2009-05-05

最近の Linux 事情(1)

近の Linux 事情について考察してみました。

Linux 専門誌


ひところは、雨後の筍のように、Linux 専門の月刊誌が発刊されましたが、その後つぎつぎと休刊になっています。

現在、地方の書店でもみかける Linux 専門の月刊誌といえば、日経 Linux だけになってしまいました。

10年ぐらい前は、いろいろな Linux ディストリビューションを紹介している専門誌があると、情報収集のために買い漁っていたものです。しかし、メインで使っている Linux マシンのディストリビューションをそうそう簡単に他に乗り換えることはできません。
それでも、HDD を増設して Vine, Kondara MNU, Mandrake (Mandriva) などをインストールして遊びました。最初に Debian を使っていたら、ずっと Debian 系を使っていたかもしれませんが、当時は、Turbolinux とか RedHat のように PC ショップで販売されている有償のディストリビューションを使っていた方が、将来のサポートも、より安心だと思い込んでいました。

今でも、いろいろなディストリビューションの新しいリリースの度に、相変わらずのインストール記事が掲載されることに、正直げんなりしています。しかし、かつての自分がそうであったように Linux 入門者のための情報源としての意義は、現在でもあるのでしょう、きっと。

マスメディアは、Linux エンドユーザ向けに、を発信すべきでしょうか?

あくまでも持論ですが、コミュニティの活動を積極的に支援してくれるような情報を発信してくれるといいのにと思っています。なんといっても Linux は、草の根運動から発展してきた OS で、今なお、そういった運動・活動は続いていると思うからです。

例えば…

日本語ディストリビューションである Vine Linux を徹底的、継続的に支援する。

あるいは、逆に、

・グローバルなコミュニティに日本人コミュニティが融合していくことを支援する。

など、言葉の壁に関わることへの支援です。

我々は、ワープロ文化とか、昔の NEC PC98 時代に築いた、日本独特の日本語規格、文化を持っています。Linux の発展において、こういった独特、独自な部分をどう守り発展させていったら良いのでしょうか。その一方で、グローバルなコミュニティの中で積極的に活動せず、すぐローカルなコミュニティを作りたがる国民性。グローバルな活動の中で、取り残されているかもしれない日本…。Linux の発展という切り口で浮かび上がる問題はいろいろあります。

マスメディアはそういった日本のユーザーを直接的・間接的に支援、あるいは問題提起をすることができるはずです。

日本語ディストリビューションの存在意義をどうだと言える立場にはありません。しかし、以前、Fedora Core などが UTF-8 を採用した時に、その恩恵を受けるはずの日本のマスメディアやコミュニティは、ずいぶんと受動的だったと感じ、それを変だと思いました。つまり、これは我々にとって歓迎すべきことなのか、そうでないのか(やっぱり EUC を使いたいのか)、明確なメッセージをマスメディアから感じ取れなかったのです。それは単に私の情報不足とか、感受性が不足しているせいなのかもしれません。
私は、いち早く UTF-8 に対応した Tcl/Tk ユーザですので、Fedora Core の UTF-8 対応は大歓迎でしたが…。

そういったわけで、例として昨今のロケール事情を取り上げてみました。

そういえば、私が使っている Fedora の日本のサイトをみると、日本のコミュニティーの状態は健全でないかもしれないと心配になります。

Fedora JP のサイト:
Fedora JP Project - Official Site
FrontPage - Fedora JP wiki

お世辞にも活況を呈しているとはいえません。情報も古いです。

一方、本家のサイトでは、内容がちょっと古いものの、日本語ページも用意されています。少なくとも日本のサイトよりは新しい情報があります。きっとどなたか日本語の出来る方が翻訳に尽力されているのでしょう。

Wiki は Fedora JP としてわざわざ別に用意しなくたって、本家の Wiki に統一してもよいのにと思っています。日本語でだって参加できるはずですから。

Ubuntu の方は詳しくありませんので、なにも言えませんが、日本人が Linux コミュニティへ積極的に参加していることを願うばかりです。

上記はあくまで個人的な意見です。ちょっと愚痴っぽくなってしまいました。なんにせよ、リリース情報などの表面的な情報提供に終始する雑誌であっては、困ると思うわけです。


最後に他の Linux 専門誌その他の情報です。

月刊誌ではありませんが、Linux 専門誌として、毎日コミュニケーションズ (MYCOM) の Linux Fan が雑誌(ムック)として出版されています。

あと UNIX 総合誌として、アスキー・メディアワークス/角川グループパブリッシングの UNIX magazine が季刊として出版されています。

それぞれ独自のを出して、末永く出版を続けてほしいものだと思います。
 

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