2018-01-14

Fedora で PowerShell を試す

Microsoft 社がオープンソース化した PowerShell 6 の パッケージを、まだアルファ版の段階で Fedora にインストールしてみましたが、その時は正常に起動できませんでした [1]。ようやく正式版の PowerShell 6 がリリースされましたので [2]、あらためて試してみました。

動作環境は次の通りです。

  • OS: Fedora 27 (x86_64)
  • powershell-6.0.0-1.rhel.7.x86_64

[3] に従い、下記のようにしてインストールしました。

$ su
パスワード:
# rpm --import https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc
# curl https://packages.microsoft.com/config/rhel/7/prod.repo | tee /etc/yum.repos.d/microsoft.repo
  % Total    % Received % Xferd  Average Speed   Time    Time     Time  Current
                                 Dload  Upload   Total   Spent    Left  Speed
100   193  100   193    0     0    193      0  0:00:01 --:--:--  0:00:01   554
[packages-microsoft-com-prod]
name=packages-microsoft-com-prod
baseurl=https://packages.microsoft.com/rhel/7/prod/
enabled=1
gpgcheck=1
gpgkey=https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc
# dnf -y update
packages-microsoft-com-prod                     757 kB/s | 512 kB     00:00    
...
...
...
完了しました!
# dnf install powershell
メタデータの期限切れの確認は、0:09:18 時間前の 2018年01月14日 08時31分51秒 に実施しました。
依存性が解決されました。
================================================================================
 パッケージ    アーキテクチャ
                         バージョン        リポジトリ                     サイズ
================================================================================
インストール:
 powershell    x86_64    6.0.0-1.rhel.7    packages-microsoft-com-prod     49 M

トランザクションの要約
================================================================================
インストール  1 パッケージ

総ダウンロードサイズ: 49 M
パッケージ展開後のサイズ: 49 M
これでいいですか? [y/N]: y
パッケージをダウンロードしています:
powershell-6.0.0-1.rhel.7.x86_64.rpm            5.9 MB/s |  49 MB     00:08    
--------------------------------------------------------------------------------
合計                                            5.9 MB/s |  49 MB     00:08     
トランザクションの確認を実行中...
トランザクションの確認に成功しました。
トランザクションのテストを実行中...
トランザクションのテストに成功しました。
トランザクションを実行中...
  準備中           :                                                        1/1 
  インストール     : powershell-6.0.0-1.rhel.7.x86_64                       1/1 
  Running scriptlet: powershell-6.0.0-1.rhel.7.x86_64                       1/1 
  検証中           : powershell-6.0.0-1.rhel.7.x86_64                       1/1 

インストール済み:
  powershell.x86_64 6.0.0-1.rhel.7                                              

完了しました!
# exit
exit
$ pwsh
PowerShell v6.0.0
Copyright (c) Microsoft Corporation. All rights reserved.

https://aka.ms/pscore6-docs
Type 'help' to get help.

PS /home/bitwalk>

端末エミュレータを起動して pwsh と入したところ PowerShell が起動しました。クロスプラットフォーム版 PowerShell にどのような利用価値があるのかは、おいおい調べていきます。

Linux 版 PowerShell (pwsh) の実行例

参考サイト

  1. bitWalk's: Fedora で PowerShell を試す - 失敗 [2016-11-11]
  2. PowerShell comes to MacOS and Linux. Oh and Windows too • The Register [2018-01-12]
  3. Installing PowerShell Core on macOS and Linux | Microsoft Docs

 

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2018-01-06

Maximaであそぶ

Maxima は、LISP で記述された数式処理システムです。GNU GPL に基づくフリーソフトウェアであり、現在も活発に開発が続けられています。[Wikipedia より]

以前の記事 [1] で Maxima on Android を紹介しましたが、Maxima は Linux 上で利用できます。Maxima on Android に慣れるには、まず Maxima に慣れる方が、大きな画面とキーボードが利用できることから、より簡単だと思われます。ということで、早速 Maxima をインストールしてみました。

