2019-10-22

Cockpit を使う (2)

Cockpit とは、使い易く (easy-to-use)、統合されており (integrated)、一目で判る (glanceable)、ウェブベースの GNU/Linux 向けシステム管理ツールです [1]

Cockpit をインストールすると、以下のような処理をウエブブラウザから行えるようになります [2]

  • サービスの管理
  • ユーザーアカウントの管理
  • システムサービスの管理および監視
  • ネットワークインターフェースおよびファイアウォールの設定
  • システムログの確認
  • 仮想マシンの管理
  • 診断レポートの作成
  • カーネルダンプ構成の設定
  • SELinux の構成
  • ソフトウェアの更新

古い PC にインストールしてテストしている CentOS 8 で Cockpit を使ってみましたので、前回 [3] に続き、Cockpit の機能を紹介します。

CentOS 8 での使用例

使用した環境は以下の通りです。

OS
CentOS 8-1905 (CentOS-8-x86_64-1905-dvd1.iso)
Cockpit
cockpit-185.1-1.el8_0.x86_64

まずは Cockpit にログインします。

この例では、Cockpit で監視するホストが 192.168.0.22 です。

インターネットブラウザを起動して https://192.168.0.22:9090 を URL に入力します。ポート番号はデフォルトで 9090 です。ログインするホストにあるユーザーアカウントとパスワードでログインします。

システム

「システム」のページでは、ハードウェアやOS の情報、各種時系列のトレンド(CPU 稼働率、メモリー&スワップ使用量、ディスク I/O アクセス量、ネットワークトラフィック)が表示されます。

ログ

「ログ」のページでは、システムのログを閲覧することができます。またログレベルでフィルターすることもできます。

ストレージ

「ストレージ」のページでは、読み取り/書き込みのトラフィック、ファイルシステムのマウント情報、デバイスの情報、ストレージに関わるログが表示されます。

ネットワーキング

「ネットワーキング」のページでは、送信/受信のトラフィック、ファイアウォールのオン/オフのコントロール、インターフェースの情報、ネットワークに関わるログが表示されます。

アカウント

「アカウント」のページでは、登録されているアカウントの一覧が表示され、個々をクリックするとアカウントの詳細が表示されます。

アカウントについては削除を含め、一通りの管理ができるようになっています。

サービス

「サービス」のページでは、登録されているサービスの一覧が表示されます。

各サービスをクリックすると、そのサービスの状況が詳細に表示されて、停止、再起動および Enable/Disable などのコントロールができるようになっています。

左図は、The Apache HTTP server の例です。

Diagnostics Report

「Diagnostics Reports」のページでは、システムの問題の診断で使用するためにシステムからシステム設定と診断情報を収集して、ローカル(ブラウザを起動しているシステム)に保存することができます。

SELinux

「SELinux」のページでは、SELinux ポリシーの適用オン/オフのコントロールと、SELinux アクセス制御エラーの一覧が表示されます。

アプリケーション

「アプリケーション」のページでは、Cockpit のアプリケーションの一覧が表示されますが、CentOS 8 の現バージョン 185.1 では何も表示されていません。

ちなみに、Fedora 31 の Cockpit 203 では左図のように、一部の機能が Cockpit のアプリケーションに分離され、さらにいくつかのアプリケーションが利用可能になっています。

カーネルダンプ

「カーネルダンプ」のページでは、kdump 設定のテストをします。そのため、システムをクラッシュさせることによってテストをします。

ソフトウェア更新

「ソフトウェア更新」のページでは、システムに更新できるパッケージがないかを確認し、更新する場合はシステムを再起動させてパッケージ更新を行います。

端末

「端末」のページでは、ウェブベースの端末エミュレータを利用できます。

Fedora 31 での使用例

Fedora 31 で利用できるもっと新しいバージョンの Cockpit 203 では、複数のホストの状態をダッシュボードを利用して一元監視/管理できます。

OS
  Fedora 31 beta
Cockpit
  cockpit-203-1.fc31.x86_64
 Fedora 31 / Cockpit 203 のホストタブ 
 Fedora 31 / Cockpit 203 のダッシュボードタブ 

参考サイト

  1. Cockpit Project — Cockpit Project
  2. RHEL 8 で Web コンソールを使用したシステムの管理 Red Hat Enterprise Linux 8 | Red Hat Customer Portal
  3. bitWalk's: Cockpit を使う (1) [2019-10-12]

 

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