2019-05-01

Alldocube iwork10 Pro と Manjaro Linux

Alldocube iwork10 Pro [1] は、Windows 10 と Android 5.1 の二つの OS が搭載されていて、切り替えて使用することができる 2-in-1 タブレット PC(キーボード付)です。発売されて二年以上経っている PC ではありますが、下記スペックで 25,900 円という価格に魅力を感じました。Linux 化して遊ぼうと、ゴールデンウィークに入って直ぐ Amazon.co.jp に注文してしまいました。😁

ALLDOCUBE iwork10 Pro ハードウェア仕様概要
CPU Intel Atom X5-Z8350
RAM 4GB
ストレージ 64GB
ディスプレイ 10.1 inch IPS 1920x1200
カメラ フロント : 2.0 MP, リア : 2.0 MP
無線 WiFi 802.11ac/a/b/g/n (2.4GHz), Bluetooth 4.0
I/O ポート 1x USB2.0 micro USB Type-B, 1x USB3.0 Type-C, 2x USB2.0 Type-A(キーボード側)
1x microSD カードスロット(最大 128GB)
1x micro HDMI, 1x 3.5mm イヤフォン・マイク ジャック
バッテリー 3.7V 6500mAh (24.05WH)
重量、サイズ 586g, 261 x 168 x 9mm

Windows 10 と Android 5.1

Amazon から届いて動作確認をするために Windows 10 と Android 5.1 それぞれを動かしてみました。しかし、この PC を買った目的は Linux をインストールして遊ぶことにあるので、これらのレビューは省略します。本来の機能にご興味のある方は、参考サイト [2] [3] などを参照してください。

いくつかの Linux を USB で起動して試す

下記、三種類の Linux ディストリビューションをライブ起動してみました。

  • Ubuntu 19.04 (Gnome)
  • Fedora 29 (Gnome)
  • Manjaro 18.0.4 (Gnome)

※ BIOS (UEFI) の設定画面へは Windows 上で「Windows の」設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」→「いますぐ再起動」で「オプションの選択」の画面に移り、そこで「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「UEFI ファームウェアの設定」を選択します [5]

BIOS(UEFI ファームウェア)の Boot 設定画面で、Quiet Boot, Fast Boot を Disabled にします。ライブイメージを焼いた USB メモリを挿入し BIOS 設定の変更を保存、PC を起動後に BIOS メーカー (American Megatrends International LLC) の画面が出たら F7 キーを連打します。すると起動するメディアあるいはイメージのリストが表示されますので、挿入した USB メモリを選択してライブイメージを起動します。

 起動するイメージの選択画面(画面横向きのまま) 

ライブ起動後、どのディストリビューションも横向き(縦長の方向)に表示されましたが、その中で GUI の操作だけで簡単に正常な向きに修正できた Manjaro Linux をインストールすることにしました。ちなみに、どのディストリビューションでも WiFi デバイスを認識していました。

Manjaro Linux のインストール

ライブ起動した Manjaro Linux 18.0.4 の例を以下に示しました。画面の表示向きは変更してあります。

 ライブ起動した Manjaro Linux 18.0.4 

Manjaro のインストーラをライブ起動すると GParted が利用できるようになっていますので、これでインストール先の SSD (eMMC?) のパーティションを全て削除してから、Manjaro Linux をインストールしました。インストール方法は特に難しいところはありませんでした。ただ、昨年 11 月に紹介したブログ記事 [6] と、インストール手順/内容に若干の違いが認められたので、時間があれば記事の方を更新したいと考えています。

 削除前のストレージのパーティション一覧 

内蔵の加速度センサーが認識されていないようで、インストール後のログイン画面の向きは横向き(縦長の方向)です。ログイン後に GNOME 設定画面で向きを修正すると、ログイン後の画面の向きは保存されます。

 画面の向きの修正 (GNOME 3,32,1 on Manjaro Linux 18.0.4) 

Manjaro Linux 18.0.4 をインストールした後、手動でドライバなどをインストールしていない状態で利用できる入出力デバイスは下記の通りです。タッチスクリーンを利用できないのは痛いですが、WiFi, Bluetooth やサウンドデバイスがフツーに動作しました。ノート PC として使う分には不自由しないので、タッチスクリーンの有効化については、ゆっくり調べます。もしかするとカーネルのバージョンが上がるといつの間にか使えるようになった、なんてことも期待しなくも無いのですが…。💦

Manjaro 18.0.4 で利用できる iwork10 Pro の機能(上から順に優先度が高い)
WiFi  
Bluetooth  
タッチスクリーン × カーネルのバージョンと関係があるかわかりませんが 5.0.9-2 を使っています。
画面自動回転 ×
オーディオ  
バッテリー残量  
カメラ ×  

