2013-09-27

Surface 2 の発表から Windows RT の普及を考える

9 月 24 日(米国時間)から Microsoft 直営店の Microsoft Store サンフランシスコ店で Surface Pro 2 および Surface 2 の予約が開始されたということです。Surface Pro 2 は、Surface Pro の後継機で、プロセッサに第4世代 Core シリーズの Core i5-4200U、Surface 2 は Surface RT の後継機で、プロセッサには Tegra 4(1.7GHz、ARM Cortex-A9: 4コア、NVIDIA GPU: 72コア)が採用されています。詳細は関連サイトの記事をご覧になってください。

今回の新モデルの発表で注目したいのが Surface 2 です。搭載されている OS は Windows 8.1 RT、ARM 系プロセッサ対応の Windows です。

Windows NT 4 まで、Intel 系プロセッサの他に Alpha, MIPS そして PowerPC もサポートされていました。2011 年初めに Windows NT 系プラットフォームが ARM 系プロセッサにも対応することが発表され、2012 年 10 月に Windows 8 シリーズ(Windows NT 6 系)のひとつとして ARM 系プロセッサのモバイル端末向けの Windows RT がリリースされました。

今回、ARM 系プロセッサ対応の Windows RT も 8.1 と更新され、新しい端末と共に発売されるということは、たとえ初代の Surface の売上が芳しくなくとも、今後も Intel 系プロセッサと同様に ARM 系プロセッサ対応の Windows が開発され続けることへの期待が持てます。そうであれば、Windows RT がもっと普及して欲しいと応援したくもなってしまいます。

個人的には、Intel 系の CPU が省電力と処理能力の向上に成功することに期待するより、既にモバイル端末分野で普及している ARM 系プロセッサ用に、OS としての Windows がもっと普及する方に期待してしまうのです。

Intel 系プロセッサ (x86) の市場は、追撃する AMD を寄せ付けず Intel の一人勝ちの様相であるのに対して、ARM 系プロセッサの市場では、Qualcomm / Snapdragon, Samsung / Exynos, NVIDIA / Tegra などなど、ARM 社から IP コアのライセンス供与を受けている企業のプロセッサが数多く存在します。プロセッサは PC に使われているだけではなく、自動車や電化製品その他、様々な分野で利用されていることは言うまでもありません。そして ARM チップは世界で最もよく使われている CPU デザインの一つとなっています。すでにスマートフォンなどモバイル端末では広く使われているプロセッサですが、PC では今まで触れることのなかった ARM プロセッサに、PC 的な使い方(プログラミングができる環境)で触れたいという欲求があります。

また、Windows PC が爆発的に普及した結果、ハードウェア仕様の標準化が進められ 注)、アマチュアでも PC パーツからパソコンを組み立てることが簡単にできるようになりました。そして Linux もこの標準化の恩恵を受けて Windows PC への Linux のインストールがずいぶん簡単になったと言えます。Windows RT が普及することでも、似たような「仕様の標準化」が進むことを期待してしまいます。

注)厳密に言えば PC のハードウェア仕様の標準化は DOS/V と呼ばれた IBM PC/AT 互換機対応から始まったと言った方が適切かも知れません。

そういうわけで Linux ユーザでありながら、Windows RT の普及に期待を持ってしまうのですが、考えてみると Android 端末の普及でも同じことが言えそうです。ところが Android は Linux がベースになっているとは言え、最新のソースコードが限定的な Google のパートナー(Tier 1 と呼ばれる限定数社)にしか提供されていない状態で、とてもオープンソースのプロジェクトとは言えないという記事も目にします。Windows はオープンソースのプロジェクトではありませんが、Windows が動作するハードウェアの仕様や Windows 対応 PC と認証するプログラムを積極的に推進しています。

モバイル業界では技術開発競争が激しく、マイクロソフトも Surface という自社開発のハードウェアを投入しないと参入が難しいぐらい追い詰められているのかもしれませんが、そこは世界的な大企業の立場をフルに活かして、Surface をリファレンスモデルとして、サードパーティが参入しやすいように仕様を標準化する方向に互恵関係を築き上げて欲しいものだと願っています。こういうビジネスモデルは世界的な大企業でないと効果的には展開できないと思うからです。

いずれは Surface 2 が日本で発売される日がくるでしょう。初代の Surface RT の発売時は様子見と決め込んでいましたが、そろそろ買い時かもしれません。

関連サイト

  1. Microsoft、Haswell搭載の「Surface Pro 2」とTegra 4搭載の「Surface 2」 ~日本でも近日発表か? - PC Watch
  2. Surface 2/Pro 2の予約販売が米国で開始 ~店頭の展示実機を写真でチェック - PC Watch
  3. 「Surface 2」の第一印象--薄型軽量化した「Tegra 4」搭載の新モデル - CNET Japan
  4. Surface 2のLTEモデルが来年登場か!? 中の人が語る
  5. Windows NT系 - Wikipedia
  6. WindowsがARMをサポートするという話 - ブログ de OS - unakami - builder by ZDNet Japan
  7. ビジネスニュース 企業動向:100億個規模のCPUコア市場、ARMが独占状態 - EE Times Japan
  8. Androidの透明性とGoogle先生とのつきあい方 - Future Insight
  9. Windows ハードウェア - Windows ハードウェア デベロッパー センター
  10. Microsoft forges ahead with ARM tablets | Microsoft - CNET News

2013-09-08

【備忘録】QR コード

QR コードとは、1994 年にデンソーの開発部門(現在のデンソーウェーブ)が開発したマトリックス型二次元コードです。QR は Quick Response に由来し、当初は自動車部品工場や配送センターなどでの使用を念頭に開発されましたが、現在ではスマートフォンの普及などにより日本に限らず世界的に普及しているようです[QRコード - Wikipedia]。QR コードは日本固有の規格だと思い込んでいましたが、ISO/IEC 18004 という国際規格にもなっています。

QR コードの生成

便利な世の中になったもので、QR コードの生成は、Google Chart API を利用すれば簡単にできます。以下に作成例を示します。

<img src="http://chart.apis.google.com/chart?chs=150x150&cht=qr&chl=http://bitwalk.blogspot.jp/" width="150" height="150" alt="bitWalk's">
bitWalk's

QR コードの読み取り(デコード)

一方、QR コードの読み取りは、Android 用の ZXing が有名です。これは Java のライブラリで、Objective C / C++ にもポートされています。JavaScript へは、LazerSoft が jsqrcode としてポートしています。HTML5 の canvas を使用するようです。また、SourceForge.jp に QRcode decode javascript というプロジェクトもあります。

Firefox OS のシミュレータではカメラを使えないのですが、これらのライブラリを利用してなんらかの評価をしてみたいと考えています。評価用の実機があれば…。

  1. QR コードの概要
  2. Google Chart APIでQRコードを作成する方法 [ホームページ作成] All About
  3. Multi-format 1D/2D barcode image processing library with clients for Android, Java - Google Project Hosting
  4. LazarSoft/jsqrcode
  5. QRcode decode javascript プロジェクト日本語トップページ - SourceForge.JP
  6. Mozilla offers free Firefox smartphones if developers port apps for OS | ITProPortal.com