使用している環境は以下の通りです。

  • OS: Fedora 27 (x86_64)

Maxima のインストール

まず、maxima をキーワードにして、関連するパッケージを検索します。

$ su
パスワード:
# dnf search maxima
メタデータの期限切れの確認は、0:00:20 時間前の 2018年01月02日 08時57分50秒 に実施しました。
========================= 名前 Exactly Matched: maxima =========================
maxima.x86_64 : Symbolic Computation Program
========================== 名前 & 概要 の一致: maxima ==========================
maxima-src.x86_64 : maxima lisp source code
maxima-gui.x86_64 : Tcl/Tk GUI interface for maxima
maxima-runtime-ecl.x86_64 : Maxima compiled with ECL
maxima-runtime-gcl.x86_64 : Maxima compiled with GCL
wxMaxima.x86_64 : Graphical user interface for Maxima
maxima-runtime-sbcl.x86_64 : Maxima compiled with SBCL
maxima-runtime-clisp.x86_64 : Maxima compiled with clisp
============================= 概要 の一致: maxima ==============================
wannier90.x86_64 : Maximally-localised Wannier functions
nodejs-simple-is.noarch : Maximally minimal type-testing library
nodejs-simple-fmt.noarch : Maximally minimal string formatting library

wxMaxima をインストールする事で、Maxima 本体を含む関連するパッケージもインストールします。

この wxMaximaは、wxWidgets によるグラフィカルな Maxima のユーザーインターフェイスです。見映えのする数式表示と、メニューとダイアログを通じた Maxima へのアクセスを提供します。

# dnf install wxMaxima
メタデータの期限切れの確認は、0:01:00 時間前の 2018年01月02日 08時57分50秒 に実施しました。
依存性が解決されました。
================================================================================
 パッケージ               アーキテクチャ
                                      バージョン             リポジトリ   サイズ
================================================================================
インストール:
 wxMaxima                 x86_64      16.04.2-4.fc27         fedora       2.6 M
依存関係のインストール:
 gnuplot                  x86_64      5.0.6-5.fc27           fedora       824 k
 gnuplot-common           x86_64      5.0.6-5.fc27           fedora       643 k
 jsmath-fonts             noarch      20090708-12.fc27       fedora       123 k
 maxima                   x86_64      5.41.0-1.fc27          updates       22 M
 maxima-runtime-sbcl      x86_64      5.41.0-1.fc27          updates       12 M
 rlwrap                   x86_64      0.42-7.fc27            fedora       102 k
 wxBase3                  x86_64      3.0.3-5.fc27           fedora       1.1 M
 wxGTK3                   x86_64      3.0.3-5.fc27           fedora       5.1 M
 wxGTK3-webview           x86_64      3.0.3-5.fc27           fedora        64 k

トランザクションの要約
================================================================================
インストール  10 パッケージ

総ダウンロードサイズ: 44 M
パッケージ展開後のサイズ: 180 M
これでいいですか? [y/N]: y
パッケージをダウンロードしています:
(1/10): jsmath-fonts-20090708-12.fc27.noarch.rp  24 kB/s | 123 kB     00:05    
(2/10): wxBase3-3.0.3-5.fc27.x86_64.rpm         180 kB/s | 1.1 MB     00:06    
...
...
...
  検証中           : gnuplot-common-5.0.6-5.fc27.x86_64                   10/10 

インストール済み:
  wxMaxima.x86_64 16.04.2-4.fc27      gnuplot.x86_64 5.0.6-5.fc27              
  gnuplot-common.x86_64 5.0.6-5.fc27  jsmath-fonts.noarch 20090708-12.fc27     
  maxima.x86_64 5.41.0-1.fc27         maxima-runtime-sbcl.x86_64 5.41.0-1.fc27 
  rlwrap.x86_64 0.42-7.fc27           wxBase3.x86_64 3.0.3-5.fc27              
  wxGTK3.x86_64 3.0.3-5.fc27          wxGTK3-webview.x86_64 3.0.3-5.fc27       

