2010-05-21

Linux デスクトップ PC の時代は来るのか?

Linux と付き合いを始めて既に 15 年近く経ちました。そもそも Linux を使い始めるきっかけは、何といっても Windows 95 で使う Visual Studio より GNU/Linux の開発環境の方が、自分にとって魅力的だったからです。それ以来、もっと Linux が一般に普及すればいいのにと思って使い続けています。そんな中で一時は Microsoft の牙城であるデスクトップ OS とオフィススイートの市場で、Linux のデスクトップ PC が脅威になるだろうと喧伝された時期がありました。

[1] Linuxデスクトップの台頭に苦悩するマイクロソフト

でも、実際には、今でもそうはなっていません。そもそも、かつての Linux 関係誌のほとんどが休刊に追い込まれている状況をみると、言わずもがなという感はあります。

ちょっと古いですが、以下のような記事があります。

[2] Linuxデスクトップは市場に受け入れられていない--その現実を直視してみる

上の記事の、筆者が挙げている Linux がデスクトップ市場で普及しない理由の 1 から 3 は、ごく一般的なユーザーの視点では納得ができませんが、

4 企業は非難の矛先を向ける対象が欲しい

は頷けます。

自分が勤めている会社では、相変わらずの Windows XP がデスクトップ PC です。IT 部門が、基幹系も含めて Windows 系のシステムしか導入していないから仕方ありません。でも周りの人にいろいろ聞いてみると、Windows に対する専門的な知識の少なさには驚かされます。思うに、Excel, Word あるいは PowerPoint そしてメールクライアントソフト (Outlook Express) が使用できれば、業務では事が足りているようです。それに一旦企業に普及してしまった環境を変えるということは、もうなかなかできないのかもしれません。

一方、自宅での使用環境を振り返ってみると、最初は「Windows をメインに、Linux を切り替えて」使用していたのですが、ある時点で勇気を出して「Linux をメインに、Windows を切り替えて」使用するようになって以来、Windows を滅多に使用しなくなってしまいました。

それでも世間一般の環境も利用できるように、なんとか Windows Vista までは切り替えて利用できるように追従してきましたが、Windows 7 でついに挫折です。Windows をほとんど使わないので投資効果が全然ありません。

自宅では Windows がなくても不自由を感じないので、これはきっとある意味では慣れなのでしょう。また、長く使っているので信頼感とか安心感もあります。だから、大多数のユーザーにとっては、会社でも使っている Windows を自宅でも使うことは、なにかと便利であるし、Windows の細かいところを知らなくとも、なんとなく「慣れ」とか「安心感」があるのだと思います。MacOS なんていう、車で言うとポルシェみたいなブランドの OS も確かに聞いたことがあるけれど、実質的に Windows 以外の選択肢があるという事実すら認識していないのかもしれません。そこまで Windows を世間に普及させたのですから、そういう意味ではどう考えても Microsoft の市場における勝利です。

Linux のデスクトップ環境が Windows を凌駕するためには、Linux のデスクトップでなければ実現できない、しかも大多数を惹きつける「なにか」がなければなりません。Linux でしか実現できないなんてものはあるのでしょうか?

あるとすれば、もう Linux とは言えないかもしれない Chromium OS (Google Chrome OS) のようなアプローチが、将来そうなる可能性を秘めています。しかし、先の記事にも書いてある通り、現実的な話題になるのは、まだまだ先の話です。

[3] Download Chrome OS VMWare image After Google announced the availability of the Chrome OS... - gdgt

ちなみに Web クライアントのシェアを、デスクトップ PC のシェアと同じと考えれば、今のところ Linux のシェアは 1% 程度しかありません。

[4] Usage share of operating systems - Wikipedia, the free encyclopedia
 

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