1995 年、ペガスス座51番星 (51 Pegasi) という恒星に、木星クラスの質量を持った惑星の存在が確認されました。これがはじめて発見された太陽系外惑星でした。それ以来、数多くの太陽系外惑星が発見されています。
本書は、天文学の現在までの歩みと、系外惑星の発見に情熱を注ぐ「プラネット・ハンター」たちの熱いドラマを交えて、数々の観測法が分かりやすく紹介されています。
地球に似た惑星は、銀河系、あるいは宇宙全体でどれくらいあるのか、地球以外にも生命は存在するのか―。21世紀を牽引する科学分野のひとつ、太陽系外惑星研究の第一人者が伝える、天文学・惑星科学の最先端の書です。
本書の「おわりに」の章が 2014 年 9 月で結んであり、初版 1 刷が 2014 年 10 月 20 日と、まさに最新の内容になっています。
私は、本書の内容に驚きと感動を覚えながら、一気に読みきってしまいました。
今から 10 年以上も前になりますが、2000 年 6 月に有限会社ビットウォークを設立して間も無いその年の暮れ、SETI@home にハマっていた私は、偶然にも O'Reilly の刊行予定に Beyond Contact: A Guide to SETI and Communicating with Alien Civilizations が載っているのを見つけました。迷わず O'Reilly Japan に連絡を入れて翻訳権と邦訳出版の交渉を始めました。
この手の科学読み物の翻訳業務は、会社の中核となるビジネスに育てられるかもしれないと、せっせと翻訳に励んだのですが…、結局、諸事情により出版までには至りませんでした。しかし、それこそ嘗めるようにして精読していたため、今も当時の太陽系外惑星の観測方法や発見状況がしっかり記憶に残っていたのです。そのため、この「第二の地球を探せ!…」を読んだ時、10 年ちょっとの間の技術の進歩に目を見張ったのでした。
すばる望遠鏡やケプラー衛星などによる最新の成果が平易な解説と共に散りばめられており、天文学ファンでなくとも読み進められる内容だと思います。
何光年も離れた恒星へ探査機を向かわせるためには、まだまだ人類の科学は未熟なのかもしれません。しかし、地球に届く光(赤外線などを含む)を観測することはできます。経済的な理由で、望遠鏡を衛星に載せて観測する次世代の地球型系外惑星撮像ミッションは、当初のスケジュールよりかなり遅れているそうですが、それでも近い将来、地球型系外惑星の撮像を目にする日がやってくることでしょう。
天文学ファンにはもちろんのこと、科学技術の進歩にご興味のある方へ、オススメの一冊です。
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