完了しました!
# 

Maxima の実行例

下記に使用例をいくつか示しました。wxMaxima 上では [Enter] ではなく、[Shift] + [Enter] で入力します。

関数の定義

f(x) := x^3 - 1;

方程式の解

solve(f(x) = 0);

微分

diff(f(x), x);

不定積分

integrate(f(x), x);

定積分

integrate(f(x), x, 1, 2);

定積分の数値計算

romberg(f(x), x, 1, 2);
wxMaxima の実行例

グラフ表示の例として、媒介変数で定義したメビウスの帯を描画してみました。グラフはデフォルトで gnuplot 上に描画されます。

メビウスの帯 [4]

x: cos(2*t)*(r*cos(t) + 2);
y: sin(2*t)*(r*cos(t) + 2);
z: r*sin(t);
plot3d([x, y, z], [r, -1, 1], [t, 0, %pi], [grid, 10, 100]);
Möbius strip

参考サイト

  1. bitWalk's: Maxima on Android を試す [2018-01-01]
  2. Maxima Manual:
  3. Maxima - Wikibooks
  4. メビウスの帯 - Wikipedia
  5. Maxima入門 Maximaのインストールから簡単な数式、グラフ作成まで

 

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2018-01-02

KNOPPIXのいま

KNOPPIX(ノピックス)は、CD-ROM または DVD-ROM から起動することが可能な Debian ベースの Linux ディストリビューションです [1]。[Wikipedia より]

日本では独立行政法人 産業技術総合研究所(産総研)から、日本語を使うユーザー向けにカスタマイズした KNOPPIX が配布されていたためか、知名度がある Linux ディストリビューションのひとつと思っていましたが、二年以上前から産総研の版は配布されなくなっていたのですね [2]

本家 KNOPPIX では開発が続いており、最新のバージョン 8.1 が昨年の 9 月 5 日にリリースされています。ファイルの末尾が -DE のドイツ語版と -EN の英語版の iso ファイルがダウンロード可能だったので、英語版の KNOPPIX_V8.1-2017-09-05-EN.iso をダウンロードして、Fedora Media Writer [3] を使ってフラッシュメモリに書き込みました。

早速起動してみたところ、UEFI での起動は特に問題なく、しばらく待つと無事デスクトップが表示されました。

KNOPPIX 8.1 のデスクトップ画面 (LXDE)

英語版のパッケージをインストールしたため、当然、メニューは英語です。キーボードも英語の101系配列になっています。幸いなことに日本語をはじめとする他の言語で入力するための環境は含まれているようでしたので、設定例を紹介すべくあれこれやってみました。しかし、使用した Celeron 搭載のチープな PC (4GB RAM) には全く重過ぎる OS でした。動作が緩慢すぎて、設定に関わるスクリーンショットを取って、それらのファイルを苦労してネットワーク上のストレージにコピーしたところでギブアップです。下記は関連する設定画面の一部です。

Celeron 搭載のチープな PC (4GB RAM) では KNOPPIX は緩慢な動作なので、チープな PC しか使っていない自分にとって、日常的に使える代物ではありませんが、ストレージにインストールして通常使っている Fedora や Ubuntu がなんらかの原因で起動しなかった時に、最低でも重要なファイルをコピーするといった緊急避難用途に KNOPPIX は役に立ちそうです。

追記   [2018-01-03]

KNOPPIXを試したところ、想像以上に動作が重かったのに辟易しましたが、Compiz による画面効果を無効にすれば、もう少しマシな動作速度が得られるかもしれないと思い直し、翌日になって再び KNOPPIX を起動しました。

驚いたことに、昨日の作業ファイルなどが残っていました。KNOPPIX の起動用フラッシュメモリの KNOPPIX-DATA パーティションに /etc /home /root /var のバックアップが取られていました。シャットダウン時に異様に時間がかかるなと思っていましたが、おそらくはバックアップを作成していて時間がかかるのでしょう。設定が保存されるのであれば、応用範囲が広がりそうです。