画面の解像度

私の仕事は出張が多く、平日のほとんどはホテル暮らしです。会社から支給されているノート PC の OS は Windows なので、Linux をプライベートで使いたい私は、適度に小さなノート PC に Linux をインストールして携行しています。 いろいろ試しましたが、10 - 11 インチ程度の画面が実用性を確保できるぎりぎりの小ささで、かつ荷物の負担にそれほどならないと思うようになりました。

そういうわけで、古い型ですが ASUS T100HA を最近は携行するようになりました [7]。ホテルで使うことがほとんどで、ゲームなどの重い処理をせず、高いバッテリー性能も必要ないので、パフォーマンス的にはそれほど不満はありません。

敢えて不満を挙げようとすればキリがないのですが、WXGA (1280x800) という画面の解像度には不満を持っています。デフォルトのフォントサイズでちょうど見やすい大きさだとは思うのですが、例えばブラウザの画面に表示される情報量は少ないと感じています。画面が大きく画面解像度が高いノート PC を携行すると荷物の負担になるのでバランスが難しいのですが、最近は 10 - 11 インチ程度のサイズでも WUXGA (1920x1200) の IPS 方式の画面が出回っています。今回買った iworks10 Pro がまさにそれです。

WUXGA (1920x1200) は、WXGA (1280x800) と同じ画面アスペクト比で 16:10 です。画素数は WXGA に比べて縦横 1.5 倍ですので、二次元で 1.5 2 = 2.25 倍の情報が同じ面積の画面に表示されることになります。情報量は大きくなりますが、画面のサイズが同じであれば、相対的に、例えばフォントの大きさは小さく (1/2.25 = 0.444) 見えるようになります。

いくら画面の情報量が多くなっても、フォントが小さくなって読みにくくなるとストレスがたまります。そこで GNOME Tweaks で、ストレスなく読める程度の大きさになるようにフォントの倍率(倍率 1.25)を設定しました。

 GNOME Tweaks のフォント設定画面 

このような状況で、同じ Yahoo! Japan の記事を、ASUS T100HA の WXGA (1280x800) 画面と、iworks10 Pro の WUXGA (1920x1200) とで較べてみました。

 画面解像度比較: 左側 ASUS T100HAN (1280x800) vs. 右側 iwork10 Pro (1920x1200) 

Yahoo! Japan のニュースの画面幅は固定なので、解像度の違いが幅の違いになっています。微妙な違いかもしれませんが、狭い画面での使い心地の差がじわっと出てくるでしょう。

パフォーマンス

PC のパフォーマンスを総合的に数値化することはとても難しいのですが、クロスプラットフォームで比較できる Geekbench 4 で、CPU 性能を計測して比較しています。今回の iwork10 Pro も、Windows の時と、Manjaro Linux をインストールした時とを計測しておきました。下表の名前 (name) が 'ALLDOCUBE i1002SG' になっているのが今回の PC です。Windows と Linux (Manjaro) の両方を計測しました。なお、リファレンスとして T100HA (ASUSTeK COMPUTER INC. T100HAN) の結果を三段目に載せました。

Geekbench によるベンチマーク
#NamePlatformArchitectureSingle-core ScoreMulti-core Score
12965415 ALLDOCUBE i1002SG
Intel Atom x5-Z8350 1920 MHz (4 cores)
Linux 64 x86_64 899 2423
12954540 ALLDOCUBE i1002SG
Intel Atom x5-Z8350 1439 MHz (4 cores)
Windows 64 x86_64 878 2341
12443563 ASUSTeK COMPUTER INC. T100HAN
Intel Atom x5-Z8500 2240 MHz (4 cores)
Linux 64 x86_64 1111 3396

iwork10 Pro に搭載されているCPU x5-Z8350 は、比較している ASUS の T100HAN に搭載されている x5-Z8500 の一年後 (Q1'16) に発売された、同じ開発コード Cherry Trail のモデルですが、メモリ帯域が半分に抑えられているためか、ベンチマークのスコアが低くなっています。x5-Z8500 に比べて x5-Z8350 は、シングルコア性能で約8割、マルチコア性能で約7割の性能しか出ていません。

通常の使用に耐えうる性能なのかは、しばらく使ってみて判断しようと思います。

参考 サイト

  1. iWork10Pro – Alldocube
  2. ALLDOCUBE iWork10 Pro レビュー。 ”ちゃんと使える”を重点に置いたデュアルブートタブレット! | Till0196のぼーびろく [2018-06-06]
  3. 2万円台なWindowsタブレット ALLDOCUBE iWork10 Pro サクッとレビュー : JIZOMAEのブログ [2018-10-11]
  4. ALLDOCUBE タブレット 激安コスパで独走! 全機種を比較 | 秋葉原ぶらり
  5. UEFI の Fast Boot を無効にする手順 - ぼくんちのTV 別館
  6. bitWalk's: Linux ディストロ探訪(5) 〜 Manjaro 〜 [2018-11-30]
  7. bitWalk's: ASUS TransBook T100HA と Fedora 29 [2019-03-09]

 

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