CentOS は、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) と機能的に互換性があることを目指したフリーの Linux ディストリビューションです。ターゲットは RHEL と同様に企業のサーバやデスクトップ環境の構築としています。また、ライセンス費用が無償であるにもかかわらず、非常に長いサポート期間のあることが特徴です。
10 年の製品ライフサイクル
普段は Fedora を使っていますが、これは RHEL に関わる開発の検証に使う実験的な位置づけにあるため、毎週のようにやってくるパッケージのアップデートや、おおむね半年ごとにやってくるシステムアップグレードなど、変化の激しいディストリビューションです。それでも長年使っているので変化に慣れっこになってしまっていますが、何かちょっとしたシステムを作ろうとしたときにベースの OS とするには不向きだと感じています。
それに比べ、RHEL の製品ライフサイクルは 10 年です。2019 年 5 月 7 日に出荷開始された RHEL 8 は、2029 年 5 月までサポートされることがアナウンスされています。10 年のサポート期間中、半年毎にマイナーリリースがされて、バグやセキュリティ問題の改善が行われます。RHEL の互換ディストリビューションである CentOS も当然これに追従するでしょう。
CentOS 8 は今、リリースに向けて RHEL 8 に含まれる商標や商用パッケージ等を除去したものをリビルドしています。まだ具体的なリリース期日のアナウンスが出ていませんが、それほど遠くない時期にリリースされるものと思われます。
毎日のように参考サイト [3] をチェックしているのですが、もしかすると進捗を更新する暇もないのでしょうか、こまめに状況が反映されているようには見えません。突然 RC (Release Candidate) 版の公開が発表されるような気がしますが、そうだとしても待ち遠しいです。
CentOS の個人的なニーズ
2014 年 7 月 に現行の CentOS 7 がリリースされた時には、リファレンス機にしようとメインのデスクトップ PC を Fedora から CentOS 7 へ乗り換えましたが [4]、長続きせずに Fedora へ戻ってしまいました。今回は Web サーバをデスクトップ機 (Fedora) とは別に用意して、Web アプリケーションをデプロイして動作確認する実証機に使いたいと考えています。
RHEL を購入するという選択肢
Slackware 2 の頃から始まった Linux とのお付き合いは、Red Hat Linux 3.0.3 へ移り、その後 2003 年 11 月に Red Hat Linux が Fedora Core 1 へ移行するまでは、コンピュータ専門店や家電量販店の片隅に置かれている Red Hat Linux のパッケージを購入することで続いていました。当時は、無料 OS と言えど家庭のネットワーク環境(特に通信速度)がそれほど良くなかったので、メジャーバージョンのリリース時、インストールメディアを有料で購入することにそれほどの抵抗はありませんでした。当時は Microsoft Windows も併用していましたので、考えてみると OS を使うために結構な出費をしていたことになります。💦
ネットワーク環境は格段に良くなり、Linux にまつわるビジネスモデルも変わりました。Red Hat Linux から Red Hat Enterprise Linux に移行した時に Red Hat 社が採用したサブスクリプション方式のビジネスモデルは成功をおさめ、今や IBM 傘下に入りました。
RHEL は業務で扱ったことがあるので、その時に購入した RHEL のサブスクリプションの管理もしています。あらためて、個人で RHEL のサブスクリプションを購入した場合の費用を参考サイト [5] で確認したところ、ニーズに合わせて条件を適切に選べば、意外にもそれほど高価でないことが判りました。もしかして、無料の CentOS にそれほど固執する必要がないかもと、少し心が揺れています。
参考 サイト
- Red Hat Enterprise Linux 8 リリース! - 赤帽エンジニアブログ [2019-05-08]
- Red Hat Enterprise Linux 8 ご紹介 - Speaker Deck [2019-06-04]
- About/Building 8 - CentOS Wiki
- bitWalk's: 【備忘録】CentOS 7 移行時のメモ [2014-07-21]
- Buy Red Hat Enterprise Linux subscriptions
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