KNOPPIX の起動用フラッシュメモリの KNOPPIX-DATA

参考サイト

  1. KNOPPIX - Live Linux Filesystem On CD
  2. KNOPPIX日本語版、開発中止に | スラド Linux [2015-04-23]
  3. bitWalk's: Fedora Media Writer [2016-12-11]

 

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2018-01-01

Maxima on Android を試す

年末年始の休みになり、ラゾーナ川崎プラザにある丸善で本を物色していたところ、「スマホで数学!」という A5 版程度の小冊子が目につきました。正確な書名は、「いつでも・どこでも・スマホで数学!」です。副題に「Maxima on Android 活用マニュアル」とあります。手にとって奥付をみると、2017 年 12 月 15 日 第1版第1刷発行となっており、発売されたばかりの本です。

Maxima [1] とは、LISP で記述された数式処理システムです。GNU GPL に基づくフリーソフトウェアであり、現在も活発に開発が続けられています。[Wikipedia より]

Maxima を使ったことはありませんが、「数式処理システム」という響きは、昔 Macintosh で使っていた Mathematica と同種のソフトウェアであろうと想像できます。その Maxima が Android 端末📱で利用できるように移植されていて無料で入手できるということなので俄然興味を持ちました。

会社から支給されている iPhone を使ってはいるものの、個人用途では長らくガラケーを使っていました。ガラケーを卒業して、型落ちの格安 Android 端末(6,000 円‼)を使い始めたのは昨年3月のことで、まだまだスマホ初心者です。使用用途のほとんどは、SNS やニュース📰の閲覧と、SNS にアップする写真の撮影📷、たまに音楽を聞く🎧 程度です。小さな画面でゲームをしようとは考えないので、プロセッサーの能力を存分に引き出すような使い方はしていません。

しかし、Maxima on Android を使いこなせるようになれば、スマホの電卓ではとてもできないクリエイティブな用途に使えるかもしれないと夢みたいなことを考えながら、本を持ってレジに並んだのでした。

早速 Maxima on Android をインストールして、まずは「いつでも・どこでも・スマホで数学!」の「はじめに」iiiページに紹介されていた二変数関数をプロットしてみました(下図)。プロットには一瞬の待ちを感じた程度で、十分速く描画されました。

f(x,y):=sin(sqrt(x^2+y^2))/sqrt(x^2+y^2) のプロット例

「いつでも・どこでも・スマホで数学!」にインストールの方法が丁寧に説明されていますが、カラーでないせいでしょうか、やや読みにくいように感じましたので、自分の環境でインストールした時のスクリーンショットを下記にまとめました。

Maxima on Android のインストール

Google Play から Maxima on Android をインストールします。

「開く」をタップするとインストール先を内部か外部ストレージするか選択する画面が表示されます。お使いの環境に応じてどちらかを選び「INSTALL」をタップしてインストールします。インストールが終わると Maxima On Android が起動します。

Std Math Keyboard のインストール

数式を入力するには標準の iWnn IME のキーボードでは不便だということなので、推奨されている Std Math Keyboard をインストールして利用することにします。

インストールした Std Math Keyboard を有効にします。

Maxima on Android 上で iWnn IME 上の ボタンをタップして、メニューから「入力方法」を選択してキーボードを切り替えます。

とりあえず使ってみる

冒頭で紹介したように「いつでも・どこでも・スマホで数学!」の「はじめに」iiiページに紹介されていた二変数関数をプロットしてみました。[ENTER] ボタンの左側が式、コマンドを入力するエントリになっています。以下を一行ずつ入力して [ENTER] ボタンをタップします。

f(x,y):=sin(sqrt(x^2+y^2))/sqrt(x^2+y^2);
plot3d(f(x,y),[x,-10,10],[y,-10,10],[grid,50,50]);

もうすこし Maxima on Android の使い方を習得して、おもしろい応用例があれば、本ブログで紹介しようと考えています。

参考サイト

  1. Maxima, a Computer Algebra System
  2. Maxima on Android - Google Play の Android アプリ

 

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