしまいます。

Windows がインストールされている、ストレージが 64GB 以上の格安な「タブレット PC」をなかなか見つけられません。

Amazon.jp の初売り

2021 年新年になり、Amazon.jp で初売りセールが始まったのでいろいろ物色していると、良さげなタブレット PC が目に留まりました(右図)。ストレージが 64GB あります。初売り価格では無さそうでしたが税込みで 2 万円未満です。

CPU の世代が古いことやバッテリーの容量が小さいことなど、不満は多々あれど、Linux を試してダメだったら Windows のまま使う、更新もできる、という条件を満たしています。そうやっていろいろ理由を付けて自分を正当化し、ポチッとカートに入れて購入してしまったのでした。😅💦

※ ちなみに Banggood から購入するのであれば、もっともっと安く買うことができます [1]

Jumper Ezpad Mini 8 の仕様

今どきの PC の仕様からすれば、すいぶん古く貧弱ですが、価格と目的を考えれば致し方ありません。

メーカーJumper
モデル番号Ezpad Mini 8
CPUIntel Atom x5 Z8300
RAM2GB, DDR3 SDRAM
ストレージ64GB eMMC
画面8 inch IPS (1920×1200)
ネットワーク802.11 b/g/n
Bluetooth 4.0
入出力Micro USB (Type B) x 2
Micro HDMI
SD カードリーダ (max 256GB)
オーディオジャック
フロントカメラ2MP (1080p)
バッテリー3800mAh
寸法 幅 × 高さ214 x 124 x 8.9 mm
重量360g
OSWindows 10 Home

Windows

Amazon.jp から注文した品が届いたのでよく見てみると、USB ポートが Micro USB Type B でした。Type C のポートだと勝手に思い込んでいました。😓

USB ハブを接続するには変換プラグか、Micro USB Type B で接続できるハブが必要ですが、近所のコンビニを探してもぴったりの変換プラグがありません。仕方がないので Amazon.jp に追加注文することにしました。

追加注文した品が届くのを待つ間、Windows のアップデートをしました。802.11g の遅い通信速度に加えて、一回の更新作業では済まない作業なので結構な苦行です。

Windows 10 Home 20H2 に更新後のデスクトップ画面
おすすめの Windows タブレット

iOS と Android のタブレット端末に押され、マーケットシェアが低い Windows タブレットですが、「格安」という制限を付けなければ、Microsoft Surface シリーズをはじめとして、購入を検討できる選択肢はまだあります。ただ、どちらかというとタブレット専用というよりも 2 in 1 PC です。

Linux でタッチパネルが使えない!

インストールする Linux を決めるにあたり、ライブ起動できる3種類の Linux ディストロを試しました。デスクトップ環境は GNOME に揃えています。あわよくば、タッチパネルをすぐに利用できるものがあればと期待したのですが、その考えは甘かったようです。💦

Fedora

Fedora /ˈfɨˈdɒr.ə/ は、Red Hat 社が支援するコミュニティー Fedora Project によって開発されている RPM 系 Linux ディストリビューションです。私は、メインのデスクトップ PC で Fedora を使っています。

Fedora 33 (Workstation Edition) x86_64
Fedora-Workstation-Live-x86_64-33-1.2.iso

ライブ起動は問題なくできましたが、タッチパネル、加速度センサー、カメラを利用できませんでした。WiFi / Bluetooth は利用できました。

Ubuntu

Ubuntu /ʊˈbʊntuː/ は Debian GNU/Linux を母体とした Linux ディストリビューションの 1 つで、Canonical 社から支援を受けて開発されています。最もポピュラーな Linux ディストロと言えます。

Ubuntu Desktop 20.10 x86_64
ubuntu-20.10-desktop-amd64.iso

ライブ起動は問題なくできましたが、タッチパネル、加速度センサー、カメラを利用できませんでした。WiFi / Bluetooth は利用できました。

Manjaro

Manjaro /mænˈdʒɑːɹoʊ/ は Arch Linux をベースとした Linux ディストリビューションの一つです。Arch Linux のパッケージ管理システム pacman を使用することができ、インストールしてすぐにデスクトップ環境を利用できます。

