Fedora Linux は Red Hat 社が支援するコミュニティ Fedora Project で開発されているディストリビューションで、最新の技術を積極的に取り込むことで知られています。また Fedora Linux の開発成果が、後にリリースされる Red Hat Enterprise Linux, RHEL に取り込まれています。Fedora Linux は、おおむね春と秋の年二回の頻度で新しい版がリリースされています。
いまどきの Fedora Linux は、デフォルトのインストールではストレージ上にスワップパーティションを作成しません。その代わり、メモリ上に zram という領域が作成されて、ここがスワップ領域に使用されます。参考サイト [1] に詳しい説明があります。
最近の PC はメモリを多く搭載するようになったので、そのメモリ上に圧縮されたスワップ領域を確保しても、普段遣いでは特段の問題は起きません。しかし、一時的に極めて多くの領域を使いたい場合に困ることがあります。
会社で使用しているワークステーション上で、多少時間がかかっても良いから、一時的にメモリの容量を超えるデータを扱いたい事情ができたので、やむなく zram の使用を止め、大きなスワップファイルを用意して対応したので、備忘録にしました。
下記の OS 環境で動作確認をしました。
Fedora Linux 38 beta | (Workstation Edition) | x86_64 |
zram の使用を停止
参考サイト [2] に従って、zram のサービスを削除してしまいます。
$ sudo dnf remove zram-generator-defaults
btrfs 上にスワップ領域を作成
参考サイト [3] に従って、ファイルシステム btrfs 上にスワップファイルを作成します。
$ sudo btrfs subvolume create /swap $ sudo touch /swap/swapfile $ sudo chattr +C /swap/swapfile $ sudo fallocate --length 95GiB /swap/swapfile $ sudo chmod 600 /swap/swapfile $ sudo mkswap /swap/swapfile
本件では、ワークステーションのメモリ容量が 32GB なのですが、事情により常識外れのサイズ、96GB のスワップファイルを用意しました。
/etc/fstab に下記一行を加えます。
/swap/swapfile none swap swap 0 0
再起動後、スワップファイルがスワップに使われていることを確認します。
$ swapon NAME TYPE SIZE USED PRIO /swap/swapfile file 96G 743.5M -2
SSD 上にスワップ領域を確保することは、寿命の観点で懸念がありますが、ストレージの容量が 2TB あるので、目の前の問題の解決を優先することにして、あまり深く考えないことにします。😅
参考サイト
- zram swappingによるRAM節約、高速I/O【Fedora33以降】 - えんでぃの技術ブログ [2021-11-22]
- Changes/SwapOnZRAM - Fedora Project Wiki
- Fedora 35 hibernation with swapfile, only for hibernation and resume
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