Manjaro 20.2 GNOME x86_64
manjaro-gnome-20.2-201203-linux59.iso

ライブ起動は問題なくできましたが、タッチパネル、加速度センサー、カメラを利用できませんでした。WiFi / Bluetooth は利用できました。

タッチパネルのドライバが無い

どの Linux ディストロでも起動させることができましたが、どれも同じくタッチパネル(および加速度センサー)を利用することができませんでした。

ちなみに Fedora をライブ起動したときのログを確認すると、タッチパネル(タッチスクリーン)関係のドライバのロード部分は下記のようになっています。

dmesg の出力(一部)
...
[   29.256026] proc_thermal 0000:00:0b.0: enabling device (0000 -> 0002)
[   29.263075] proc_thermal 0000:00:0b.0: Creating sysfs group for PROC_THERMAL_PCI
[   29.279729] dw_dmac INTL9C60:00: DesignWare DMA Controller, 8 channels
[   29.310740] dw_dmac INTL9C60:01: DesignWare DMA Controller, 8 channels
[   29.703304] silead_ts i2c-MSSL1680:00: supply vddio not found, using dummy regulator
[   29.703388] silead_ts i2c-MSSL1680:00: supply avdd not found, using dummy regulator
[   29.703736] silead_ts i2c-MSSL1680:00: Silead chip ID: 0x80360000
[   29.764665] bmc150_accel_i2c i2c-BOSC0200:00: mounting matrix not found: using identity...
[   29.917847] Bluetooth: Core ver 2.22
[   29.917903] NET: Registered protocol family 31
[   29.917906] Bluetooth: HCI device and connection manager initialized
[   29.917914] Bluetooth: HCI socket layer initialized
[   29.917919] Bluetooth: L2CAP socket layer initialized
[   29.917934] Bluetooth: SCO socket layer initialized
[   30.030285] silead_ts i2c-MSSL1680:00: Direct firmware load for silead/mssl1680.fw failed with error -2
[   30.030294] silead_ts i2c-MSSL1680:00: Firmware request error -2
[   30.193437] Bluetooth: HCI UART driver ver 2.3
[   30.193441] Bluetooth: HCI UART protocol H4 registered
[   30.193443] Bluetooth: HCI UART protocol BCSP registered
[   30.193476] Bluetooth: HCI UART protocol LL registered
[   30.193478] Bluetooth: HCI UART protocol ATH3K registered
[   30.193520] Bluetooth: HCI UART protocol Three-wire (H5) registered
[   30.193642] Bluetooth: HCI UART protocol Intel registered
[   30.193809] Bluetooth: HCI UART protocol Broadcom registered
[   30.193830] Bluetooth: HCI UART protocol QCA registered
[   30.193832] Bluetooth: HCI UART protocol AG6XX registered
[   30.193852] Bluetooth: HCI UART protocol Marvell registered
[   30.212777] silead_ts: probe of i2c-MSSL1680:00 failed with error -2
[   30.292981] checking generic (80000000 1d5000) vs hw (90000000 1000000)
[   30.292985] checking generic (80000000 1d5000) vs hw (80000000 10000000)
[   30.292988] fb0: switching to inteldrmfb from EFI VGA
[   30.293337] Console: switching to colour dummy device 80x25
[   30.293433] i915 0000:00:02.0: vgaarb: deactivate vga console
...

あたり前のことですが、タッチパネルのファームウェアさえあれば動作するということです。そうは言っても、ファームウェアを入手できなければ何ともならないわけですが、参考サイト [5] にある情報を活用すればなんとかなりそうです。ファームウェアを準備できれば、ライブ起動するイメージをカスタマイズして、そのドライバが動作するかどうか試せます。

ちょっと時間が掛かりそうですが、Jumper Ezpad Mini 8 の Linux 化に挑戦します。

参考サイト

  1. Original box jumper ezpad mini 8 intel cherry trail z8350 2gb ram 64gb rom windows 10 8 inch tablet Sale - Banggood.com
  2. Jumper EZpad Mini 8 8 inch Windows Tablet PC - Grey – Jumper Mall
  3. Jumper Ezpad Mini 8 - 久しぶりに登場した8インチのAtom搭載Windows タブレット [2019-12-03]
  4. 格安のWindowsタブレットJumper Ezpad Mini 8を使ったブロガー的感想|いまいちど.ログ [2020-04-17]
  5. onitake/gsl-firmware: Firmware repository for Silead touchscreen controllers

 

 

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